悲しき転売屋の麻雀プロ(その2)
お熱でアッチッチ!
スペネコさんをうっかりブロックしてしまったことが、彼のすべての運の尽きだった。敏腕記者に無駄に興味を持たれてしまい、怪しい過去の情報商材ビジネスを次々とめくられてしまった、悲しき麻雀プロ・セドリくん。
とうとうセドリくんのゴシップ記事が、スペネコスポーツに公開される時が来てしまった。そう、炎上はいつだって突然やってくる。まるで恋のように。
熱闘Mリーグの密着取材で、ニョッキとかいう得体の知れない食い物を、お嫁さん修行で頑張って作ってる魚谷プロ。それを部屋で一人、放送を静かに見つめている青年のように。きっと自身の体温が上がるのを感じたはずだ。それが恋ですよ、白鳥プロ。
さあ、待ちに待った、スペネコプロデュースの炎上祭りが始まった。
スペネコさんは静かに淡々と、セドリくんの過去を貼り始めた。
機械的である。
おそらく映画「シャイニング」で、孤立したホテルで一人、タイプを打ち続けるジャック・ニコルソンの顔をしていたはずだ。
「モテ塾でモテ男になろう!」
「オススメの速読術の教材です!」
「365日占星術!」
「すぐに稼げる転売の教科書!」
「私の師匠の◯◯先生は素晴らしい人です!」
そんなセリフを並べ、白い歯をキラリと輝かせている、セドリくんの顔写真。まるで情報商材を売るために生まれてきたような、まぶしいスマイルだ。
スペネコさんはさらに、セドリくんの協力者たちが、今では詐欺師リストに入っているおぞましい面々ばかりだという事実も、一緒にペタペタ貼り付けていった。まるでセドリくんが、詐欺師の仲間入りしているみたいな画面構成だ。
スペネコスポーツに並ぶ、セドリくんの笑顔、笑顔、笑顔。
そして、詐欺師、詐欺師、詐欺師。
笑顔。詐欺師。笑顔。詐欺師。笑顔、笑顔、ハチルダ。
タイムラインにいきなり飛び込んできた、そんなホッカホカの炎上ネタに、スペネコスポーツ愛読者たちが当たり前のようにザワザワ騒ぎ始めた。
これはもう、炎上パーリータイムだああああああああああああああ!!
……と思ったら。
これがなんと。
不思議と、まわりはみんな、逆に静かになったのである。
シーン…とツイッターが静まり返ってしまった。
静寂。そこにあるのは、ただただ深い静寂だった。
なぜだ…?
どうした、みんな?
その理由はただ一つ。
今回ばかりは、あまりにもネタがえぐすぎたのである…!!
世間的には嫌悪感が高い情報商材ビジネス、さらに組んでる相手が悪党ばかりは、クリーンを求められる麻雀プロとして、イメージがあまりにも悪すぎた。
正直これなら女性関係のヤンチャがバレた方がまだ全然マシだ。それがもし猿川プロなら、バレたところで「てへへ」の照れ笑いで終わり、ファンも笑うであろう。奥様からケツが4つに割れるほど蹴られるくらいですむ。
しかし詐欺の香りがふんわり漂うビジネスだけは、フォローのしようがなかった。キツすぎる。ケツが9つに割れて、9ソウになるくらい蹴られても、まだ薄ら寒い。
わしも正直、そのスペネコスポーツの記事を初めて目にした時、ピキンと凍ってしまって話題になかなか乗り切れなかった。いつもなら拡声器のように、その炎上ネタを大声でさらに広める役割をするわしであったが。つい押し黙ってしまった。このウヒョ助をもってしても、乗っかるのが怖すぎたのである。
これが騒ぎになりすぎると、セドリくんの麻雀プロ生命どころか、彼が執行役員を務めるプロ団体全体にまで悪い評判が広がることになるのではないか? この件にまったく無関係な、わしが応援してる若い麻雀プロたちにも、巻き込みで迷惑かけてしまう可能性がある…!
