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春の畑仕事は忙しい

あっという間に4月。
一雨ふるごとに植物たちの生育は目まぐるしく、ついていくのがやっとで、やることは増えるばかり。
花は咲き乱れ、甘い匂いは虫たちを誘う。
それを狙って蜘蛛やカエル、トカゲたちも元気に動き回り始めたよう。

春が忙しいのはもちろんわかっていたこと。農民に休みはなく、自然は待ってくれない。
ついつい朝から晩まで作業をしてしまうけれど、忘れないようにしている教えがある。

師匠の教えてくれたこと

それは無理をしないということである。

当たり前のようだがこれがなかなか難しい。
種まきや草整理、野菜の生育を観察することもこの時期の大切な仕事だから、畑にいる時間が長くなる。
農業、特に自然農を志す方の中には、自分の限界を超えて体を壊す方も少なくないという。なぜなら現代農業の中でも効率化、合理化に逆らうようなスタイルだから。

でも、それは慣行のやり方から見た場合の話で、要は自分の限界を見誤らないことが全てであると思う。うーん、これもまた難しい。

作業する時に気をつけること

僕の場合は、楽しいと感じるならいくらでも作業をする。集中して楽しい作業をすると気がつけばやるべきことは終わっている。逆に、考え事をしていたり、しんどいなと感じたりしている時は作業時間が長くなるし、いつもより疲れることが多い気がする。

とは言え、ベストコンディションではない日の草整理などは少し気が重い。やりたくないけどやらないと、と自分を奮い立たせることもしばしばだ。
そんな時は、虫たちの活動を観察するようにしている。

虫たちの活動に視る畑仕事の真髄

彼らは淡々と動き続けている。それは無駄のない、しなやかで美しい躍動。
やるべきことを黙々とこなしていくその動きを見ているとやる気が湧いてくる。
繰り返し繰り返し、ただ今に集中しているように見える彼らの活動に感動と興奮とをおぼえ、自分もやるべきことが見えてくるのだ。


春の日差しが背中をジリジリと温める。
僕は、たくさんの畑仕事のエリートたちに混じって、今日も明日も明後日も、淡々と畑に向き合う農民でありたいと思う。

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