見出し画像

Ukaの"ぷち"ひとり旅紀行ー京都編ー


9月はなぜか休みが多い我が職場。
今年は運良く三連休2回取ることができたので、近畿への旅を決行することにした。

2泊3日、新幹線の旅である。

主目的は近畿に住む友人と会うこと。
金・土・日の三連休なので、カレンダー通り仕事がある友人とは初日の夜合流することになっていた。
その時間にあわせて出発する予定だったのだが、新幹線のチケットを取ろうという段になってふと思いついたのだ。

早めに東京を出て、京都で"ぷち"ひとり旅をしたら楽しいのでは?と。

ここは私の思い切りのいいところである。
地理感覚も予定も立てないまま、どう転んでもいいようにのぞみの自由席で新幹線のチケットを取っていた。

思いつきフットワークだけが頼りの"ぷち"ひとり旅京都編、スタートです。


13:00 東京駅出発

さて、東京13:00発の新幹線に乗り込む。

本当は朝一の新幹線で…とか憧れるけれど、あいにく貴重な休みの日に早起きができるような人間ではない
東京に着くまでの間に朝昼兼用ごはんをスタバで済ませ、友人宅へのお土産も入手した。

今回ははじめて自由席での旅。
東京始発だから待てば座れるだろうとの考えで自由席にしてみたが、この読みは当たっていた。
無事後方窓側の席に座り、いざ出発。
東京から京都まで、新幹線で約2時間半の旅がはじまった。


ところで東京駅にて新幹線を待つ間、ちょっとしたハプニングが起きた。

プラットホームにて隣に並んでいた、おそらくひとり旅と思しき外国の方英語で話しかけられたのである。


周囲が騒がしくて何度か聞き返してしまったが、尋ねられたことは理解できた
曰く「もうこの新幹線には乗ってもいいのか?」とのこと。

その時、駅に到着した新幹線は車内の清掃中だった。
人が降りてドアも開いているにもかかわらず、周囲の人が誰も新幹線に乗ろうとしない様子を見て不審に思ったのだろう。

なるほど、としっかりと聞かれたことの意味はわかったのだが、ここからが問題だった。

たとえ質問の意味を汲み取ることができても、答えられるだけの語彙が私にはなかったのである。

強い印象を与えてしまうのが申し訳なかったけれど、とりあえずNoを連呼。
まだ乗れないことを伝えると、相手の方から確認するように「まだ乗れない?」と聞き返してくれた。

この時聞こえた"yet"に、「そうだ"まだ"="yet"だ!」と古い記憶を呼び起こされた私は、カタコトながらもなんとか返答。
「まだ乗れないけれど、乗れる時が来たらアナウンスがありますよ」と伝えたかったのだが、はたしてお相手にはどう伝わっていたのだろうか…。

とはいえお相手の理解力に助けられ、なんとかまだ乗れないことと、乗れる時がいずれくることは伝えることができた。
この時も"Meybe(たぶん)"を連呼したら、お相手の方に笑われてしまった(そりゃそうだ)。


この後もアナウンスがあったら声をかけて教えたり、前後の席だった車中で「いまどのあたり走ってるの?」と聞かれたり、国内旅行なのになかなかグローバルな幕開けになった。


あー、英語勉強しよう。

15:15 京都駅到着

そんなこんなで京都駅に到着。
ここからは完全に行き当たりばったり、ノースケジュールの旅である。


一応新幹線の中でいろいろと調べたのと、友人との合流時間を考慮して、散策エリアは京都河原町に決定。

京都河原町エリアは、健仁寺本能寺など歴史を感じる建造物がある一方で、錦市場先斗町などお店で賑わう繁華街もあり、京都"らしさ"を楽しめるスポットだとか。
少し時期が過ぎてしまったけれど、夏の風物詩である祇園祭もこの京都河原町エリアで行われる。

四条駅を降りて、徒歩で京都河原町を目指す方向でぶらぶらと散策することにした。

15:40 六角堂参拝

最初の目的地は六角堂

"生け花発祥の地"とも呼ばれる六角堂は、かの有名な聖徳太子が創建し親鸞ともゆかりのある場所だという。
四条駅から徒歩5分とさほど離れていないので、最初に目指す場所としてはいいチョイス。

歩き始めこそどちらに行くのが正解か悩んだけれど、大通りに沿ってまっすぐ進んでいくと案内標識が出てきてくれたのでわりとスムーズに到着することができた。

"生け花発祥の地"・六角堂

境内はじっくり見て回っても20分ほどで一周できてしまう広さだった。
こじんまりとしていたけれど、立派な構え五色のカラーリングが荘厳。

ところで六角堂の正式名称は頂法寺、というらしい。
しかし上から見ると六角形というかたちが人々に親しまれ、"六角堂""六角さん"という呼び名がついたそうだ。

六角堂だけではなく親鸞堂太子堂などのお堂がいくつも建っていたり、聖徳太子の沐浴跡や、へそ石縁結びの柳など、見落としてしまいそうな見どころがたくさんある。

暮らしや子どもたちを守ってくれる。(地蔵山)


そして至る所にお地蔵さんが点在していた。
子どもを抱っこした"わらべ地蔵"や、一つだけ願いを叶えてくれる"一言願い地蔵"など、なんともユニークなお地蔵さんたち。
ひとつひとつお顔が違ってかわいらしかった。

特に"わらべ地蔵"は子どもたちを守ってくれるお地蔵さんだそう。
子どもたちといえば、私にとっては職場でみている子どもたちである。
うちの子たちの健康笑顔を願って手を合わせてきた。

16:18 はじめまして琥珀流し

六角堂参拝を終え、さて次なる目的地は…と地図を開いた。

今回散策した京都河原町エリアは京都観光では定番中の定番のエリアなので、"京都河原町 観光"で調べるといろんなスポットが出てくる。
簡単な位置関係の地図と睨めっこしながらWebページをスクロールしていると、とある文字が目に止まった。


"琥珀流し"…?

