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満たされた映画体験

『ゴジラ-1.0』を観た。
以前から話題になっていて、少し気になってはいたが今日まで全く触れていなかった映画だ。いつか観ようと思っているうちに、気づけば観に行けるような時間の上映がなくなっていたのである。
しかしアカデミー賞受賞の影響か、最近また上映回数が増えていた。そして私はたまたま期限間近のクーポンを持っていたこともあり、せっかくだから今行こう!と映画館に向かったのである。

【※以下軽いネタバレを含みます※】

映画はとても良かった。ちゃんと劇場で体験できたことも本当に良かった。内容も、色んな感情を経ながらも綺麗に終着する物語で、後味も良い。本当に満足度の高い作品だったと思う。

私は具体的な内容もあまり知らぬまま、ネタバレも一切踏まないままの状態で観ることができたのだが、本当に良かった。
あらすじもろくに知らなかったため、先の展開が分からず、「でもきっと暗い雰囲気の内容なのだろうな」と思いながら観ていた。そして中盤くらいで絶望のピークが描かれた時、これはもう最後まで辛い展開が待っているのだろうとだいぶ覚悟を決めていた。
あまりに感情移入してしまうと耐えられなくなるので、物語に没入しつつも「このまま何の救いもなく全て失って散るのも、物語としてはある意味綺麗な終わりかもしれない……」などと考えていた。
とは言っても本当に心を抉られるような場面が多くて、どうしても涙が止まらなかった。完全に物語の中に取り込まれていた気がする。

だからこそ、終盤の展開でそれまでの予想を裏切られた瞬間、良い意味でとても衝撃を受けた。
予想外の、それも良い方への意外な展開。それまでとは違う涙が止まらなかった。全身が震えるような感動、心を強く揺さぶられる衝撃。これこそ求めていたエンターテインメントだと思った。
本当に、何も知らずに観ることができて良かったと思う。

良く分かっていなかったが、画質やら音声やらが良い特別なシアターでの上映で、良い環境で観ることができたのもラッキーだった。ただでさえ大画面と大音量というだけで大迫力なのに、臨場感が尋常じゃない。空気まで揺れる迫力で、何度も大きく肩を揺らしてビビりまくってしまった。それくらい、シアターという空間自体も力を持っていたと感じる。

ずっとハラハラしたり号泣したりで、気力も体力もかなり使い果たしたが、その分とても良い映画体験ができた。
映画自体もさることながら、劇場という場所で、そして今回はたまたま一人で観に行っていたこともあり、作品だけにより没頭できる環境だったと思う。だからこそ物語自体も深く味わえた気がする。

本当に、観に行って良かったと思う。
良い作品に出会えて、充実した映画体験ができて、本当に良かった。