おそらく、全員がそう感じたのであろう。
瀬戸熊プロがMリーグ解説で、よくわからない思い出トークを始めた時くらい、まわりが静かになってしまった。
ツイッターが静かすぎたせいで、おそらくセドリくんも異常事態に気づくのが遅れてしまったのかもしれない。スペネコさんが大量にネタを貼り付け終わって、しばらく経った頃であった。やっとセドリくんがアクションを起こした。
なんと。
いきなりセドリくんは、ツイッターアカウントを消したのである!
さすがに、まわりもとうとうザワつき始めた。
麻雀プロが、告知もなくアカウントを消す…という光景を誰も見たことがなかったのだ。
たぶんセドリくんは不穏な事態に遅れて気づき、これはヤバイ!と思って大パニック、ツイッターアカウントを消すことで、迅速な過去ログ丸ごと消去を試みたのであろう。
しかし、これは完全に失策であった。
多くの純真な麻雀ファンたちは、彼がツイッターから消えた理由がまったくわからない。「セドリさん、急にどうしたの?」「なんでアカウント消えたの?」とザワつき、その理由を探し求め始めた。しかし求めれば必ず、いつかはスペネコスポーツにたどり着く。最悪である。
その結果、スペネコスポーツなど読んでいない麻雀ファンたちにまで、無駄に情報が広がってしまったのである。
セドリくんの妻・ハチルダさんも、旦那のアカウントが消失した言い訳を、すぐにでも代弁しないと危ない思ったのであろう。
きっと仲の良い友人からも「セドリさん、何かあったの?」と、問い合わせが来るはずだ。「実は旦那の、過去の情報商材ビジネスがバレちゃって…」などとは、口が裂けても言えない。
なので彼女はこんなことを突如、大声で叫び始めた。
「旦那は今、高熱を出して、友達の家で寝込んでいるんですー!」
ほおおおお、そうきたか!
わしはうなった。言い訳が上手い!
(うちの旦那は高熱を出して不明瞭な体調だから、今は理由を問い合わせしても応答できません。 ツイッターアカウントが消えたのも、熱でボンヤリしたうえの何かの操作ミスかもしれません。 しかし彼は友達の家で寝てるので、私にも現状がわかりません。だから私にもいっさい何も聞かないでね!)
…つまり彼女が伝えたいのは、そういうことである。
大雑把な短い説明ながらも、実に上手な緊急回避である。
さすがハチルダさん。頭が良く切れている。良き妻だ。
おそらく真面目なファンは、それを素直に信じることであろう。たぶん高熱による操作ミスであると。本当の理由がハッキリわかってる友人たちも(うん…操作ミスだ。そういうことにしよう。それでやりすごして、乗り切れセドリ!)と思っていたはずだ。
しかし、セドリくんとハチルダさんは、あまりにもスペネコさんをナメていた。なんと彼はすでに、セドリくんの「秘密のサブアカウント」も見つけていたのである。
セドリくんはそちらのサブアカウントも、同時に消去していたのである。大馬鹿である。もちろんその不用意なアクションは、すぐにスペネコさんに見つかった。
「へえー、セドリさんは高熱出したせいで、本アカウントとサブアカウント、2つ同時に消しちゃったのかー、器用な操作ミスだなあ」
もうさっきまでの上手い言い訳が、これで台無しである。
勝負あり。
こうして、その日以来、セドリくんはアカウントを復活させることもなく。
麻雀プロとしての活動も、まったく伝え聞かないまま。
姿を消して現在に至る。
一人の麻雀プロが、表舞台から消滅したのである。
はたして彼は消えねばならぬほど、悪いことをしたのだろうか?
たったワンクリック、一般人をブロックをしただけじゃないか。
怪しいビジネスとはいえ、もはや過去のことではないか。
そうだ、スペネコさんがすべて悪い。
……いや、本当にそうなのか?
