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さあ、その呪いを書き換えろ: 呪い(まじない)の話vol.5

前回まで
呪いのろいについて書く理由 呪いの定義
2 呪われ体質と呪の発動条件
3 呪いの種類 他者への呪い
4 自分への呪い 呪われる原因
について書いてきました。

前回のvol.4はこちら

呪いについてはもうわかった。良いから早くその呪いを解く、書き換える方法を教えろ。と、その様な幻聴が聞こえてくる様な気持ち…

そんなこんなで、いよいよ今回は解呪編。

さあ、あなたの呪いを書き換えてやろうではありませんか!

心が苦しみを感じたら、それは呪いの種

今、心に何かしらの苦しみを感じていますか?

自分の生活や未来のこと。
友人関係のこと。
仕事や職場関係のこと。
家族のこと。

その苦しみ(悩みや辛さ)を感じている気持ちが呪われかけてる・・・サイン。
言い換えるなら「呪いの種」です。

苦しみについてもう少し詳しく見てみると、それは"ニーズが満たされない事を教えてくれているサイン"なのだと言います。
苦しみという信号によって何かの不足を知らせていると。

人生の中で嫌なことが全く起きないなんてことはあり得ませんよね。
貴方が偉い神様で千里眼や予知能力を持っているなんて事がない限り、自分の望む通りの正解ルートだけを通るなんて出来っこない。
だからこそ、トラブルや嬉しくないことは不意に目の前に現れる
つまり呪いの種は当たり前に、そこかしこにあるって事です。

ここで、重要なのは何か。
呪いの種を発芽させない事。これだけ。

それはどうすれば良いのか。
前回のvol.4を読んでいただいた方ならわかるかと思います。

そう、二の矢を射らない。です。

心の中のニノ・ヤイル君にはニートでいてもらおう

弓の達人も出番がなければただの人

二の矢を射らない方法。
それは物事はそのままを受け入れましょう、と言う事。

仕事で失敗した。
友人と喧嘩した。
夫婦間の愛情が冷え切っている。
人生の楽しみが見出せない。

様々な悩み苦しみ、呪いの種たち。
この種達は過去の出来事から生まれた種です。
今苦しみを感じてその瞬間にポンっと種が生まれたとしても、
生まれた・・・・と言う事実は過去形
物事が起こり、それを認識して思考している時点では常に過去になっています。

つまり、
〈呪いの種が出来た=事実は過去に起こった〉
であり、
〈今、手の中にある呪いの種を
生まれなかった事には出来ない=今の私に過去の事実を変えることは不可能
である。
と認識してほしいのです。

過去に起こったことが目の前にある。
これはそれ以上でも以下でもない事実です。

"風が吹いて枝から葉っぱが散った"
これと同じ。
葉っぱは同じ場所には戻せません。

それなのに、
・風が吹いたことに腹を立てて、文句を言う。
・あるいは散り落ちた葉っぱを見ていつまでも嘆く。
・葉っぱが散る事を止められなかった自分を責める。

これらの思考が二の矢を射る行為になります。

あなたに出来るのは、
“今葉っぱが散ったな“と受け止めることだけ

次にするのは今の自分に出来る事を考えて行動する事

例えば、
・散った葉っぱをほうきで掃いて掃除する。
・きれいな葉っぱだったとしたらノートにでもはさんで保存を試みる。
など。

知識の豊富な方ならもっと有効な利用方法を見つけるかもしれませんし、
アーティストならそこから新しい作品を作ることもあるかもしれませんね。

二の矢さえ射らなければ、呪いの種はただ起きた現象の一つに過ぎず、そこから二の矢を受けてしまえば更なる苦しみを生む呪いが発動する事になるわけです。
ニノ・ヤイル君には一生遊んでいてもらいましょう。


私たちはいつでも自分が選んだ未来にいる

あなたがする事は過去の事実を今これからどう認識するか。
そして何が出来るかを考え、どんな行動するかです。
これらは全てあなたに選べる行為です。

呪われ体質さんにとってはその選択をすることが難しく感じることもあると思います。
選択をすると言うことは、まず自分の目の前に選択肢が見えてないと出来ないからです。
そして呪われ体質さんは視野が狭くなりがちなので、あるはずの選択肢も見えなくなりやすかったりします。

そしてこれはなかなか衝撃的な事実なのですが、
呪われ体質さんが呪われ体質であることを実は自分が選んでいる!と言う事実。

敏感なアンテナで言葉を受け取った後、その信号を歪めて受信し、二の矢を射る
それを自ら選んで行動しているのだと。

びっくりですよね。(知った時はUGYAUもびっくりしました。)

でもここを受け止められるかどうかなんですよ!
この瞬間こそが呪いとの対峙なのです。

穢れけがれ祓うはらう禊ぎみそぎの行為、成長へのイニシエーション(通過儀礼)です。


恥を知れ!

