『東京藝大仏さま研究室/樹原アンミツ』を読んで
東京藝大のイメージは天才とか奇抜とか変態(←褒めてる)とかワクワクしてしまう凡人の私。
このタイトルの字面だけで、もう面白そうで惹かれてしまうんですけど、予想以上に面白かった!
通称「仏さま研究室」の正式名称は「東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室」なんと31文字!
ここ、実在するらしいです。
修士過程2年目、修了制作として「仏像模刻」に取り組む4人、まひる、シゲ、アイリ、ソウスケのお話し。
模刻とは実在する仏像を当時の技術通りに出来るだけ同じ素材でそっくりに模写して作るということ。
困難だらけです。まず、お寺が簡単には許可してくれない。3Dレーザースキャニングなんて言葉だけで拒否反応を起こすお年寄りの檀家さんたちの反対もありますしね。私の仕事の中でもアップロードとかURLとか言っただけで戦闘体制に入るお客様もいますから、わかるわぁ〜。
その後も、素材調達の問題、技術の問題、こだわりの問題。そんな中でも恋愛があり、親との確執があり、進路の迷いがあり、葛藤しつつも頑張っている姿にグッときます。まさしく青春✨✨
4人の後輩である珍念くんが仏さま研究室に入ったきっかけが意表をついててニヤリとしましたけど、なるほどね〜ってとこもありますねぇ←何言ってる全然わからないと思うので読んで確かめてください。
彼らを見守る教授達や親、模刻を通じて知り合った人々も素敵な方ばかりで気持ちの良い読み心地でした。