見出し画像

人それぞれをふつぶつと




電車に揺らされ、倒れないよう安定する足場と立ち方を試行しながら、生きることも、生きていくことも、同じようなものだと、おぼろげにふつふつ。

よくないのは、
できれば足場を広げたり、体の角度を探して安定させたいのだが、それが他人にとって邪魔になるようだったら、引っこめてしまうこと。

ちなみに、踏むのはだめよ。踏まれたらその足もぎ取ってあげる覚悟で踏み返すよ。これは比喩よ。


最近の天気の情緒には対応しけれない。少し走った後の人の熱が篭った電車の中、着込んだヒートテックがひたすら暑い。

誰か共に生きると決めた。
ヒートテックを着ると決めた。すると基本的にもう脱ぐことができなくなるし、勝手に脱ぐわけにもいかない。共に生きていくにはコミュニケーション、意思疎通をはかる必要がある。今日は暑いから脱いでいい?などと聞いたところで、ヒートテックにもヒートテックなりの考えがある。お互いに折り合いをつけて関わっていく。

乗り換え駅のトイレで、脱いだヒートテックを畳み、カバンに突っ込みながら取り留めの無いことを延々とふつふつ。

決断を下した後、もう好き嫌いだけではどうにもならない、そこには責任が生まれる。
おっと、責任ばかりでつまらないなんて野暮ったいことは言うなよ。

想像力に富んでいると言ってくれたまえ。

すべては想像力の問題なのだ。僕らの責任は想像力の中から始まる。イェーツが書いている。In dreams begin the responsibilities

村上春樹 『海辺のカフカ』


考えすぎる人に「考えすぎ」と言うのも合理性がないので、お勧めはしない。

朝会った人に、今日暑くね?と聞いたら、
いや…普通に寒い…と若干引き気味に返された。

そうか、人それぞれやもんな。ふつふつ。


帰りは、いつも使っている線が1時間遅れとかで、いつもより2,3倍人の多い違う線を乗り換えて帰る。
満員電車の淀んだあつさにやられてしまうと、一瞬降りた時の11月の外気が最高に心地いい。たぶん、あつくないと、あの冷たさを心地いいと思うことはあまりない。

物事に比較性などなく、比較をやめることによってはじめて解放されるのではないかと思う。しかし、どうしようもなく、ギャップや対比にとらわれてしまうのも、生きているんだから仕方のないことだろうとふつふつ。
生きてるんだから。天秤に並べて比べるし、並べられ比べられている。


まあ結論から言うと、夜における月の明かりと街灯の灯りに大した違いはない。
僕たちは本物の月を見つけ出さなければならない。


2023.11.20  星期一  晴れ(風強い)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?