かつては情報商材ビジネスで大勢の客を集めたいと願い、セドリくん本人がこれでもかと、広く宣伝してバラまいた言葉の数々である。
それをスペネコさんは、もう一度貼っただけなのだ。
宣伝応援と言っても良い。
皮肉にもほどがある。
まるで童話だ。
あくまで表から消えたのは、現在の彼の意志であり。
消させたのは、過去の彼なのではないか。
ならば、何も言うまい。
漫画家の敵、転売屋
ここからちょっと真面目な話をしようか。
女流プロによる「自費出版クラウドファンディング」が始まった時、全く時と場所を同じくして、別の漫画の自費出版クラファンもスタートしていた。
ホラー漫画にこだわりある作家さん達が集まり、互いに渾身の作品を持ち寄って、素敵な一冊の短編集を作りたい…という企画であった。
そんな漫画家さん達の願いに、多くの支援者が共感し、やがて集まったお金でコミックスが完成。夢が形になった。自費出版とは思えない立派な出来であった。
このクラファンには、わしも少なからず支援をした。
そしてわしの手元にも、写真のようにちゃんと届き、ホラー漫画を存分に楽しんだ。おそらく原稿料もほぼなく、理想だけで作られた、商売っ気なしの本なのだろう。(こういうのって素敵だな)って思った。
自費出版だけあって、わずかな発行部数の貴重本である。置いてくれる本屋を一生懸命に探し、ホラー漫画を愛する読者さんに届きますようにと強い願いを込められ、この本は店先に並んだ。
しばらくして。
この本の企画運営者のツイッターから、悲痛な声が漏れ始めた。
転売目的で本を購入し、6000円などの高値で売りさばく人が現れ始めたのである。amazonやヤフオクなどで、その後もたびたび数多く転売屋による出品が発見された。どれも高額転売である。
ホラー漫画が大好きな人に届けたい。そう願って作った本だった。でも彼らが買う前に、転売屋が買ってしまう。本当に欲しい人は大金を払って買うことになる。
運営者は出品者に「そういうことはやめて欲しい」と、そのたびに連絡を送って頭を下げた。それでも繰り返し「また転売されてました…」という悲痛なツイートが続く。それが数ヶ月も続き、眺めていてとても可哀想だった。
自費出版において、高額転売は最大の敵なのである。
すべての夢をぶち壊す。
誰が壊しているのか?
そう、転売屋だ。
さて、スペネコさんとセドリくんの騒動は、セドリくんが姿を消したことにより幕が閉じた。いつしか彼の情報商材のブログなども全部消えており。すべてが無に戻ったように見えた。みんなも彼のことを忘れていった。
しかしわしは一人、モヤモヤしたものを抱えていた。
漫画家だからである。
わしは個人的に、情報商材ビジネスなどには強い文句はない。若い頃は、いろいろ金稼ぎにチャレンジしたい年頃だ。そういうムーブメントがあった時代だった。セドリくんも、それに踊らされていた若者の一人なのであろう。
ただ「転売の教科書」という本を出版していたのは、どうも許せなかった。転売の仕方を知らない人に、仕入れのテクニックから、amazonやヤフオクでの出品の仕方まで、丁寧にレクチャーする本である。「転売屋を増やすための本」であり「転売屋人口増加計画」とも言ってよい。
転売される辛さは、同じ自費出版で本を作っていた、女流プロ達もわかっていたはずだ。もちろんハチルダさんもだ。
しかし、その転売屋を増やしていたのは、ハチルダさんの旦那なのである。
けっこうなベストセラーになったようだ。
ずいぶん転売屋が増えたことであろう。
ハチルダさんは、どんな気持ちで本を作っていたのやら…。
その転売の教科書から、いつしかセドリくんの名前が消えていた。転売プロの先生と、2人で共著だったはずだが。たぶんスペネコさんとの騒動の後、こっそりクレジットを消してもらったのであろう。
どこか過去を反省しているなら、もう良いか…とも考えた。
昔のことでチクチク責められるのもキツかろう。
若い頃に、転売ビジネスをやってる人と組んで、本を一冊出しただけだ。
ライターとして、文章の構成作りを手伝っただけであろう。
今は麻雀プロとして、プロ団体の執行役員として、麻雀の世界でイチから頑張っているんだ。元々スペネコさんと彼のモメゴトだ。そっとしておこう。
……いや待てよ。
じゃあ彼は今は何の仕事をしているんだ?
