イギリスで公共料金(Utilities)を契約する
家を借りると次に待っているのがメーターのチェックや契約手続きです。基本的なことなのでうsが、なぜかイギリスではスムーズに事が進まないのですね。
水道
イギリスの水道は民営化されて民間の会社が地域毎に運営しています。契約会社は住んでる地域で決まります。水道は自分では選択できません。
入居すると必ずやる儀式?でメーターのチェック(Meter Reading)というのがあります。使用開始時にメーターの値を読んで水道会社に連絡するのです。
水道のしくじり体験としては。いくら探しても水道メーターが見つからないのです。大家さんに聞いてみたら、なんと、水道はあるが水道メーターがもともとない家だったのです。そんな馬鹿なと思ったのですが、水道管の太さで月額が決まる定額制という不思議な料金体系。メーターを付けなかったのはもともと水道は公営事業だった名残なのでしょうが。
下水道は多くの場合、水道会社と同じ会社で水道料金と同時にチャージされます。まれに上水道と下水道で別の会社のことがありますが(実際引っ越したらそういうケースだったので初めて知ったのですが)、その場合は上水道の会社が一括徴収します。
最近完成したロンドンの下水道トンネルの建設費用が膨大で、居住エリアによっては(ロンドンに住んでいなくても)下水道料金にチャージされることがあります。ある種の税金のようなものですね。
ガス
ガス会社が電気も一緒に販売したり、逆に電力会社がガスを販売などいろいろなセット割りがあります。実はガスを使わないすべて電気の家だったのでお得な契約をするにはどうしたらいいのかよくわかっていません。
イギリスでの困った体験として、ガスを使わない家(日本でいうオール電化)なのになぜかガス会社からガス料金を支払えというレターが届いて困りました。ガス会社に電話して経緯を説明したところ、ガス会社のデータベース上はガスを使う家になっているということ。家までガス会社の人に来てもらい本当にガスを使っていないということで請求は取下げになりました。ガスに限った話ではないのですが、顧客データベースの内容が正確でないことがよくあるので困ったものです。
電気
おそらく電気料金ほど分かりにくい、比較しにくいものはありません。(インターネットも同様に料金プランが不明瞭なのですが)電力は自由化されており様々なサプライヤー(電力会社)がいろいろな料金プランを提供しています。各社どこがどう違うのか、正直説明できる自信がありません。
基本料金+使用分(従量制)という組み合わせなのですが、ベースとなる計算方法が複雑です。
基本料金(Standing charge)1日あたりの基本料金チャージ
使用量に対してのチャージ
変動レート variable tariff
固定レート Fixed tarrif
固定レートの長期割引の場合の早期解約料 early termination fee
夜間割引(Economy 7)を利用していたら昼と夜でレートが別に設定されます。
変動レートとは毎月の電気料金のレートが燃料価格等で変動するもので、一般的なものです。固定レートとは、長期契約する顧客向けに割引になるもので、(燃料価格などに依存せず)契約期間中は同じになるものです。これは賭けみたいなもので、燃料価格が上がった場合は利用者は負担が減るが、逆に燃料価格が下がった場合は損をするというものです。また途中で契約解除はできるのですが、別途解約料を支払わないといけないのでよほど料金が違わない限りそのまま契約終了まで同じサプライヤーにしたほうがいいでしょう。
ただ、今日の燃料価格の高騰で固定レートは設定を見送るか、もしくは非常に高い値段設定がされておりほとんどの場合、変動レートしか選べないことが多いです。私もかつて固定契約をして割安と喜んでいたら、燃料高騰に耐えられずその電力会社が倒産してしまったということがありました。
(イギリスでは電力会社の倒産が相次いだのですが、このあたりについては別の機会に述べたいと思います。)
電力の夜間割引(Economy 7)は何時から
実はこれは本当に分かりにくいのです。電力会社に聞いても正しく答えられず、後で説明が間違っていましたと連絡が来たことがあります。
居住している地域により多少開始時間、終了時間が違うのです。どうやらイギリス全土で同じ時間に夜間割引が始まると、一斉にボイラーなどに通電されることによるピークが発生してしまうので意図的に少し開始時期をすらしているようです。
銀行口座からの支払い
Direct debit という支払いの方法は、日本でいう、いわゆる自動引き落としです。自分の口座情報を電力会社等に伝えて、彼らから引き落としてもらいます。日本の公共料金と考えかたが違うのは、自分で毎月決まった金額を定期的に支払う(積み立てのようなイメージ)でプールしておき、そこから実際に使った分が引き出されていくというものです。そして余剰金があれば繰り越しで契約解除時に戻ってきます。電気などは夏はあまり使わないのでプールにお金がたまっていき、冬は消費量が多いので逆にプールからお金がどんどん減っていく感じです。1年でみたら平準化しているということでしょうか。使った分だけ支払うPay as you go方式というのもありますが、これが使えるかは電力会社の料金プランとメーターの種類によるかと思います。
また、家賃などでよく使われるStanding Orderという方法は、日本では自動送金とか自動振り込みとか呼ばれるものです。(日本には正式名称はあるのかな)これは自分で決めたスケジュール、金額で振込先に定期的に振り込まれるものです。
お得に使うには
基本は自分の使用量に応じてお得なサプライヤーに毎年切り替えることかと思います。ただエネルギー高騰でそんなにお得なプランはないのも現実かと思いますが。
比較サイトにいれると毎月(毎年)の料金を計算することができますが、昨年の実績がわからないと計算できないかもしれません。
文句を言うには
基本はまずは各サプライヤーに連絡して、それでもらちが明かないようでしたらOfgemに話してみてください。実際にあったのは知らないうちに契約が別のサプライヤーに変更されていたことがあります。すぐに戻すように指示しましたがなかなか戻さず困りましたね。また契約を切り替えて前の電力会社からの返金に半年くらいかかったことがありました。
イギリスでは公共料金や税金であれ、家賃や保証金の返還であれ、鉄道の遅延であれフォーマルな形式でレターを書くことが多いです。
レターですが、I am writing to xxという出だしのものです。レターの書き方はぜひ学んでおきましょう。以前にケンブリッジ英検というのを受けたことがあるのですがWrtingの問題でレターを書く課題が出て、これは実際に役に立ちました。