唐突の罵倒。すみません。
でもそう言う意味じゃないのです。
呪いと対峙する中で、おそらく強烈に小っ恥ずかしい想いが湧いてくるはずなのです。
だからそれを恐れず行きましょう。


生存戦略のための思考パターン

人間の生存本能として脳は生き残る確率を上げるために戦略を立ててきました。
その大昔に作られた脳の生存戦略により、無意識的な行動原理がつくられたりしています。

例えば、

生存確率が高くなると理解した人類は安全と安心の為集団生活を始めた。
しかし集団生活が普通の暮らしになると今度は"群からの排斥"と言う新たな脅威が生まれる。
自分が群から弾かれない為には群れの動向に気を配る必要があるので、人は噂話に敏感になった。
それは現在ゴシップやスキャンダルニュースを報じる雑誌やTVが売れ続ける理由の一つである。

とか。

男女の異性を見るポイントの違いとして、
男性はグラマラスな胸や細い腰、綺麗な肌の女性を好む(女性の繁殖能力が高さを見ている)。
一方で女性は男性の経済力や社会的地位、高身長や良い体格に惹かれる(子供を産んだ場合に自分と子供を守ってくれる力があるかを見ている)。

とか。

進化心理学という分野で研究されていてあちこちで言われている、本能から生まれた心理、思考パターンなのだそう。

その様な生存本能の一つとして、
わざわざ“ネガティブであろうとする“と言う思考パターンもあるらしいのです。


ネガティブ戦略

ネガティブは通常悪いことの様に思われがちです。

しかし、人よりも多く心配して悪い未来を考える事は、楽観的に無計画に突き進む人よりもリスクを回避出来る事になる。
それはネガティブである事で自分を守ろうとする防衛本能。
この時守ろうとしているのは自分の“生命”です。

ですが現代において、生命を脅かされる様な危機に直面する場合は少ない
ネガティブ思考により守ろうとしているものが、命ではなく自分のプライド弱さと向き合えない心になっている場合が多いのです。

要するに“自分の心が傷つかないで済むためにネガティブさが発揮されてしまっている”!ということ。

するとどうなるか。

物事に対して出来ない理由を並べてみたり、人のせいにして行動しないなどと言った態度になります。
さらには、

どうせわたしには無理だから」
でも時間が足りないから」
だってコミュニケーション苦手だから」

みたいな口癖がついてしまい言い訳を繰り返す様になる。
言い訳は出来ない自分、やらない自分を肯定化しようとする言葉です。
vol.4では自己呪いについて"強烈な自己否定と決めつけの言葉"と書きましたが
実はこれ、一見自己否定している行為でありながら、全力で過去の自分を肯定しようとしてる。
今までの私は悪くないんです。悪いのは環境とか周りの人なんです!
と、必死に自己暗示をかけている。

わざわざ好き好んすきこのん必死に自分を呪い始めるわけです。


傷つきやすい可哀想な私を作ったのは誰だ

勇気を出すのが怖い
自分は変われない、弱いままの自分でいられる現状から動きたくない
現在に至るまでの自分が弱かった事を認めたくない

これまでの自分の人生が間違っていたと認める時。どんな気持ちでしょうか?
めちゃくちゃ恥ずかしくないですか?
やり直したいとか知られたくないとか逃げたいとか、なんかそんな気持ちになりませんか?

私はなりました。超!恥ずかしくなりました。

それでオッケーなのです。
それを感じられた貴方は、今この瞬間に呪いは書き換えられる。

「うおぉおぁあ!」
とでも叫びながら、恥ずかしい自分の過去を脱ぎ捨ててやれ!!

大丈夫だ、問題ない。

それはもう過去の貴方であり、変えられないこれまでの出来事であり、進化心理学としても生存本能による無意識の行為仕方なかっただけだから!!


