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「第1弾」About Face 3を読んでみた

伝説の名著である「About Face 3」を先輩デザイナーのおかげで読める機会に巡り会えたので、今回は読書感想文を書きたいと思います。といっても、まだ6章までしか読んでないので、そこまでの感想をつらつら書いていきます。

この本では、ユーザーの視点を重視することが何度も強調されています。今回の記事では、ユーザー目線に立つために、「情報収集」「ペルソナ作成」「物語初案(ユーザーストーリー)」のやり方をまとめます。


情報収集

当然のことながら、自分の想像だけでユーザーの立場に立つことはできません。ユーザーのことを理解するためには、さまざまな情報を活用し、広い視野で考える必要があります。具体的には、数値データを利用することが一番想像しやすいですが、そのデータの解釈には注意が必要です。なぜなら、データの取り方や解釈次第で、さまざまな見方ができるからです。ですから、単純にデータだけを信じるのは危険です。では、どうするべきでしょうか?それは、ユーザーに直接インタビューをすることです。ユーザーの本音を聞くことで、より具体的な情報を得ることができます。具体的なインタビュー方法については、以下に「心得」「顧客(決済者)」「ユーザー(実際に使う人)」の観点から記載します。

心得

  • 実際のユーザが製品を使用する環境下で実施する

  • 固定的な質問項目リストを使わない

  • 製品を使う上でのモチベと達成方法を聞く

  • 技術的な話しをしない

  • 感想よりも出来事を話してもらうように誘導する

顧客(決済者)

  • 製品を購入する上での目標

  • 現在のソリューションに対する不満

  • 購入の意思決定プロセス

  • 製品のインストールなど、顧客が果たす役割

  • ドメインに関連した問題点

ユーザー(実際に使う人)

  • いつ、どのように、どんな理由で使うのか

  • ドメイン知識

  • 現在の製品に対する不満

ペルソナ作成

情報収集した内容をもとに、ペルソナを作成する。これまでの情報から様々な人物像が出てくると思うが、重要度の低いユーザーに惑わされてはいけない。広い支持者層の代表的なユーザーを満足させるようにする。じゃないと、ツギハギの製品になってしまうから。

AboutFace3より抜粋

ペルソナの作成手順の前に、暫定ペルソナという概念について記載したい。本来、ペルソナは多くのデータと十分なインタビューを経て形成することが望ましいが、そんな時間も予算もないことが多い。なので、次のことに注意して暫定ペルソナでも良しとする。

暫定的ペルソナの注意点

  • 暫定ペルソナであることを明示する

  • できるだけ既存の情報を活用する

  • どの部分がデータで、どの部分が推測か記載する

  • 人口統計学的ではなく振る舞いやモチベを重視する

では、ペルソナの作成ステップを整理していきます。

①行動変数を見極める

これまで集めた情報をもとに、次の変数を整理する

  • 活動:ユーザーが何をしているのか(頻度と量)

  • 態度:製品のドメインやテクノロジについてどう思っているのか

  • 適正:事前の学習能力

  • モチベ:なぜ、その製品を使ってるのか

  • 技能:ユーザーの能力

②顕著な行動パターンを発見する

①で登場したそれぞれのユーザーの行動変数が集中している共通点を発見する。

  • 潜在的な利用環境

  • 典型的な作業日

  • 現在のソリューションに対する不満

  • 周囲の人々との関係

③ペルソナの配役を決める

  • 主役

  • 脇役(主役ペルソナのUIで満足できるが、特殊なニーズを持っている。そのニーズは主役にも還元できる)

  • 端役(主役でも脇役でもない)

  • 顧客(決済者)

  • サービス利用者(製品のユーザーではないが、製品の利用によって直接的な影響を受ける)

  • 黒衣(製品の奉仕対象ならない。ステークホルダーやエンジニアが主要なペルソナにならないことを意味する)

物語初案(ユーザーストーリー)

物語を作ることで、ペルソナのイメージが分かりやすくなります。初案では、ユーザーのゴールを重視して話を作ります。シナリオは技術的に可能な範囲で考えますが、現実の詳細さよりも魔法のUIが存在している前提で考えます。物語ができたら、その中に出てくる「オブジェクト」「行動」「状況」を整理し、要件を決めていきます。それでは、具体的な手順を整理しましょう。

①デザインの役割を認識する

物語を考える前に、そもそも今回のデザインの役割を認識し、ステークホルダーと合意形成する

②ブレインストーミング

これまでの調査で形成された先入観を洗い出す。加えて、一切の制約を取っ払った斬新な発想も引き出す。ここでは、固定観念の払拭と思考を広げることがメインになる。

③主役、脇役ペルソナの期待を整理する

具体的には、下記のことを整理する

  • 態度、経験、抱負

  • ペルソナに与える社会的、文化的、環境的状況

  • 製品に対する一般的な期待や希望

  • ペルソナが想像するデータの基本要素、希望に対する製品の振る舞い

④シナリオ作成

①〜③まで整理してようやくシナリオを作成する。シナリオには、次のことが含まれている必要がある。

  • 製品はどのような設定で使われてるのか

  • 製品は長時間に渡って使われてるのか

  • ペルソナは頻繁に作業を中断するのか

  • 併用される他の製品は何か

  • 1台のワークステーション、デバイスに複数のユーザーはいるのか

  • 製品に対してどんなことを期待してるのか

  • ペルソナの技能や使用頻度から考えて、どの程度の煩雑さが許容されるのか

AboutFace3より抜粋


以上が、今回の感想文です。まだまだ序章なので、続けて読んで記事を書きたいです。とりあえず、今回はここまで!

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