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【美女多め】#名刺代わりの小説10選【人死にすぎ】

インプット履歴=地層をわかりやすくアウトプットしてみようという記事です。お気に入りの小説をまとめてみました。
個人の勝手な感想が付いていますのでご留意ください。


おわかりいただけただろうか。
美しい女が登場する作品ばかりでございます。
その美女には人の道から外れたような存在であってほしいと願っているのです。

桜の森の満開の下/坂口安吾

魔性の美女の小説といえばこの作品。
ワガママ美女に都会に連れ出されてとんでもない遊びに付き合わされちゃう😖話なんですけど、美と孤独についての短編であります。
人々は尽きない欲望を美しい物の魔力で満たしているのかもしれません。そして欲望を全て満たせばその先には孤独がある。孤独は人のふるさとですからね。

高野聖/泉鏡花

僧侶が行き着いた山奥の一軒家にいた妖しい美女の秘密とは。
幽玄で不思議なお話です。小説の組み立て方が入れ子式になっているので、自分は今誰のいつの話を聞いているのかぐらついてくる。そうすると自分も幻想世界に惑わされているように錯覚してしまうところも面白い。
幽玄=奥深くて、はかり知れないこと。趣が深く味わいが尽きないこと。

すべてがFになる/森博嗣

森博嗣ミステリィの原点であり頂点。バチバチの理系(情報系)トリックですが、哲学や美学も混じっているので読んでいて飽きない小説です。VRなど現在実現しているものを当時に高い解像度で書かれているところもポイント。なお書籍の発売は1996年です。 

「どこにいるのかは問題ではありません。会いたいか、会いたくないか、それが距離を決めるのよ 」

すべてがFになる 森博嗣

四季 春/森博嗣

「すべてがFになる」に登場する、神に最も近い頭脳を持つ真賀田四季の子供時代のお話。頭脳は大人以上、からだは子供、天才の人格形成の物語。
春→夏→秋→冬へ収束するシリーズの閉じ方がとても美しいなと思います。つまりそれは”四季”であり彼女の人生そのものを見ているのです。

絡新婦の理/京極夏彦

2つの事件が並行して進んでいきその中心はたった一人の美女へ収束する。自分の意志で行動しているつもりでもそこは全て絡新婦の蜘蛛の巣の上であった。
冒頭の桜吹雪+美女+謎解きからグイグイ引き込まれます。全部を無くしたとしても前に進むしかない、覚悟を決めたラストシーンも圧巻です。

春琴抄/谷崎潤一郎

ワガママ美女にお金も光も人生全てを捧げる物語。女/男、師匠/弟子、主/従者、被介護者/介護者、ドS/ドM、簡単にジャンル分けできない二人の愛の話。
谷崎氏があえて実験的に括弧と句読点をなくしているため、とても読みずらいのが難点であります🥲
恋は盲目ってこういうこと?(物理)

犬神家の一族/横溝正史

財閥創業者の遺産相続、謎の覆面男と美女、呼ばれてきたボサボサ探偵のセット、何も起こらないはずがなく…!ページをめくる手が止まらない…っ!
美女は出てくるがイカれていません。むしろ守りたい系の美女です。ただ、周囲の女の頭のねじが吹っ飛んでいるのでよくない目に合う。

人魚の眠る家/東野圭吾

命の終わりとは、生きていることとはを問う物語。
我が子が脳死状態になったときに、死なせる=臓器移植のドナーになるか、生きる=植物状態のままか親が選択しなければならない状況になったとしたら。
人が人の延命治療の選択を迫られる時代になりました。いつか私も「誰かの最期を決める」判断をする時が来ると思います。
そのとき、私は何を基準にどう選べばいいのでしょうか。

蜜蜂と遠雷/恩田陸

ピアノコンクールと人間の才能のお話です。
10冊のうち唯一の「陽」の部分ではないでしょうか。
音楽の表現力からくる臨場感!音楽と演技って表現者の血肉を頂いている気がしてゾクゾクしてしまいます。
努力を続けられることは立派な才能の一つです。日の目を見なかったとしてもいつかきっと自分の糧になってくれますから。

金閣寺/三島由紀夫

金閣寺を最も美しいと信じている学生の屈折した性格、人間不信、苦悶を緻密に書き上げた物語。
鬱屈とした話が続くかと思えばいきなり「乳房が金閣に変貌した」などと言い出すので虜になってしまいます。この表現は最高だ、こんなに的確な表現があるもんかと思いました。認識だけじゃ世界は変えられないことがこの一文に表れていると思います。


雑記

・森博嗣氏『「すべてがFになる」は京極夏彦著「姑獲鳥の夏」に酷似している』と仰られているので支持層もおそらく似るんだろうなあ、と勝手に推察。メフィスト賞第0回・1回受賞者達ですものね…
・2015年以後発刊の小説はほとんど知らないことをとても実感しました……。
・10作品選抜のついでに「(作品名)考察」で調べて様々な解釈をたくさん見れて良かったです。登場人物の背景などをきちんと筋道立てて◯◯はXXじゃないか、という考察も好きだし、行間を超拡大解釈したようなトンデモ考察も大好きです。楽しかった~!
・私は天災で紙の書籍が全滅してから電子書籍教に宗派替えしました。iPhoneだと目玉の限界があるのでkindleを検討しています。
・2018年の著作権法改正にまじか~ってなったことを鮮烈に思い出しました。まじか~。
・子どもの頃に青空文庫とタブレットがあったらずっと読んでいただろうなあ。海外文学をもっと読んでおきたかった。

さて、よろしければあなたの名刺もお見せください

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