右京

自分の考えとか、旅路での出来事を拙い文章で。

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山城で熊に遭遇した話

「今年は熊が多いから、夕方に山に入っちゃダメですよ」 坂戸城見学を終え、立ち寄った城下の直江兼続公伝世館。 靴紐を結ぶ僕の背中に受付の女性が声をかけた。 「今年は特に多いですから」 (そういえば、さっき行った坂戸城主郭の社にもそんなお知らせが貼ってあったな…) 「分かりました」 と言いつつ、僕は他人事のように、話し半分で聞いていたかもしれない。 というのも、雪と吹雪で二度も断念した坂戸城を、その日ついに見学できたのだ。 気が大きくなっており、格闘技をやっていたこ

    • 旅の「始まり」①

      高校三年…いや、正確には卒業式を終えてから大学の入学式を控えた3月中旬だから、何処にも属していない時期だ。 リビングでゴロゴロしている僕に見かねた父親が、あるモノを押し付けてきた。 紙製の切符入れ。 「ゴロゴロしてる暇があれば、外にいってきなよ」 寝ぼけ眼を擦りながら、袋をあける。 出てきたのは、水色の切符だった。 新幹線の切符とは違う、見たことのない物だ。 「青春18きっぷ。全国の在来線が乗り放題だ」 「小田原とか八王子、宇都宮まで行けるの?」 「そんな使い方勿

      • 浮気を正当化することについて

        この文章には、セクシャリティな内容が含まれていることを、予めご承知おきください。 やはり、男子の飲み会となると、「下ネタ」はついて回る。それは定番…というか、ネタが尽きた時の「繋ぎ」みたいなモノか。あるいは、共通の「ネタ」が無い職場の同僚の飲み会では中心の「議題」にもなるかもしれない。 だが、僕はこの「議題」が好きではないのだ。 別に、「性的なモノ」に嫌悪感を抱いているわけではない。寧ろ、そういったコンテンツには積極的に触れている。 そうではなく、この一見大衆的で汎用

      山城で熊に遭遇した話