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リルルの血統書

うちに来て3日間母親を探してたリルル。結局は私を新しいお母さん(私は男ですが)と判断して、すぐに懐きました。まだ300グラムちょっとの子猫なのでよく眠ります。「猫の飼い方」には、子猫は自分の体力を知らず、相手をしてやり続けるといくらでも遊び続けて過労で死ぬこともあります、と書いてありました。猫の体重1キロあたりの筋肉量は犬よりも多く遥かに凄いエネルギーを消耗するんですね。だから猫は寝てるだけでも基礎代謝量が多いので寝てばかりいても太らないんです。食べる量が多すぎれば当然太りますが。とにかく私がそばにいると安心してぐっすり眠れるみたいで、リルルは私の枕の横でぐうぐう寝ていました。頭をそっと撫でて「リールル♪」と呼んであげました。エサを食べさせるときも食べる最中に額を撫でながら「リールル♪」と呼び続けてました。こうして名前をインプリントしました。以後すぐに「リルル」と言われると「何か良いことがある」と認識し、そばに駆け寄ってくるようになり、やがて大人になるまでに「これはボクの名前なんだな」と理解してくれました。すごく賢かったです。リルルの賢さや、体重のエピソードは、また今度綴るとして、今回は血統書に関する顛末を。ペットショップの店長さんは実は猫のトップブリーダーだったんですよね。リルルたち4兄弟が産まれてから、まだ子猫の血統書に個別の名前を申請してなかったので名前を決める権利をもらえたわけです。当然世界規格ですので「リルル」とカタカナで表記はありえません。英文字表記なので、とりあえず店長さんが「Riruru」で申請してくれることになりました。正確には、その部分の前にブリーダーさんの名前などが付くので、この組み合わせによって世界で1つの名前になります。ある日リルルと遊んでいると電話がかかってきて「名前の規定が変わりまして、母猫の初産をAとしてそれ以降BCDと、アルファベット順に頭文字を統一することになってるんですよ。リルルは2回目の出産で産まれた子だからBで始まる名前にしないといけない、ってことになったので、とりあえずB-riruruにしていいですか?それともBで始まる名前決めますか?」一緒に産まれた他のオスはBillyに決めたそうです。でもうちはもうリルルって呼んでてリルルもそのつもりになりはじめてますから呼び方は変えれません。別に猫籍でなんて名前だろうが、ミケとかタマとか好きな名前で呼んで構わないので、正式名はB-riruruでいい、ということにしました。(その前の部分はブリーダーさんの名前とかが入るので全体での本名は秘密にします)後日、出来上がった血統書をお店に取りにいったのですが、ここでも問題が。「なんかICC(International Cat Club)が間違えちゃったらしくて、B-riruruとBillyが入れ替わった書類になったんですよ。変更届出すなら、リルルはシルバータビー、ビリーはブラウンタビーだから縞模様の色と目の色を変更ってややこしい手続きで時間かかるんですよ。ビリーの飼い主さんはブラウンタビーのB-riruruでいいです、って言ってるんですけど。どうしますか?」と。まぁ本名が何であれ、リルルがシルバータビーグリーンアイのアメリカンショートヘアーであるのは事実だし、それと一致した血統書ならいいか、と思ってそれを受け取りました。1998年1月26日産まれのアメリカンショートヘアー、シルバータビー、目の色グリーン。一緒に産まれた兄弟4匹の名前、父親と母親のそれぞれの祖父母まで家系図が載っています。リルルの父親の祖父が何故か赤字で印刷されていたので「死んじゃった猫なのかな?」と思って調べてみると、赤字はチャンピオンの称号を持っている猫とのこと。血統書よく見たら、リルルの父親の祖父は「ワールドグランドチャンピオン」でした。1回のワールドキャットショーで、各部門のチャンピオンは、それぞれただのチャンピオン、2部門でチャンピオンになるとダブルチャンピオン、3部門でトリプルチャンピオン、全部取るとグランドチャンピオン、というのが当時の世界最大のキャットクラブのルールだったそうで。(その後、日本のICCがその団体を吸収し、リルルが産まれたころにはICCが世界一の団体になりました)「リルル、おまえグランドチャンピオンのひ孫だってさ。」とリルルを撫でながら言うと「そんなことより、お腹すいた」って顔してたのでエサをあげました。血統書の「owner」の部分が私の名前になってるのを確認して、引き出しに入れました。(のちにリルルの父親がチャンピオン称号を取り、父親欄も赤字になる)リルルはアメショの王道、シルバータビー・グリーンアイの典型的血筋みたいで、兄弟にブラウンタビーとか、変な模様の子とか、いろいろ遺伝情報は出てましたが、家系図をさかのぼるとシルバータビー同士を掛け合わせた系図だったので、リルルがシルバータビーなのは直系の証だったんですね。リルルはスクスクと育っていきました。そろそろ子猫ワクチンとか、病気チェックも行ってもいい頃かな?と思った私だった。(続く)

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