さあ、まじないをかける時間です

[呪いを書き換える手順]

1: 自己承認する

呪われ体質である自分を認識する
  それはあなたがメンタルが弱いからではない
  生存本能のレベルで自動思考してるだけ
・だから自分を責めない
・ここまで認識出来たら、とにかく二の矢を射らない
・起きたことはそのままに受け止める
・過去の自分も恥ずかしさと共にマルッとそのまま受け入れる
これが自己承認するという事だとUGYAUは思うのです。

2: 今自分に出来る事を考えて行動する

・呪いは全て過去の言葉である
  過去は変えられないと受け入れる
・これからの事は今作れる。
  これからの貴方は貴方が決められる

まとめてしまうとただこれだけ。
めちゃくちゃシンプルで拍子抜けするくらいです。
これを読んで
「なんだよ、たったこれだけかよ!」
などと感じた方は恐らく、ご自身の呪いを相当こんがらかったものにしてしまっていたのだと思います。
でも、それも呪いの効果によるものだから自分を責めたりしない様に。

そもそも自己肯定感が低い事で呪われ体質になっていたわけですから、
自己承認さえ出来たらもう呪いなんてないも同然なんですよね。
歪んだ認識である二の矢が発動しなければ、どんな過去があろうが呪いにはならない
この先何が起きようが頭の中がごちゃごちゃになったりしない。

貴方は二度と呪われたりしないで生きていけるのです。


まじないをかけたい私

わたしはある時“呪いを書き換える”と言う事を思いつき、
その気づきを発信するアートを作りたいと考えて制作発表して来ました。
そして、その事をより多くの方に知ってもらえたらと思いここまで綴ってきたわけですが、
つい最近こんな言葉を学びました。

ナラティブアプローチ

ナラティブ(narrative)とは物語の事
ただし、元々はストーリーよりもより広義な意味で使われる文芸的用語で、語り手自身が紡ぐ物語の事だそう。
(コトバンクなんかを見るともっと詳しく書いてあるんですが、ちょっと読んだだけだと「なるほどわからん!」案件でした)

で、ナラティブアプローチについては以下の文章をリンク先より抜粋。

相談相手や患者などを支援する際に、相手の語る「物語(narrative)」を通して解決法を見出していくアプローチ方法。
1990年代に臨床心理学の領域から生まれ、現在では医療やソーシャルワークなどの分野でも実践されている。
ナラティブ・アプローチの中でも、特に相談者の自主的な語りを重視する実践的な心理療法は「ナラティブ・セラピー」と呼ばれる。
「患者の言葉から、患者の解釈を理解するため」の方法。
ドミナント(支配的)ストーリーという、悩んでいる人が思い込んでいる物語がある。
多くは自分に対して否定的なものであり、悩んでいる人はその物語に支配されて変えることができないと信じ込んでいる。
ナラティブアプローチにより、オルタナティブストーリー(代替の物語)を構築し解決していく。
https://jinjibu.jp/keyword/detl/929/

まさに呪いの書き換え!
UGYAUが何年も思い悩んでごちゃごちゃして、考え抜いた末にたどり着いた呪いとまじないの答え。
実は1990年からすでに臨床心理学では実践されてたー!!
学問的に確立されてる手法なんだってさ!

呪いの話を綴って、書き終えようとしたこのタイミングで知ると言う…。
(面白い巡り合わせだなあ。)
まあそんなUGYAUの感想は置いておいて、まとめていきます。


呪われ体質さんの生存本能システムで勝手に紡がれてしまう物語(ドミナントストーリー)。
UGYAUはこれをまじないによりオルタナティブストーリーに書き換えたい。
その為のアートを制作して行きます。

そして私の作品や仕掛ける展示イベントなどにより、呪いを書き換える気づきを得てもらえたら最高だなと。そう考えております。
あくまでも呪いを書き換えるのは自分自身だから、UGYAUが出来る事はきっかけ作りなので。

実際呪いを書き換えたUGYAUはそれ以前と比べて、本当に毎日を明るく楽しく過ごせる様になりました。
やる気も満ちて、なんなら身体的パフォーマンスすら向上している。
私が私の呪いを書き換えられたのだから、皆様にも絶対出来ます

自身のポテンシャルを出しきれないでいる呪われ体質さんには、是非とも今こそ呪いを書き換えてこの先を楽しさとワクワクの中で過ごして欲しいなと思います。

恐れず頑張りましょうぞ!


ここまで書いて来た呪いとまじないの話。
これらの想いが詰まった「まじないのハコをとじた」という作品及び展示についてはInstagramやYouTube等でご覧頂けますので、よろしければ是非。(以下リンク先まとめ)

今年2022年もどこかで個展開催目指しておりますので、ご支援応援色々頂けましたら幸いです。
ここまで長々とお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。

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