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漫画家、無職になったので文を書く

漫画家、無職になった。

鹿島初(かしま うい)といいます。いっぱしの漫画家をしているごく普通の根暗のオタクであり、先日現行連載の仕事を終えたので無職になりました。
とはいえ、別に珍しいことではない。漫画家はよほどの売れっ子でも無い限り結構な頻度ですぐ無職になる。
この空白期間も個人でコミッションを受けたり、新しい企画の準備に追われたりするので実質的には無職ではないかもしれない。多分無職ではない。
それでも私はこの期間を「無職」と呼んでいる。そうしないと仕事をせねばと焦ってしまい、連載期間の疲れを全く癒せないからだ。
今回は特に連載期間中大きめに体調を崩し、各方面に迷惑をかけてしまったため尚のこと休むことの重要性を思い知った。そのため強い決意を持って「無職」を自称している。

無職になったので文を書く。

さて、私の生業は漫画を書くこと。そして絵を描くことだ。
そんな人間がなぜ文章を書こうとしているのか。
理由は簡単、絵を描くのがめんどくさいからだ。

私は生まれてこの方、ずっと脳がうるさい。常に脳内で何かしらの考え事をしているか、文章が流れているか映像が流れているか、あるいは何かはよく分からないが「何か」に脳をずっと支配されており脳が毎秒パーティー状態である。
ADHDの人などによく見られる傾向らしいが私は特に検査をしていないので実際そうかはわからない。ただ事実として脳がうるさい。
なので適度に出力をしないと脳内のダストデータが溜まりすぎてパンクするのだ。
それを絵や漫画で出力するべきなのだが、思考が速すぎて手が追いつかない。一時期からノートに手書きでジャーナリングを行っているがそれも追いつかない。
幼少期よりパソコンと共にあった身としてはキーボードのタイピングが最も早く扱える出力装置なのだ。
そのためこうしてnoteに手を出してみている。
少しばかり時間の余裕ができたので、自分の思考整理のためだ。故にここに有意義な情報はないと思って頂きたい。脳のゴミ処理場なので。
ちなみにnoteに登録したのは最近ではなく、4年前に遡る。
その時はとんでもなく絶不調であり鬱の渦中にいた。その時のひたすら鬱々とした希死念慮の煮凝りのような文章が下書きに残っていた。
それを読んで「おっ!病んでるねえ!」と思えたので今は比較的マシな状態にいるのだろう。なので今はおそらくもう少しまともな文が書けるはずに違いない。

そして私は元々エッセイを読むのが好きだ。
とはいえ普段は本を読まないし映画も見ない。アニメもゲームもほんの少し、なんなら漫画すらあまり読んでいない。執筆業としてそれでいいのか?みたいな生活をしている。その中でエッセイは比較的よく読むのだ。
前述した通り私は脳が常に稼働している状態なので、何かしらの物語を摂取するとそれをずっと脳内で繰り返し繰り返し思い出し反芻してしまい終わりのない洗濯機のような状態になる。これがまたものすごく疲れる。
そのため物語ほど劇的なアップダウンもなく感情を揺さぶろうという魂胆もなく、少し他の人のことを覗き見できるエッセイがちょうどいいのかもしれない。
なので私も少しばかり自分の脳を切り出して置いてみることにした。

私の作品を読んでくれている人が読んだら彼らが生まれた理由をほんの少し見つけられるかもしれない。製造元の工場見学だと思って欲しい。

ちなみに、ちゃんと一定の頻度で続くかはわからない。
何を隠そう私はかなりの飽き性。そして決まったルーティーンをこなすのが絶望的に下手。
何かあったら書きにくるかもしれないし、存在を忘れるかもしれない。
それでもいいかと思う。こういうのは気軽に始めた方がよい気がするから。


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