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夜明けのすべてって?

文庫化するまで待った期待度100の本を遂に購入した。
その名も

「  夜明けのすべて  」

これを見てピンと来た方は凄い。この本は、実は来年3月に公開される映画「 夜明けのすべて 」の原作だ。主演は上白石萌音ちゃんと松村北斗さんがWで務める。ここまで読めば私のことを多少知って下さっている方には察しがつくかもしれない。そう、萌音ちゃんが出演する予定だから待ち望んでいた。わたしは上白石萌音ちゃんオタクだ。

そんな私、実は本が大好きなのだ。あれは確か小学生の時、時間が有り余ってたからだと思うのだが、ハリーポッターの全巻を1週間で読んでしまった。内容は今でもしっかり頭に入ってる。そして中学校1年生の時からずっと贔屓にしている小説家さんがいる。こんな感じの読書大好き人間なので、小説の原作と聞いてずっとうずうずしていた。

購入したその夜に一気に読み終わった私の一番最初の感想、それは  " これは萌音ちゃんにぴったりだ!!!! " と " とっても共感できる " だった。

⚠︎︎ここからはネタバレを含みます⚠︎︎

最初の段落からすごく頷きながら読んでいた。「いったい私は周りにどういう人間だと思われたいのだろうか。中略  何も欲していないはずなのに、どうふるまうのがいいのかいちいち悩んでしまう。」
これは藤沢美沙さん、萌音ちゃんが演じる登場人物の心情だ。ふるまい方を考えて生きている、という部分がとっても萌音ちゃんに似ているなぁ、と感じた。インタビューやテレビの番組宣伝などを観ていると、紡いでいる言葉やちょっとした行動からでも他人を不快な気持ちにさせたくない、もっと周りが気持ちよくなるようにしたいという考え方が滲み出ているように感じた。
私にも似ていることがあった。1番最初の1文、自分もこう思ったことがあるからだ。

というわけで、最初から私の気持ちをガッツリ掴んできたこの本のあらすじに触れていこうと思う。

主人公は2人。藤沢美沙さんと山添孝俊くん、物語はこの2人の目線で進んでいく。2人とも最初は闇の中を漂っているようだった。

藤沢さんはPMS(月経前症候群)を患っていて、月に1度イライラしてしまう。山添くんはパニック障害を患っていて、徒歩圏内から遠くへ行くことが出来ない。

これだけ見ると、2人が最終的に病気を克服して、結ばれてハッピーエンド。なんて安直な考えが浮かんできそうだ。だが物語を読めば分かる。そんな結末では一切ない。

この2人は会社の同僚だ。2人とも転職してこの会社にきたらしい。詳しいことは読めば分かるので、ひとつだけ。2人とも転職の経緯は問題が起こってしまったからだ。

そんな風にして出会ったふたりだが、最初は分かり合えるような雰囲気ではなかった。だがあることがきっかけで、(ここはぜひ読んで確かめて頂きたいです)徐々に同志のような気持ちが芽生えていった。

この2人の関係性はとても素敵だ。お互い自分の中で悩む部分があるからこそ、自分に出来ることは少ないけどどうにか相手を助けたい…..そう考えるようになっていく。まさに相乗効果のような関係。

ここでこの本の帯に書いていたり、映画のキャッチフレーズの「知ってる?夜明けの直前が一番暗いって」という文と「夜明けのすべて」という題名について、少し考えていきたい。

実は、この本の中に直接的な表現で「夜明け」について書かれている部分はどこにもない。私は読む前にずっと、この言葉が物語内で出てくると思っていた。題名に入っているくらいだし、登場人物が夜明けを観に行くんじゃないの?そんな風に考えていた。

だから全部読み終わってえ??と少しびっくりした。だが、読了後にこのタイトルを見て、あぁ夜明けのすべてだ…と感じていた。

これから読む方はぜひ、夜明けのすべてってどういう意味なんだろう、、?と少しでも念頭に置きながら読んでみると倍楽しめるだろう。1回読んで見つけられなかった方、タイトル全然関係なくない..?と思われた方、、是非!!ぜひとも2回、3回読んでみて帯の意味を考えてみて欲しい。。。

そして、題名の意味と、帯の的確さに気づいた同志の方!!一緒に語り合いましょう🙌🏻

最後に、あらすじの要約を引用しておく。

"  人生は苦しいけれど、救いだってある。生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。 "


読んで心地良い文章を感じて頂けると、読者冥利に尽きます。




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