ひとりでトロントに行ったときの話。〈前篇〉
前回、旅の準備篇を書いたので、今回は旅の話。行って良かった場所や美味しかったもの、トロントで出会ったひとのことを書こうと思う。
トロント到着
羽田を離陸して11時間、トロントに到着したのは16時45分。入国審査できちんと英語で受け答えができるのかが最大の難関…と思って身構えていたのだが、よくある質疑応答の入国審査がなかった。
カナダへの入国には電子渡航認証(eTA)が必要なので、事前に取得しておく。ちなみにeTAのサイトと思ったら偽サイトというのもあるらしい。きちんと外務省のサイトから飛んだ先で取得するのをオススメする。
(わたしは検索していちばん上のサイトが偽サイトで、あやうくクレジットカード情報を抜き取られるところだった。)
さて話を戻そう。 到着したトロント・ピアソン空港には、「Kiosk(キオスク)」があり、パスポートのスキャンや顔写真の撮影、税関申告書の入力をした。この機械は日本語が選択できるので説明通りに進めていけば問題ない。
ないのだが…撮影のタイミングが早すぎて、変顔をかましてしまった。ドリエルを服用していて寝ぼけていたのもあるが、到着早々のスピード感に完全に置いていかれた。キオスクから出てきた顔写真つきの紙を隠しながら入国審査官の列に並ぶ。
入国審査官の前には案内係(?)が立っていたのだが、「パスポート」と言われ、パスポートとキオスクの紙を見せたら「もう行っていいよ」と言われて入国審査官との質疑応答もなく、スタンプを押されることもなく通された。
入国審査も荷物受け取りも体感30分くらいで終わってしまい、友人が迎えに来るまで空港で待ちぼうけ。呆気なさすぎてびっくりした。
その後は滞在する Airnb に行き、案内を聞きながらお土産を渡したり、友人に1ヶ月分の日本食を渡したりして、おすすめのタコス屋さんへ。
Gus Tacos
ここのタコスが本当に美味しい。チェーン店でいくつか店舗があるらしい。
わたしはタコス2種とアップルサイダーをいただいた。この日を境にタコスが好きになって、たまに自分で作ったり、タコス屋さんに行ったりする。もっと日本に増えてほしい。
移動で疲れたので、お風呂に入ってすぐに寝た。
携帯の充電ができない!
2日目は夕方から友人と会う約束。時差ボケ解消のためにあまり予定を入れていなかったのだが、飛行機でも、到着した夜も十分な睡眠をとっていたので、7時には目が覚めていた。意外と元気なので、ダウンタウンをぶらぶらすることにした。体調にあわせて予定を変えられるのが、ひとり旅の良いところ。
その前に朝ごはんと水がない!ので、オープン時間に合わせて、近くのスーパーに行った。さすがカナダ。スーパーもデカい。
無事に水を入手し、ちょっと部屋で休憩してゆっくりしてから移動しようと思っていたら、大事件が。充電中の携帯のケーブルが根本から折れた。
幸いにも携帯は無事だが、1本しかないケーブルが壊れた。しかもバッテリーの残量が20%を切っている。異国で活動するためのすべてが入っている携帯電話。使えなければ何もできない。友人とも最悪合流できなくなる。
とにかく充電ケーブルを手に入れようと移動することにしたが、調べようにも携帯のバッテリーが残りわずか。とにかくケーブルが手に入りそうなイートンセンターに行くことにした。
電車のチケットの買い方や乗り方は地球の歩き方で下調べしておいたが、ドキドキしながら購入した。問題なく購入できて、少し安心。携帯のバッテリー残数を見てまたドキドキ、の繰り返し。幸いにもトロントの路線図はシンプルで迷わず辿り着いた。トロントの鉄道は、日本と同じく路線が色分けされているので駅構内の案内板も非常にわかりやすい。
▼ トロント地下鉄の路線図
無事にイートンセンターに到着。入り口近くの家電ショップでケーブルも購入できた。割高だった気もするが、不安解消するためには仕方ないと即決で購入した。持っていたモバイル充電器につなぎようやく充電できて一安心。
