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『人間標本/湊かなえ』を読んで

表紙を捲ると、蝶に見立てられた美少年たちの美しく耽美でグロテスクな標本の絵が6枚。
標本それぞれの表現の解説をするのは、子どもの頃に蝶に魅せられ大人になってからは蝶博士になった榊史郎。

美しい…
けど、不穏…

全ての始まりは、大自然で舞うように飛ぶ蝶達に魅せられた史郎が蝶の標本を作ったことから。
それが、長い年月をかけて巡り巡って歪な影響を与えてたのです。

サイコパスな史郎が逮捕されたのは物語の中盤ほど。この後、二転三転、四転と、どんどん真実が明らかになっていくんですけど、えーっ!ええーっ!えええーっ!と衝撃を受け続けました。
狂気のレベルが段々と上がっていくのですよ。そして、最後は切なさと悲しさを感じさせられました。
紛れもなくイヤミスです。
そして、二組の歪な親子の悲しい物語でした。

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