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【UW映画感想】#60『ライジングドラゴン』【藤堂貴文】

2012年公開の作品。公開前、メディアでのプロモーションが目につくようになったころ、僕は衝撃的な一文を目にした。
「アクション大作はこれで最後になる」
インタビューの中でジャッキー・チェンが語った言葉だった。

幼少期、父親が借りてきたVHSで「酔拳2」を観てから、僕はジャッキー・チェンの虜になった。「酔拳2」の時点ですでに40歳だったジャッキーだったが、いつかアクションを引退するなんて当時は想像も出来ず、
子どもだったのもあるが、一生この人が画面の中をコミカルに、カッコよく動き回る姿を観られると思っていた。

その一文を見た時、ついにきてしまったのかと思うくらいには大人になっていたが、それでもまだ半分信じられないでいた。
公開されてすぐに映画館に向かった。まばらに埋まる観客席を見て、ジャッキーの最後を見届けようと思った。

この作品でジャッキーが演じるのはアジアの鷹と呼ばれるトレジャーハンター。過去作品「プロジェクトイーグル」や「サンダーアーム/龍虎兄弟」と同じ設定。なんて素敵なファンサービス!と思うと同時に、あぁ本当に終わるんだと思ったのを覚えている。

ストーリーはあってないようなもんだし、というかほぼ無い、ひどい。CG技術がとんでもない進化をしてド派手なアクションが当たり前に観れる時代になってるから、劇中のアクションは物足りないし衰えもあってキレが無い。それでも小物を使ったコミカルでカッコいい格闘シーンは、ジャッキー映画でしか見れない唯一無二なものだと思わせてくれる。

物語最後の見せ場、ジャッキーが実際の火山を頂上から転がり落ちるスタントシーンがある。転がり落ちて立ち上がった時にはもうボロッボロでとにかくボロッボロで倒れ込んでしまう。「ポリスストーリー」でデパートの最上階から落ちるスタントの時は、すぐに立ち上がって敵に立ち向かっていってたのに。その姿が今のジャッキーをあらわしてるようで、劇場で涙が止まらなかった。
もう休んでください、本当に今までありがとう。僕の中のヒーローが永遠のヒーローになった瞬間だった。

そんなジャッキー・チェン、その後もバンバンにワイヤー使いながらアクションやってます!中国とズブズブで元気そうです!!それならそれで良かったっす!最見!!

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