冷静になってこのあとのスケジュールを考える。友人との合流までだいぶ時間がある。イートンセンター周りを散策することにした。
この日いちばん行って良かったと思ったのは St. Michael's Cathedral Basilica 。 1848年に建てられたカトリックの大聖堂だ。 青いステンドグラスが美しく、歩き回って疲れた体を癒してくれた。何時間でもいられそうに思うほど。 トロントは教会がオープンで、ツーリストにやさしい。こうした歴史ある美しい教会が身近にあるのも海外らしいなと、改めて思った。
思いがけない出会い
友人と合流するために指定場所へ移動中、陽気なナイスガイに遭遇した。というのも、マップを見ると、目の前のホテルを通り抜けたら目的地だと気づいた。回転扉を開けようとしたが開かない。どうやら建物の裏手らしく、従業員用だったかと諦めて遠回りしようとしたら真後ろに人が立っていた。驚きで身構えたのだけれど、なんとポケットから社員証を取り出して、開けてくれたのだ。その間、話しかけてくれたのだが、たぶんこう言ってた。
「あれ?開かないの?困ったね〜でも大丈夫。じゃじゃーん!これで入れるよー!どうぞ〜」
たぶんこんな感じのジェスチャーだった。とにかく明るい黒人のナイスガイに、めちゃくちゃ笑った。そしてグータッチして「Have a nice day!」と言い合って、彼はホテルの奥に消えていった。いま思うと宿泊客と間違われたのだと思うけれど、素敵な出会いに心があったかくなったのだった。
その後は友人と合流して軽い夕飯をとって宿に戻った。
ナイアガラの滝を浴びる
3日目はユニオン駅から出ているバスツアーでナイアガラ・フォールズへ。
2時間ほどで到着したのだけど、バスからおりると滝の音がする。近づくにつれて、音が大きくなり、ようやく見えた滝の迫力に驚かされた。
2日目のハイライトは、ナイアガラ・シティ・クルーズ。ナイアガラの滝目前まで近づくびしょ濡れ必至のアクティビティに参加した。乗客みんなでお揃いの赤いポンチョを着て船に乗船する。あいにくの小雨模様だがそんなの関係ない。アメリカ滝を横目に船はどんどんカナダ滝に向かっていく。ときおり、アメリカ側の船(ポンチョが青色)とすれ違いお互いに手をふりあった。ついに、カナダ滝が目の前に。乗客たちはテンションがあがっていて、近くの黒人ギャルたちと「キャーキャー」騒ぎながら水飛沫を浴びた。轟音がとどろき、声を張り上げても、かき消されてしまう。最高に楽しかった。例に漏れず、私も友人もびしょ濡れに。ナイアガラの滝に訪れたら、ぜひとも参加してほしいアクティビティだ。
ナイアガラの滝を堪能したらすぐそばの繁華街へ。街全体が遊園地のような雰囲気で、歩くだけでも楽しい。ここでのお目当てはビーバーテイルズ!
シナモンシュガーのビーバーテイルとプーティーン(フライドポテトにグレイビーソースとチーズがかかっている)が最高に美味しかった。
ブルージェイズ色に染まる
4日目はロジャーズ・センターへ。生のMLBが見たい!とずっと楽しみにしていた。ブルージェイズvsマリナーズ戦。ブルージェイズのスウェットを購入して全身青色で参戦!
MLBの演出は派手で、球場全体の照明が点滅するし、ウェーブしたり、2階席にもチアリーダーがきてダンスしたりと大盛り上がり。ブルージェイズの打線は、ボー・ビシェット → ゲレーロJr. → チャップマンが激アツらしくこの3人が登場するたびに大歓声に包まれる。さながらライブ会場のようでめちゃくちゃ楽しかった。ホームランも見れたし、試合も4-3で勝利した。
興奮冷めやらぬまま近くのバーへ。なかなかに雰囲気が良くて楽しかった。
帰宅時にホストファミリーに会い、「ブルージェイズ見てきたよー」と言ったらすごく喜んでいた。やはり地元のチーム愛が根強いのは、万国共通らしい。
続きはまた今度。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?