仲間に酒を奢りまくって、ウットリと「俺、金持ってるぜ自慢」を連発。
あのセドリくんの羽振りの良さはなんだったんだ?
どうも池袋に立派なオフィスがある会社らしい。
どんな規模の会社なのだろう?
まともなお仕事なのだろうか…?
ちょっと興味がわいてしまった。
過去を調べるのが得意なのはスペネコさん。しかし現在を調べることなら、わしの方が得意である。あちこちすでに証拠を消しまくったセドリくんだが、まだネット上に彼が残したままのものがあるならば、それをちょっと眺めてみるのも良いだろう。「あ、今は真っ当に働いて生きてるんだな」と、どこかわしも安心したかった。
まずは、まだ電子で購入できる彼の著作「転売の教科書」を手に入れることから始めよう。
もう一人のモンスター
わしは漫画家という職業柄、よくツイッターでヤンチャな若者に絡まれる。匿名だと思って、差別的なひどい言葉をキャッキャと連投してくる。デマも流す。やりたい放題である。ブロックはしない主義なので、こういうしつこい若者をどう黙らせるか。
若者たちは「匿名ゆえに安全」と勘違いして、自由気ままに暴れてるわけなので。ならば「おまえが思ってるほど、おまえは匿名じゃないぞ」を示してあげれば良いのである。それでおとなしくなる。
本人はツイッターなどで、自分の身元は絶対バレないと思い込んでいる。顔を隠せば良い、とか、大学名を言わなければいい、とか。
しかしそれは一般人の発想の範囲である。
漫画家の発想は、つねに全然違うところを見ているのだ。
さて、セドリくんの著書「転売の教科書」のページをめくり始めたわし。転売プロの先生の自己紹介から始まるが、そいつも人物が全然見えてこない。検索しても、現在どんな活動をしてるかもわからない。もちろんセドリくんに関わる情報は、すでに本文からすべて抹消されている。
巻末の方に、先生よりテクニックを学んだ生徒達からの、感謝の手紙が収録されていた。「先生のおかげで、これだけ稼げるようになりました!」…まあ、この手の本にはありがちである。イニシャルで語っている生徒もいれば、実名らしいフルネームで語ってる人もいる。
とりあえず名前をメモにとる。
そこで次のステップに移る。
すべてのSNSのアカウントを消したセドリくんだが。まだどこかに残してるアカウントはないだろうか?
こういう時、本人も見逃しがちなアカウントがある。
youtubeである。
セドリくんのアカウントをのぞくと、お気に入り動画の中に、見知らぬ誰かさんによる「転売テクニックを紹介する動画」があった。けっこう新しい動画だ。その動画の中で喋っている人物の名前を調べる。
見覚えのある名前。
そうだ、さっきのメモの中にある名前だ。
その人の名前を、ここでは仮名で「アナベベ」と名づけよう。
アナベベさんは、本業で転売屋をやりつつも、稼げる転売テクニックを初心者に教えるブログも開設していた。たびたび人を集めて、セミナーも開いているようだ。
そういえばセドリくんも「今日はセミナーの講師です」などと語ってるツイートが近年まであった。本人のツイートはアカウントごと消えているが、彼の発言に対し「講師、頑張ってください!」などとリプをしたフォロワーの痕跡はそのままだ。彼がいつセミナーに関わる発言をしたかは、それで日付の予想がつく。
アナベベさんのブログでチェックしたセミナー開催の日付と、セドリくんがどこぞで講師をした日付を見比べてみる。
完全に一致した。
セドリくんはアナベベさんと、たびたび一緒に仕事をしていたのではないか?さらにアナベベさんのブログを眺める。転売商品の仕入れのための地方遠征で、各地のハードオフやブックオフをまわっては商品を買いあさっている様子が、写真付きでレポートされていた。商品が車内にギュウギュウの山積みになったワゴンの中で、汚い格好でくつろぐ男性2人の写真。「いかにも転売屋」の光景である。
