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ミユリお嬢様、現る

マユリをミユリに交換してもらって、私は30万円以上するミユリを実質56000円で買ったのと同じことになりますが、これも私とミユリの運命的なものなんだなと思いました。そう、リルルと運命的に出会ったあの時から、きっとミユリとも運命がつながっていたのです。(上の画像は、AIでミユリを美少女化したミユリちゃんです)とりあえず家に帰った私は部屋に戻り、キャリングケースを畳の上に置きました。リルルはマユリが入ってると思って警戒しています。ケースのドアを開けるとミユリがそろりと出てきて、上品な動作でお座りをして「よろしくお願い致しますわ。」と可愛い顔でリルルに挨拶をします。リルルは一瞬困惑しましたが「違う猫が来たんだな!」と気づき、賢いので「同じ過ちはおかさない」と、ミユリめがけて飛び掛かります。手加減はしてるんでしょうが、押さえつけて噛みつきます。「いいか、ボクが先住猫だから、ボクが偉いんだぞ。オマエは後から来た猫だからボクをナメるんじゃないよ!あと、お母さんはボクのものだからな。」ミユリは「わかりましたから、どいてくださらない?私は逆らいませんわ。」と優しくニャーニャー鳴いています。するとリルルは「わかってくれたらいいんだ」と、体制を変えて、ミユリを両手で抱きしめて額を舐めてあげて「いいこ、いいこ」と受け入れました。マユリの時の教訓が生かされて、先制をしたのでしょう。そんなことしなくてもミユリはリルルに従ったと思いますけど。とにかくコレでリルルの先住猫としての威厳は保たれました。それにしても生後40日のミユリは小さい。1998年4月7日産まれのアメリカンショートヘアー・シルバータビー・グリーンアイ。(のちにミユリはゴールデンアイであることが発覚します)リルルがうちに来た時、手のひらに乗りましたが、それでもリルルの前足と後ろ足の間に私の人差し指から小指まで4本が入る隙間がありました。安定して持つことができました。ミユリはさらに小さくて指3本でも入りません。まさに手のひらサイズです。指で持つしかありません。改めてミユリを見ると、丸顔ですごく可愛くて、毛並みも見るからによさそうで、すごく上品です。動作とか所作も上品なんですよね。しかも写真撮ろうとカメラを向けると「あ、ちょっと待ってください」と、いったんポーズを取ります。本能的にカメラがわかる子のようなんです。そこで血統書を開いてみました。真っ赤です。ミユリの母方の曽祖父母、父方の曽祖父母、みんなチャンピオンの称号を持っており、そのチャンピオン同士を掛け合わせた間に産まれた(祖父母)子もチャンピオンの称号を持っています。その間に産まれた子をまたチャンピオンと掛け合わせて(近親交配ではありません)産まれたのがミユリです。この家系を作るのに軽く家が何十軒も建つような、超お嬢様だったのですよ。本名がAnnieなところから、母親の初産の娘であることがわかります。(Aから始まるので)しかも産まれはアメリカのようです。「そりゃ高いわな」と納得しました。庶民派のリルルとは真逆の家系です(笑)(リルルは父方がチャンピオン家系なのですが、母方が庶民系でした)とりあえずミユリお嬢様を無事お迎えできて、リルルの幼馴染の彼女、ゆくゆくは、リルルとミユリという夫婦の間にできた娘も迎えて3人の家族として私のそばにいてくれたら・・・と思いにふけました。(その考えが甘かったんですけどね。この時から私は勘違いをしてました。てっきりオスのリルルはメスのミユリに好意的になると思ってましたので。まさかリルルがそれ以上に私を欲してるほど愛してくれてるとは思ってなかったです)ミユリのお嬢様な暮らしはペットショップで始まりました。モンプチって当時何々味とかって何十種類も市販されてましたが、そのすべての種類を用意し、ミユリの兄弟のもう1匹と合わせて2匹で1つのケージに入れられて、エサはその中から店員さんがその日の気分で4種類を決めて、まとめて出しておきます。ミユリたちは好きな時に食べたい味のモンプチを食べ、残った分は廃棄されます。そんなグルメな生活をしていました。「この方法だとエサ代が月20万円以上かかりますけどね」と店員さん。無理!私の食事より遥かに豪華やん。そんなお金ないよ。リルルなんて月2千円でおつり来るよ?ミユリのために、たまにはモンプチあげようとは思うけど、うちはドライフードですんで。エサの時間です。ミユリとリルルにドライフードを出します。ガツガツ食べるリルル。ノーリアクションのお嬢様。どうやらドライフードは初めて見るご様子。でもお腹が減っています。リルルがおいしそうにガツガツ食べているのを見て「もしかして食べ物なのかしら?」と思ったお嬢様。上品にドライフードを1粒だけ口に入れて、手で口元を隠してモグモグ。あ、食べた、と思ったら、次の瞬間、「ぺっ!」と吐き出します。「こんなのアタシの食べるものじゃないわ!」と。これは困りました。ここで隠してあるモンプチを出せばお嬢様も納得して食べてくれるでしょうが、今、そうやって甘やかすとドライフードを一生食べてくれません。「ミユリ。うちはドライフードなんだ。それがオマエとリルルのエサなんだよ?」と言って聞かせます。「おいしくないわ。」と鳴くミユリお嬢様。でも子猫ですから、どんどんお腹は減っていきます。リルルは自分のエサを食べ終わりました。ミユリの様子を見て近づき、「食べないの?おいしいよ?」と食事を促します。「仕方ないですわね」と、ミユリは口元を手で隠しながらドライフードをちょっとずつ食べます。「おいしくないけど体に悪いものでは無さそうね。」リルルほど食欲旺盛に食べるわけでもなく、ちょっと食べてから、「ごちそうさま」と、口の周りについたドライフードの茶色い粉を舌と手で綺麗にぬぐいさります。こういう所作もお嬢様っぽいですね。実際、ミユリはずっと口元周りも真っ白の綺麗な毛をしていました。リルルは口紅を引いたように口の周りだけ薄く茶色いあとがいつもついてました(笑)さあ、子猫はもう寝なさい。猫は寝るのも仕事のうちだよ、とミユリを落ち着かせます。リルルは「お母さんと一緒に寝るー!」と枕元に来ます。ミユリは「お兄さんちょっとまって」とリルルを追いかけてやってきます。リルルが「オマエ来るなよ。ボクは寝るんだ」とイヤそうな顔をしますが、おかまいなしにミユリもリルルの横で丸くなって「じゃあ一緒に寝ますわ」と寝始めます。かわいい子猫2匹いる状態で私も一緒に寝ます。平和で幸せなひと時ですね。(続く)

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