はじめて耳にするがきれいな響きに興味をそそられ、紹介記事に目を通す。


"琥珀流し"とは、京都の「大極殿本舗」というお店で味わえる寒天スイーツのこと。

"食べる宝石"とも呼ばれ、きれいな見た目とほろりと崩れる繊細な寒天の舌触りに府内外問わずリピーターが多いのだとか。
寒天にかかった自家製蜜はなんと月替わりで、季節感が味わえるのも人気の理由の一つらしい。

これは行くしかない!ということで、六角堂からまっすぐ歩くこと約五分
風情ある店構えがなんとも素敵な「大極殿本舗 栖園」に到着した。

この外観がすでに心おどる。

大極殿本舗はもともとカステラが有名なお店らしい。

店内にはカステラや寒天の和菓子などが売られていて、その奥に16席ほどの小さな喫茶スペースがある。
中庭を望める窓際の席に腰を下ろし、琥珀流しを注文した。

カトラリーからお盆から、レトロで素敵。


今月の自家製蜜は「ぶどう」
紫色の蜜が寒天にかかっている様子はまるで宝石のようでテンションが上がる。
あたたかいお茶付きなのもうれしい。

ひとくち口に入れると、ぶどうの果汁感をしっかり感じられる甘さが広がり、同時に寒天がほろっとほどけた

いままで食べたことのある寒天とはまったく違う食感。
どちらかというと寒天はしっかりと固められているイメージがあるけれど、琥珀流しに使われている寒天はつるんとした舌触りはそのままに口ほどけが抜群にいい
ところどころ寒天そのものにぶどうの味がついているものもあって、これもまたおいしかった。

うーん、なるほど。
これはリピートしたくなるおいしさ。

自家製蜜は先月が「冷やし飴」、来月が「栗」
さらに少し離れたところにある「大極殿本舗 本店」はまた違う蜜の琥珀流しを食べられるという。
今後京都に行くときには絶対に食べに来ようと思った。

個人的にはこっちもだいぶ気になる・・・。


16:49 錦天満宮参拝

続いてやってきたのは錦天満宮

提灯がきれい。

寺町通りを見物しながら歩いていくと、錦市場の近くにたくさんの提灯が。
商店街のような雑多な通りの中に突如として現れる鳥居には多くの観光客が足を止め、写真を撮っていた。

錦天満宮は学問の神様・菅原道真公を祀っている。
本殿のほかにもいくつもの神社があり、それぞれ商売繫盛安産などにご利益があるらしい。

また、獅子舞をかたどったからくりおみくじや、紙芝居ロボットという他ではなかなか見られないものがあるのも錦天満宮ならではの見どころだ。


ところで、錦天満宮の本殿の横にある木にはなにかが大量にぶら下がっている。
木でできたお守りのようなそれは、ころんとした梅の実のような形をしていてかわいらしい。

これが「大願梅」
願い事を書いた紙を大願梅のなかに入れて「大願梅の木」に奉納、あるいは持ち帰ることで祈願をするものだそうだ。
近頃は子どもの頃とは違って神頼みをするような大層な願いは抱かなくなっていたけれど、ふと心に浮かんだ願い事を書いて奉納することにした。

ちゃんと大願梅の木に下げてきました。


後ろに見える御神燈にもよろしくお願いしますの意味も込めてきちんと手をあわせ(本来そういうものではないのかもしれないけれど)、錦天満宮を後にする。

最後の目的地は先斗町(ぽんとちょう)
向かいがてら錦市場をぶらついたり、柳小路の飴屋さんで飴のイヤリングを買ったりした。

中には本物の飴が入っている。

ちなみに、飴屋さんにて先斗町までの道を間違えていたことが発覚。
方向音痴伝説をまたひとつ更新することになった。

17:16 先斗町散策

飴屋さんに教えてもらった通りに歩いてしばらくすると、四条大橋が見えてきた。

柳小路から四条大橋に向かうと、橋の手前に先斗町(ぽんとちょう)がある。

先斗町入り口

先斗町とは、京都で有名な花街のひとつ。
かつては幕末の志士たちが待ち伏せしたり身を潜めたりした場所だそう。

花街というだけあって、時間帯によっては舞妓さんとすれ違うこともあるらしい。
5月には"鴨川おどり"といって、芸妓さんと舞妓さんの舞台も見ることができるというなんとも"京都らしさ"を詰め込んだ通りだ。

いたるところに千鳥がいる。


現在でも歓楽街として賑わう先斗町には、茶屋食事処居酒屋が所狭しと並んでいる。
その中に提灯のあかりが点々と灯っている光景は、日本情緒を感じさせてとてもノスタルジックだった。

さすがにひとりで入る勇気はなかったので今回はその空気感を楽しむだけにしたけれど、今度友人と来たら絶対に飲みたい。(飲めないけど)


そうこうしているうちに仕事終わりの友人から連絡が入り、私のぷちひとり旅は終了。

滞在時間は2時間少々だったとはいえ、なかなか無駄なく京都を満喫できた。

もう少し足を伸ばして本能寺とか京都国際マンガミュージアムとかにも行きたかったし、ご飯物もスイーツも込みでもっと京都グルメを堪能したい気持ちはあるので、今度はがっつり京都ひとり旅をしてみてもいいかも。


Ukaの"ぷち"ひとり旅紀行京都編、お付き合いいただきありがとうございました。

また次回のnoteでお会いしましょう。

この記事が参加している募集

#わたしの旅行記

10件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?