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「恋に至る病/斜線堂有紀」を読んで感じたこと


「僕の恋人は150人以上の人間を殺しました」
冒頭からの衝撃的な告白で始まりました。

「恋に至る病」

みんなに愛される美少女・寄河景が自殺教唆ゲーム「ブルーモルフォ(青い蝶)」をどのようにして主催するようになったのか、また、どのようにしていたのかを宮嶺の視点で語られるのです。

二人の出会いは宮嶺が寄河景の通う小学校に宮嶺が転校して来た時でした。宮嶺を上手にクラスに溶け込ませる気遣いをした善良だったはずの景。
最初の殺陣は宮嶺へのイジメへの憤りからでした。その後ブルーモルフォの運営にのめり込んでいくのです。

全体を覆う空気は非常に厨二病的なんですけど、すっかり大人の私も先が気になってどんどん読まされました。

「誰一人として愛さなかった化物か、ただ一人だけは愛した化物かの物語」
と、あとがきで書かれていました。

なんでもない最後の消しゴムの描写を、どう捉えるかで180度変わってくるのですよ。おまじないを信じていた恋する乙女だったのか、それとも最初のイジメから景が仕組んでいたことだったのか。
上手いなあ〜!
この作者さんの作品、もっと読んでみようと思います。

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