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呪術廻戦 感想まとめ

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呪術廻戦の感想記事のまとめです。大幅加筆修正版は有料マガジン「瞼の裏で覚えてる」「瞳の奥に眠らせて」から読めます。
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2020年11月の記事一覧

夏油傑の差別感情の話

※単行本13巻までの情報で書いている自分用メモ ※割とデリケートな話題を含みます。差別を肯定する意図はありません。個人の感想です。書いている人間はそういう方向の研究をしていたので、そういう方向に偏っているのはご容赦ください。 『呪術廻戦』はけっこう丁寧に時代を描写しているな、と感じる瞬間がある。 わかりやすい例だと、スマホとガラケー。言うまでもないことだけど、小道具としてはとても大切な要素だ。 (夏油がスライド式ケータイを持っていたことにとてつもない懐かしさを覚えました。友

虎杖と伏黒の「手の届く範囲」について

※単行本13巻までの情報で書いている。思い立ったら加筆修正します ※アニメ派には一部ネタバレだよ! 虎杖も伏黒も、すべての人を救えるわけではないことを弁えている。ただ、その区切り方が違う。 虎杖は自分の手の届く範囲で命を選別しないで救おうとするのに対し、伏黒は更に命の価値に順位をつけて上位(自分が善人と定義した人)を救おうとする。 虎杖の「手の届く範囲」「誰もかもを救うことはできない」のを最初から理解している主人公はとても珍しい気がする。もちろんこれはごく当たり前のことで

五条悟と夏油傑の「青春」の話

※単行本1~13巻と0巻までの情報で書いている自分用メモ ※大幅加筆修正版は以下にあります(有料記事ですが最後まで読めます)。 五条と夏油、二人の決裂は、互いの青春の定義がすれ違っていたのも原因なのではないかと思う。 五条は青春というものに強いこだわりがあって、「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ。何人たりともね」と序盤で言う。いい教師だなーと(ここだけ見れば)思います。 翻って、本人の青春はどうだったのか。 まあ、惨憺たる有様ですね。唯一の親友と呼んだ夏