『百年の子/古内一絵』を読んで
8月の課題図書にしていたこの作品、読めて良かった。素晴らしい作品でした。
コロナ禍の令和と戦中戦後の昭和と交互に描かれていて、最後には繋がっていくだなんて!
令和では出版社文林館に勤める28歳の明日香がファッション誌の編集部から創刊百年企画チームへの納得できない異動に腐ってました。学年誌の調べ物をしていると、大好きな祖母が戦時中に文林館に勤めていたことを知ることになり、次第に気持ちが変わっていくのです。
仕事への愛着を感じて熱心になり、周囲の人との関係にも思いやりを持てるようになっていきました。
戦時中戦後の昭和では明日香の祖母スエが「後悔のないようにするのが一番」という言葉に背中を押され、憧れの文林館の面接にと飛び込んでいきます。精一杯一生懸命働いていました。中身がないなんて娘に酷評されていたスエは実はあんなこともこんなこともやり遂げていた凄い人でした。
戦時中の描写はリアルでつらかったです。だけど、ちゃんと知っておかなくてはなんだと思うのです。
親から子への思い、出版社の葛藤や使命感、多岐にわたる深い深い作品でした。
小学生の頃の私も「小学◯年生」を毎月買ってもらって楽しみに読んでいたことを思い出しました。海亀の詩(だったかな?)を読んで何故だかすごく気に入ってジャポニカ学習帳に書き写していたこともうっすらと思い出しました(←変な子だったみたい)
今は小学一年生しか残っていないそうです。
そうだ!マゴちゃんが1年生になる来春、小学一年生をプレゼントしよう!