一番を贈るね

一目見て食べたいと思った宝石のようなケーキ。でもそれは、季節のフルーツをふんだんに使ったもので、メニューの中で一番高価。

「お決まりですか?」

店員さんが注文を取りに来た時には、迷ったふりをしながらも心は自ずと”いつもの方向”に走り出していて、価格帯の中間以下に位置するチーズケーキやプリンをお願いしてしまう。

これが、あなただよね。

あなたはずっとこうだった。

35歳の記念に買ったダイヤのピアスも、本当はもう一回り大きなものにしたかったし、そっちの方が明らかに似合っていたのに、選ばなかったね。

「一番欲しいもの」に釣り合う程の価値が自分にはないと思い込んでる。

だから、それを与えない。代わりのもので我慢させておく。

どうしてなんだろうね?

ぼんやりと思い当たる節は浮かぶけれど、言葉にできるほどにはハッキリしない。

来年はそこを掘り下げさせてね。こそばゆくて、時々苦しいかもしれないけれど。

もっと、あなたが一番に欲しいものを与えたいの。あなたにはその価値があると知ってほしいの。

と言っても、無職の自分には贅沢はできないけれど、本当に欲しいんだ!と心の食指が動いた時には、「そこそこ安くて二番目に好きだと思い込めそうなそうなもの」を代わりにさせるなんて、もうしないつもり。

自分の事がもっと好きになれそうなものを見つけたら、どんどん与えていくよ。だからお願い、ついてきてね。恐れないでね。

私はあなたを好きになりたい。大事にしたい。じゃないと、人にもそうできないから。


2020年、お疲れさまでした。苦しんだね。でも、頑張ったね。来年はもっと笑わせてあげるからね。楽させてあげるよ。

同じような癖を心に持った方もね、一人じゃないよ。その苦しさ、手に取るように分かるよ。2021年は、ちょっとずつ、自分を愛していこうね。

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