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"推し短歌"詠んでみた。【#推し短歌】


クリエイターのすなる"推し短歌"といふものを、私も詠んでみむとてするなり。
(土佐日記風)


"推し短歌"
とは、推しへの想いを短歌に詠む、というもの。
noteクリエイターフェスで実施中のこちらの企画、みなさまの推し短歌を詠んでいるうちに私もやりたくなったので、初心者ながら詠んでみることにした。


私の推しといえば、noteにもたびたび登場する某舞台俳優さんである。

現在無期限活動休止中、2〜3ヵ月に一度のSNSの更新でも生存確認をしている状態。
それでも無期限活動休止を知った時はSNSの更新さえしてくれないのを覚悟したので、それだけでもファンとしては大変ありがたい。

そんな彼について。


あざやかに 思いを馳せる 在りし日の
君の芝居に 声に視線に

推しの好きなところはやっぱりお芝居
声や視線に滲む感情を等身大で客席に見せてくれる彼のお芝居には、いつ観ても、どんな役でも、心惹かれるものがある。

推しのことを思い返す時、私はいつもきらきらした気持ちになる。
あの作品のこの演技がよかったとか、この曲のこのフレーズの表情が素敵だったとか、あの時こんなファンサをもらって嬉しかったとか、推しのことを考えると胸がきゅっとしてしあわせな気持ちになるのだ。

それは彼が活動休止していても同じこと。
思い出を美化していると言われてしまえばそれまでだが、彼の記憶は日ごとに色褪せるどころかあざやかさを増していく
泣きたくなるくらいきれいなそれは迂闊に触れれば壊れるか、あるいは消えてしまいそうで、私はそっと取り出して眺めてはまた大事にしまう毎日を繰り返している。

彼が活動していようがいまいが、彼を推す気持ちは変わらない。
そして彼のお芝居はどんな時でも私の心の支えなのだ。


更新のないTwitter 眺めつつ
余白の目立つ 私の手帳

2〜3ヶ月に一度のSNSの更新。
活動休止前は「1日1回ツイートする」と己に課さなければ平気で更新をしないほど SNSに疎かった彼は、きっとTwitterがXになったことも知らないのだろう。
本当は2〜3ヶ月に一回更新するのだって相当意識して発信してくれているんだろうなと思いつつ、今日も更新しないか・・・と毎日何度も推しのSNSを見に行ってしまう。

ところで、推しが活動休止してから私のスケジュールは基本すっからかんだ。
観劇やイベントの予定が入らないから、手帳に何かを書き込む頻度もめっきり減ってしまった。

推しが出演している作品はもちろん観に行きたいけれど、そうでなくとも私は舞台が好きだから、本当はいろいろな作品を観に行きたい。
けれど推しを最後に観た記憶に上塗りしてしまうのが怖くてなかなか踏み出せない。

出演予定はだいたいSNSで教えてくれる私の推し。
今日も更新はないし、私の手帳にも書き込みは増えない。


さみしいと思うこころでねがうのは 
君のしあわせ ひとつでありたい

さみしいんですよ。推しの活動休止。
(包み隠さない本音)

周りにいわゆる他担と呼ばれる友人が多いもので、友人が推しのことできゃっきゃしているとさみしさも倍増するわけですよ。
早く戻ってこないかなぁと思いながら過ごす日々。
時々もうどうしようもなくさみしくてさみしくてしかたがなくなる日があって。

だけどやっぱり、どんなかたちになろうとも推しのしあわせを一番に願うファンでありたいなと思うのです。
俳優として戻ってくるならそのタイミングは自分の納得した時であってほしいし、こうして活動休止していることを誰にも責められないでほしいし、最悪俳優を辞めることになったってごはんがおいしくてしあわせだと思えるならそれでいいんです。

これまで素敵な世界をたくさん見せてくれた推しがこの先どんな人生を選んだとしても、それをそっと応援し続けたい
そういうファンでありたいと思うのです。


とはいえさみしいんですよ!!!ほんとに!!!



最後の最後で感情が昂ってしまいましたが。
“推し短歌”、なかなか趣深い。

五・七・五・七・七、たった三十一音にどれだけの想いを込められるのか。
ここが腕の見せどころというか、個々の創意工夫の醍醐味なんだなと感じた。
しかも“推し”を題材に・・・となるとちょっとやってみたくなる私のような人もきっといると思うし、それこそ腕の見せどころというか、推しがいる人間的には滾ってしまうところなんだろうなと思ったり。

私は短歌には詳しくはないけれど、学校や本で出会う短歌を漠然と好きだなぁと思った。
その漠然と好きだと思った短歌たちがあんなにも情景豊かで心情豊かだったのはすごいことなのだと思った。
たった三十一音、やってみるとこんなにも難しく奥深い。

そして今回の“推し短歌”を通して、短歌を“詠む”魅力が少しわかった気がする。
機会があればまた詠んでみたいなぁ。

というわけで、まずは自分の“推し短歌”を冷静に見つめた一首を。

推し短歌 詠んで見返し 苦笑い
口からこぼれる 「愛が重いな」

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