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辞めたいのに辞めさせてもらえない⁈ ブラック企業に入ってしまった時の対処法

もし、ブラック企業に入ってしまったら? 一度ブラック企業に入社してしまうと、【辞めさせて貰えない】と悩む方や、【辞めざるを得ない状況に仕向けられる】といった恐ろしいケースが多いのが事実です。ではもし自分が入社した後に、会社がブラックだと気づいたら。今回は、ブラック企業に入ってしまった時の対処法についてご紹介します。


お疲れ様です。齋藤亜瑚です。

二回にわたって「ブラック企業の見極め方」についてお伝えしてきました。読者の皆さまの中に、もし、うっかりブラック企業に入ってしまった方がいたら、最低限知っておいていただきたい「ブラック企業に入ってしまった場合の対処方法」について、今回はお伝えしたいと思います。

ブラック企業を辞める前に確認しておきたいのは「経済的状況」


ブラック企業との関わり方において、問題は大きく分けて2つのパターンがあります。それは、【辞めさせて貰えない】、または【辞めざるを得ない状況に仕向けられる】ということです。

日々激務のブラック企業から抜け出すことばかりを考えていても、焦って転職活動に挑んでしまうと、またブラック企業のお世話になってしまうかもしれません。

私はこれまでキャリアコンサルタントとして、たくさんの履歴書を拝見してきましたが、本当に何度も何度もブラック企業とのご縁ばかり続いてしまう方がいます。そういった人が一人でも減るよう、参考にしていただきたいと思っています。

まず、大前提として、「会社を辞める」経済面の準備はできていますか

会社を辞めるということは、(切れ目なく就職先がある以外は)一定期間収入が途絶えるということ。失業給付も、「自己都合退職」の場合は待機期間は3か月以上になります。
一人暮らしをしている方であれば、家賃や光熱費、税金等を一定期間支払える蓄えがあることが大前提となります。

手元の金額が心もとなくなってくると、人はどうしても焦りが生まれます。この「焦り」と「ブラック企業への転職」は、とても関係が深いように思います。

【失業給付についての豆知識】


勤続年数に応じ、90日以上、最大330日間の給付を受けられます。
給付される金額も勤続年数や、収入、年齢で変わってきますが、前職の収入の5~8割程度の失業給付を受け取ることができます。1日平均にしておおよそ6,500円~7,500円程。失業保険を利用して、余裕を持って次の職場を見つけましょう。

次の仕事がすぐに決まって、失業給付期間を残して転職できた場合についてご存知でしょうか?
期間を3分の1以上残した状態で就職が決定すると、「再就職手当」がもらえます。失業給付の受給期間が残り3分の1以上なら、支給残額の50%、残り3分の2以上なら60%にあたる金額が、再就職の祝い金として一括で支払われます。
最終的にもらえる額は減ってしまいますが、給与と並行してもらえるボーナスと考えると、ちょっぴり嬉しい収入になるのではないでしょうか。

また、「失業給付を満額もらってから転職しよう」等という目標を立てると、たいていの場合「最初から本気モード」での活動にならないものです。
この「再就職手当」を申請することを目標として活動するくらいのペースでちょうで良いのです。離職期間があまり長くならないようにするためにも、頭の片隅に覚えておいていただければと思います。


【ブラック企業を辞めさせて貰えない場合】

まず、大前提として知っておいて欲しいことがあります。それは、ブラック企業は、辞めて良いのだということです。

「辞めたら負けた気がする」、「ここを辞めたら、もう行ける会社なんてない」なんて考えないことです。そういった心情に、ブラック企業はつけ込んでくるのですから。


■ブラック企業を辞められない人に多い要素


ブラック企業を辞められない人には、共通点があります。
それは「責任感が強く」「素直で誠実で」「我慢強い」人です。こういった性格は、人間として価値のある性質には違いないですが、ブラック企業経営者にとっては「従順で逆らわない人」でもあります。無理難題を押しつけても文句ひとつ言わず、我慢してくれる便利な存在です。

あなたは、ブラック企業の便利な存在になってはいけないのです。

現状を変えたい、会社を辞めたいと思えば、勇気を出して声を上げること。仕事はあくまでも生活の対価を得るための手段と割り切って、自分の価値観に従って行動するべきです。

「今まで一緒に頑張ってきたのに、仲間を見捨てるのか」
「ここで逃げ出していいのか」
「成功している奴は、最後まで諦めないぞ」
「今、辞めると他の同僚に負担がかかるぞ」
「繁忙期に辞めるなんて非常識。損害賠償請求するぞ」
「今月で辞めるというなら、これまでの損失を最後の給与から差し引くぞ」

これらは全て、脅しの言葉です。
いつ、どこで、誰から言われた言葉かメモを取るようにしましょう
スマホで録音しておくのも良いかと思います。(あからさまに録音しようとしているのがバレて、「会議室にスマホを持ち込むな!」と恫喝された経験がある方もいらっしゃいます。向こうも警戒しているので、注意しましょう)

だいたい、仲間、仲間と言いますが、そもそもそんなに団結力のある仲間たちなら、あなたは退職を考えたりしないでしょう。

人は、努力に対する成功の報酬が見合っているからこそ会社に尽くそうと思えるものです。それらを満たしていないブラック企業が何を言っちゃっているんだという感じですが、こんな強い言葉を面と向かって言われてしまうと、ついつい心を動かされる人もいるかもしれません。

「私に期待しているからこそ、強い口調で言われるのかもしれません。」と真顔で言っていた相談者がいました。……気を付けて! それ、洗脳されかかっています。

彼らは、あなただけでなく同じようなことを辞める人に言っています。これらの言葉は、あなたのことを思って言っているのではなく、部下=便利な駒が減ることを危惧して発している言葉に過ぎません。


本当に給与が理不尽に天引きされて来ていたら


「今月で辞めるというなら、これまでの損失を最後の給与から差し引くぞ」

本当に実施されたことがある方がいます(実は私もです)

弁護士や労働基準監督署、法テラス(https://www.houterasu.or.jp/) などに相談し、対応をしましょう。実際に損害賠償や理不尽な給料天引きなどを行ってきたのであれば、明らかに違法なので、場合によってはこちらからも弁護人を立てて戦うことも考えられます。

いかがでしょうか。
少しシビアなお話になりましたが、次回は【辞めざるを得ない状況に仕向けられる】事態に対応するために知っておきたいことについてご案内したいと思います。


それでは、またお目にかかりましょう。

齋藤亜瑚


よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。