The Monsal Trail #2 産業遺産を歩く
The Monsal Trail #1のつづきです。The Monsal Trailの位置や地図については今回は省略しますのでマガジンのバックナンバーをご覧下さい。
それでは続きをゆっくり歩いていきましょう。
昔の駅
The Monsal Trail は昔の線路後を活用したフットパスですので、途中にかつて駅だった場所があります。今では休憩所/カフェとして利用されています。
駅の歴史についての解説は以下のWikiのリンクにもあります。1863年に開業して、1967年に駅が廃止されたとのことです。ロンドンとマンチェスターを結ぶ幹線だったのですね。いまでこそマンチェスターというとサッカーくらいしか思い浮かばないですが、かつては産業革命の中心地だったのです。
高架橋(Viaduct)
谷間に沿って線路が引かれているため、場所によっては地上までかなりの他高さになります。高所でちょっと怖いのですがその分、上からの眺めは立派です。1863年というと日本ではまだ幕末、薩英戦争があったくらいの年ですから当時このような土木構造物がよく建設できたと思います。
ちなみに、これから大規模修繕工事をするようです。担当するのが鉄道施設を管理するNetwork railではなく高速道路を管理するNational HIghwaysなのは不思議ですが。たしかに鉄道はもう走っていませんから扱いは道路なのでしょう。
調べてみたらhighway england の公報ビデオに鉄道遺産を維持管理するものがありました。政府の仕事から移管したようですね。実は現役の鉄道も土木施設は古いものがあってメンテナンスが大変なのですけど。
フットパスをさらに歩いていきましょう。
昔の鉄道トンネル
山と谷に沿って作られた線路なのでトンネルも多くあります。中に入ると暗くてちょっと肝試し的な場所です。なお日没とともにトンネル内の電気が消えて真っ暗になり通行禁止になりますので冬時間のときはお気を付けください。
なおトンネルの壁面は蒸気機関車の煤で汚れているので触ってはいけないとのことです。
産業遺産 Old Lime Kiln(生石灰の窯)
Quicklime kilnとはは何かわからなかったのですが、後で調べたら生石灰(Quicklime )の窯(kiln)でした。日本語訳では石灰窯(いしばいがま)というようです。
この地域はいい石灰岩があるのでそれを熱して生石灰を生産していたようです。
どのようなものなのか説明がありましたので英語ですが引用します。
You can see commercial kilns, built in the 19th and 20th centuries, near Millers Dale Station. Quicklime had long been produced in small kilns, mainly for agricultural use, but with the expansion of the steel and chemical industries, demand increased. Limestone, from quarries that opened next to the railway, and coal, brought in by train, were burnt to produce quicklime. This in turn was taken out on the railway. The last kiln closed down in 1944.
当時の鉄鋼や化学工業の発達ともに石灰の需要が急増したようですね。山の中でも鉄道だと燃料の石炭も持ってこれますし、できた石灰も運べます。
ちなみに、石灰については以下の会社のサイトにくわしい説明があります。日本の石灰も歴史があるのですね。
終わりに
The Monsal Trailはいかがでしたか。
産業革命で栄えたあと、鉄道は別ルートがメインとなり廃止されてしまいました。今ではとても静かな山間部で休暇を過ごすにはいい場所ですが、かつては産業の中心だった時代があったのですね。ここに限らずピークディストリクトは山の中に街があったり、工場の跡があったりとかつての産業革命の遺産や歴史が残っている場所です。
(終わり)