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PAPICHA
PAPICHAとは、アルジェリアのスラングで『愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性』を意味する。
でも、この物語の舞台に女性の自由は存在しない。
塀に囲まれた学校。
着たい服を着たら命を狙われる社会。
女性は教育など受けず、
黙って家にいればいいという男たち。
ネジュマたちの世界は常に抑圧されている。
立ち直れなくなるような出来事が何度も起きて、
それでも前を向こうとしても、現実は彼女たちの前に悲しみと悔しさばかり残していく。
ムスリムの女性の解放について話をすると、
それは宗教だから、文化だから、伝統だから仕方ないという言葉をよく耳にする。
私はこの意見には賛成できない。
宗教とは本来、苦しむ人々に救いの手を差し伸べるものであり、
人を愛することや赦すこと、理解することを教えるものだ。
誰かの尊厳を奪ったり、抑圧したり、蹂躙したりするものではない。
10年間ミッション系の学校で学んできた私は、そう考えている。
そもそも今ある宗教など、起源の瞬間はさておき、
三大宗教ですら強烈な男社会のもとで布教されてきた歴史があるのだから、
女性やLGBTQを否定したり抑圧する文言など削除してしまえとさえ思う。
この作品は、本国アルジェリアで上映中止となっている。
それはネジュマのような存在が、まだアルジェリアに存在しているという事実を示しているということだ。
アメリカで史上初の有色人種女性の副大統領が誕生しても、世界にはまだ厳しい環境で生きている少女たちがたくさんいる。
『文化だから』
『宗教で決められているから』
『伝統だから』
世界中で虐げられている少女たちを前に、これらのことを思う人がいたら
是非一度この映画を観て考えてほしい。
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