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プレゼンテーション講座Ⅴ[トーク編]

〇芸者・話者としてのスキル〇

講座Ⅳまでで、プレゼンテーションの下準備はほぼ完了です。

最後に求められるのは、芸者・話者としてのスキルです。

実際にオーディエンスの前に出て話すというそれ自体にスキルが必要になります。

〇プレゼンテーションは、話者が10割〇

ここまでしっかりとスライドづくりに勤しんできて頂いたのにこのようなことを申し上げるのは恐縮ですが、しかしはっきりいって、PowerPointはおまけです。

最も重要なのは、話し手であるあなた自身です。

あなたが

◇どんな内容を話すの

◇どんなジェスチャーを交えて話すのか

◇どんな雰囲気で話すのか

◇ユーモアも交えて話すことができるのか

これが、結果的にプレゼンテーションの成功・失敗のほとんどを決めてしまいます。

〇だから、極論を言えば……〇

ですから、極論を言えば、スライド作りの過程までで、話す内容をきちんと理解していれば、よいPresenterは、PowerPointなしても、よいプレゼンができて当然なのです。

ここからは、そんなよい話し手になる方法をトレーニング方法という形でご紹介します。

〇スライドなしで話す〇

まずは、PowerPointの補助を外して話してみましょう。

何回か話して、できるようになる場合もあれば、どうにもうまく説明できない部分が残る場合もあります。

この、どうにもうまく説明できない部分を見つけることが、ここでの目的の1つです。

スライドがあるとなんとなく誤魔化せてしまう部分も、口だけで頑張ってみると、「クリアカットに説明できない」ことが明瞭になります。

さて、かなりの数プレゼンテーションをするお手伝いをしてきて気付いたことですが、「うまく説明できない残った部分」の正体は、実は話し手自身もよく分かっていない部分であることが多いのです。

ここが見つかれば、対応は2つです。

対応1:きちんと調べ直す、考えなおす。そして、きちんと理解する。

対応2:そもそも、その部分の流れ自体がおかしい場合は、ストーリーを修正する。

簡単に言えば、自分が分かっていないのが真の原因なら、理解を深め、ストーリーがおかしいことが真の原因なら、それを修正するということですね。

〇身振り手振り(ジェスチャー)を追加する〇

こればっかりは、やってみるしかないのですが……。

でも、方法がないわけではありません。

まず、プレゼンを練習する間、自分の両方の掌が、目の前の机、そして、自分の太ももに触れないようにしましょう。

すると、やり場を失った手は、”仕方なく”プレゼンに合ったジェスチャーをすべく動き出します。

この動きを妨げないように、マイクを持たずに練習するのもポイントかもしれません。

と言いつつ、いくつか例も出しましょう。

Body3型のストーリーであれば、理由を1つずつ述べる際に、指を一本、二本、三本と立てるところから始めてみてはどうでしょうか?

賛成-反対型のストーリーであれば、反対意見を述べる際には聴衆から見て左側に、賛成意見を述べる際には聴衆側から見て右側に立つようにして、賛否と立ち位置を対応させてみてはどうでしょうか?

バックキャスティング型のストーリーであれば、そこには1人の人間の物語が表現されていますから、その人になったつもりで、動作から感情(悩みや喜び)まで表現してみてはどうでしょうか?

〇自分にあった芸能人・Youtuber等を見つける〇

お笑いだったり、Youtubeを見ることは、実はこのトーク編において、きわめて大切だったりします。

だって彼ら彼女らは、”面白い”を提供するために命をかけているわけですから、参考にならないはずがありません。

ちなみに私のしゃべりは、落語家であらせられた歌丸師匠、ダウンタウンの松本人志師匠、水曜どうでしょうの大泉洋師匠(実際、みなさんを勝手に師匠と思い込んでいるので、師匠とつけさせて頂きます。失礼にあたらないといいのですが)を参考にさせて頂いている部分がかなりあります。

みなさんも、自分に合った、面白いおしゃべりをする方を参考にされるとよいのではないかと思うのです。

〇あなたのキャラに、あわせて話す〇 

と、ここまでつらつらと話してきたわけですが、最後に1点大切なことを。

プレゼンを作る際の原則(文字を減らせ!に続いて)と言ってもいいでしょう。

あなたのキャラクターに合わせてください。

それは、話し方もそうですし、スライドの作り方もそうですし、ストーリーもアイディアもです。

発明家としても、小説家としても、芸術家としても、話者・芸者としても、そのベースにはあなたの個性・Characterがあります。

つまり、Aさんが行った素晴らしいプレゼンをBさんが完全にコピーしても、AさんとBさんのキャラが異なる以上、素晴らしいプレゼンにならない場合がよくあるということです。

先ほど挙げた3人の師匠は、私だから師匠だっただけで、おそらく皆さん一人一人、別の人が師匠になるはずなのです。

私がプレゼンテーションをお教えする場合に最も気を付けていることも、その人のキャラに合わせるということです(あえて私が苦手な方法をお教えしないといけない場合もあって大変ですが……)。

あなたという人間だけは、根本を変えようがないのですから、ぜひともあなたに合った、プレゼンテーションを探して頂ければ幸いです。

〇最後に……〇

さて、この後も少々特別講座がありますが、初回のプレゼンテーション講座は、これにて終講となります。かなり長かったと思いますが(一万字超えてんじゃねぇか?)お付き合い頂けたなら本当にありがとうございました。

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