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自宅待機のなかで、欲望を考える

自宅待機が続いている。当初は4月24日までだったが、政府の緊急事態宣言を受け、5月6日まで延長された。青空が広がった。

思考している。自分はなにがやりたいのか。時間に余裕がある今こそ立ち止まるときだ。

将来の夢、あるいは目標……そういったものはない。いや、ないのではない。諦めている、というほうが正確か。

姫呂が抱いている最大の欲望は、愛する人と共にありたい、というものだ。しかし、人を愛することはできても、その愛が成就することはない。鬱病によるハンデ、社会的ステータスの低下、それらが障害として立ちはだかる。身も蓋もない話だが、この世界では、お金や健康がなければ愛を得ることはかぎりなく困難になる。川で捕まえたカエルをそのまま解剖するような残酷さ。

どうすればいい?

まずは自分ひとりで楽しめる欲望から叶えていこう。

ゲームをしたり、本を読んだりするのは好きだ。

最近になって『ダークソウル』を再開した。すでに一度クリアしたデータはあるが、ニューゲームでスタートすることにした。このゲームはキャラクターを自由に育てることができる。前回とは違う方向性でキャラクターを作っていきたい。

『ダークソウル』は難しい。何度も死ぬ羽目になる。だが、死ぬたびに失敗点を学んでいき、プレイヤー自身が成長することができる。この成長の実感こそが本作の醍醐味だ。

あとやりたいことといえば、文章を書くことか。

面白い文章が書きたい。他人が面白いと感じる文章ではなく、自分が満足できる文章こそ書きたい。文章を書くことは趣味だ。だから自己満足でいい。

書くことも、試行錯誤していくしかない。『ダークソウル』との違いは、ゲームにはボスを倒すという明確な目標がある一方で、書くことにはそういったものがないことだ。自分の内面にある、曖昧なイメージを追求していかなくてはならない。そこが難しい。

書くことにかぎらない。自己満足を追求することこそ、最も難しい作業なのだ。


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