片方はアナベベさんだが、もう一人はマスクで顔を隠し、上半身をのけぞらせて、いかにも(顔はちょっと写さないで)の表情をしている。
肌の黒さや生え際、そして何より目元がセドリくんにそっくりである。
たまたま似てるだけかもしれない。
しかしその写真の説明に、アナベベさんは「隣にいるのは、仕事の相棒の◯◯クンです」と名字だけを紹介している。
セドリくんと同じ名字であった。
そして生徒達からの感謝の手紙が、これまたあの本のように紹介されていた。生徒は「アナベベさん、そして◯◯さん、ありがとうございます」と、これまたセドリくんと同じ名字を記している。
しかし彼の名字は、日本人ではかなり多い、メジャーな名字だ。
たまたま同じ名字の、別人かもしれない。
次は、アナベベさんが経営してる会社を調べることにした。
amazonやヤフオクで出品してるなら、その「出品者の情報」が記載されているはずだ。
アナベベさんの名前で検索するとすぐに見つかった。
まるで「ベリーズ工房」みたいな名前の会社だ。そのオフィスがある住所もしっかり記載されている。
会社の所在地は、池袋。
セドリくんがツイッターで語っていた、ご自慢のオフィスも池袋だった。
なんかだいぶ近づいてきた気がするぞ…。
バラバラだったパズルがゆっくり埋まっていく。
グーグルマップでその住所を打ち込んでみる。
オフィスが入っているビルがわかった。
わしはそのビルを見て驚いた。
そこは漫画喫茶ほどのせまい個室に、電話が一台置いてあるだけ。
「家賃3万3千円のレンタルオフィス」だった。
マジか。
ここがもし、セドリくんのオフィスなら。どうやってここから人気バンドの撮影を見たのだろう。壁しかないぞ。電話ボックスみたいだ。あの自慢の数々はなんだったのだ?
フカシか?
調べるとさらに、ベリーズ工房という名前とは別に、似た違う会社名でも出品してるらしい。そちらの会社名の方で、もう一度検索をかけてみる。
アナベベさんじゃない名前での、出品者が見つかった。
おそらくアナベベさんの部下の社員であろう。
それはセドリくんのフルネームであった。
ビンゴ!
マンセンゴ!
見つけたぞ!
セドリこいつ…転売屋をやっている!
彼はおそらくハードオフで手に入れたと思われる、オモチャをいっぱい出品していた。赤ちゃん用の玩具もある。まさかコイツ、友人からの出産祝いのオモチャとかも転売してねえだろうな?
急にゾッとしてきた。
そこでわしは静かにブラウザを閉じた。
別にこれ以上は何も言う気はない。
事実がわかればいい。
わしはどこかあの炎上騒動で、アカウントを消すことになった麻雀プロに、同情していた気持ちが残っていた。彼はお父さんになったばかりだ。大黒柱として頑張らなくちゃいけない時期につまずいたのは、さぞかし辛かったであろう。わしならスペネコさんを止められたかもしれない。待ちなよYOU、そこまでやる必要はないじゃないか、と。
「セドリくんは麻雀プロとして頑張ろうと、新しい人生を踏み出したばかりなんだぞ! それをなんだチミは!」と、スペネコさんを叱ればよかった。
しかし今は、そんな気持ちもサラサラない。
彼は今も転売を頑張っていて、十分に稼いでいるのだ。
がんばれ転売ヤー。
レッツ!せどり!
ただ最近のパンデミック騒動で、マスクどころか幼児用オムツまで転売屋に買い占められ、全国の赤ちゃんを抱えたお母さんが苦しんでおる。転売の教科書なんてベストセラーを出した責任は感じて、お父さんとして頑張って欲しい。
おまえのせいだぞ。
(つづく)
ご機嫌がよろしい時、気分で小銭を投げていただくと嬉しいです。ただあまり気はつかわず、気楽に読んでくださいませませ。読まれるだけで感謝です。