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ひとことで変わるということ。

ある程度社会に守られていた学生という立場から

自分で責任を背負うことが多くなった社会人1年目

職場の先輩に言われた一言が今でも忘れられない。


仕事は自分で奪いにきなさい

入社して割とすぐのできごとでした
会社に入り、今まで机に座っていれば先生が授業をしてくれた環境

そこからいきなり放り出された

【なにをどうすればいいのか、わからない状況】

多少の研修期間はあるにせよ、研修と実際に働くのでは
やはり周りの環境も変わってくる。

先輩たちが仕事をしているなかで
最初は指示をもらえてくるが、一週間程してくると
その指示もなくなり始めてくる

もちろん、先輩にもよって
こっそりと「〇〇さんが今アレやってるから手伝っておいで」など
アドバイスをくれる人もいたので
同じ状態になったときは手伝いにいかないと!と駆け寄った。

そうして仕事を続けていく中である日

作業がひと段落したタイミングの先輩から言われたのが

仕事は自分で奪いにきなさい

この一言でした。

奪うとはなにか?

仕事は自分で奪いにきなさい という一言は
学生時代にアルバイト経験すら乏しい私には衝撃の言葉でした。

先輩の仕事を奪う?

混乱した私を見た先輩が

『なにからすればいいかわからないのなら

”手伝うことはありませんか?”

”私にできることはありませんか?”

そう聞いてみなさい』

先輩はそういうと、作業に戻っていった。

今、考えてみれば当時の私は動きも悪く

指示待ち!

という状態だったのを見かねたうえでのアドバイスだったと思います。

そのアドバイスをもらってからは
忙しそうな先輩を捕まえては「手伝うことはありますか?」と聞いて
仕事をもらい、作業をするというのを繰り返していった。

先回りすることも奪うことである

何度か繰り返すうちに

先輩たちの癖が見え始めてくる

A先輩は何でも自分でやるので後輩に仕事を回さない

B先輩は上から指示がくると資料から作成し始めるが
これは新卒でも出来る作業

そういった癖が見え始めてきてからは
先回りをして仕事を奪うようになった。

B先輩が上からの指示をもらっているのを確認すると
私は先輩のところへ行き

「資料作りとかやれますのでやらせてください!」と

自分の売り込みを始めた。

A先輩にはひと段落してるタイミングを見計らって

「先輩、この部分手伝えるんで手伝わせてください!」

と、これまた自分を売り込み始める。

気付けば仕事が回ってくるようになる

こうして、仕事を先輩たちから先回りなどをして
徐々に奪い始めるようになると

自然と『あ、これはあの人に任せよう』という流れができてくる

そうすると奪いにいかずとも作業がこちらに舞い込むようになってきた。

同じ内容の仕事を一緒にすることで

今、この人はこういうことをしているのか
こういうときはこうすればいいのかと

徐々に自分の中でも色々な知識が増えてくる。

時々、作業が重なりすぎた時には先輩に助けを求めることもあったが
そうやりとりが出来るようになるという信頼関係も深められていった。

あれから何年か経ち、転職もしましたが

衝撃的だった言葉は今でも活かされている。

あの一言がなければ今の私は自分から動けないままだったかもしれない。



#コラム #エッセイ #社会人



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