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悩める30代、どう生きる?人生最大のキャリア不安期の乗り越え方【セミナーレポート】

mentoは「悩める30代、どう生きるか。人生最大のキャリア不安期の乗り越え方」をテーマとしたセミナーをオンラインで開催しました。株式会社ウゴクCOO丹下の進行のもと、mento登録コーチである星山芳実さん、浅井彩織さん、村上卓さんをゲストに迎え、20代後半から30代前半のキャリア不安の正体や、その乗り越え方についてお話しました。(ゲストのプロフィールはこちら)本記事ではその内容をお伝えします。

多くの20代後半〜30代前半の人が経験する「人生最大の幸福低迷期」

今回のセミナーは、チャットを活用して参加者の声も交えながら進行されました。冒頭では「今回のセミナーに参加した理由」を質問で投げかけると「仕事に慣れてきてそこそこやっているけれど、このままでいいのか不安があります」「30代目前でまさにキャリアに悩んでいます」などの声が挙がってきました。

丹下「参加者の方から声が上がったような、人生のモヤモヤや不安を感じる時期は『クォーターライフクライシス』と呼ばれており、特に20代後半〜30代前半の多くの人に起こることです。『人生最大の幸福低迷期』ともいわれています。

例えば、30代前後のタイミングで理想としていた自分になれていないことに気づいたり、正しいキャリアを歩めているんだろうかと不安を感じたり、周囲の成功や出世が目立ち自分は何をやっているんだろう…ともやもやしたり、『早く大丈夫な自分になりたい』と、幸せへの焦りが高まります

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mentoのコーチである星山さんと村上さんから、ご自身のクォーターライフクライシスの経験をお話しいただきました。

現在37歳の星山さんは、新卒で航空会社に入社、その後20代後半でリクルートの営業に転職。30歳のときに育休や産休で時間ができ、自分の今までのキャリアとじっくり向き合うと、不安を感じたと話します。

星山「リクルートへの転職前は、自分自身への根拠のない自信があったんです。ですが、入社してみると、優秀な方がとても多くて着いていくのに精一杯。帰宅してお風呂にはいるのもしんどいくらいでした。その後、産休・育休のときにそれまでのキャリアを振り返ると、うまくいかなかったことやここで働いている理由について悩んだり、今後子どもを抱えながらも働いていけるのか不安になったりしていました」

村上さんは、20代で転職を考え始めた頃のことをお話いただきました。当時は、自分に対して自分自身が許可を出せていなかったそうです。

村上「夜遅くに会社から帰ってきたときに、月を見ながら『田舎からこんな都会にでてきて、なんで一人暮らししているんだっけ』と不思議な気持ちになっていました。なんとなくやりたいことがあったものの自信を持てず、行動できていなかったんです

クォーターライフクライシスで多くの人が経験する、キャリアのモヤモヤ。転職をしたくてもなかなか踏み出せない、思い切って転職をしてみたものの新たな壁にぶつかっているなど、さまざまなケースがあります。日本における転職は8割が「不満ベース」(※1)というデータもありますが「現状の環境から決別することだけが選択肢ではない」と話します。

※1 中原淳/小林祐児,『働くみんなの必修講義 転職学 人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは』,2021

丹下「とにかく環境を変えることを焦り、“清水寺の舞台から飛び降りる”ようなキャリアチェンジは、結果的に良い場合もありますが、リスクが伴う場合もあります。日本には99業界、421万企業、7万職種あると言われています。そんな中、一発一中で自分にぴったりの仕事や環境を見つけることは簡単なことではありません」

ゲストの浅井さんは「まさに私の転職はこれでした」と、ご自身の転職当時の状況をお話いただきました。

浅井「20代のうちにもう一回転職をしておかねばと、30歳手前で2回目の転職をしました。まさに『やりたいことがある』という思いではなく『とにかく環境を抜け出さなきゃ』という動機でした。結果的には現在もその会社で3年ほど楽しく働いていますが、入社して半年間くらいは『どこに向かっているか分からない』『何がやりたいのか分からない』という状態で本当に辛く、成果も出てませんでしたね」

キャリアを「客観指標」と「主観指標」で分けて考える

「クォーターライフクライシス」による不安に駆られた転職は、転職後にも辛い状況になる可能性もあります。そのような状況が起こる可能性を少しでも減らすためにはどのようなことを考える必要があるのでしょうか。

丹下「キャリアには市場が決める『客観的な指標』と自分自身が決める『主観的な指標』があります。客観指標は市場によって決まるため比較的分かりやすい一方、主観指標は自分が決めるものであるため、人それぞれ異なります。どのような価値観を大切にしたいのか、どのような働き方が幸せなのか、といった自分が大切にしていることや価値観にあたります。まずは、これらを分けて考えることが大切だと考えています」

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医師の例を用いて、具体的に説明しました。

丹下「表面上見えているのは、知識や経験、『専門病院で働く10年目の医師』という一部分。これは客観的指標にあたります。主観的指標は、水面下の見えていない部分、例えば自分はどんな人間なのか、どんなモチベーションがあるのかなど、その人を形成する土台です。

同じ『専門病院で働く10年目の医師』であっても、挑戦的な性格でエキスパートでありたい医師と、患者さんに寄り添って地域との繋がりを大事にしたい医師では、幸せの形はそれぞれ異なりますよね。そのように、なりたい職種だけではなく、何を大切にしたいのか、によって、働く企業も変わってくると思います」

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コーチングで見つけた不安の根源と小さなアクション

第二部では、ゲストそれぞれがどのように主観指標と向き合い、クォーターライフクライシスを乗り越えてきたのか、パネルトークが行われました。

自信を失っていた星山さんは、コーチングで自分のこれまでのキャリアに向き合い、全てが無駄なわけではなかったこと、できないことばかりでなくできたこともあることを客観的な視点で振り返ることができたそうです。また、自身のやりたいことに向き合い、コーチになりたいという夢を叶えることができました。

星山「人の成長を応援することに対して興味があったので、コーチになりたいと思っていたものの、周りからの見え方を気にしてしまい、動けていなかったんです。コーチングで、動けていないのは自分自身の思いや行動を自分が抑圧(メンタルブロック)していたことに気づきました。なので、『まずはこれを調べてみる』『この記事を読んでみる』とか小さな小さなアクションを起こしていきました」

村上さんは、大きな変化があったのは人材開発の会社で働いていたとき。自分のやりたい仕事で満足できたときに言われたコーチの一言が大きなきっかけになったと話します。

村上「コーチをしている友人に『こういう仕事だけやっていけたらいいのに』と言ったら『やりたいこと以外やっちゃダメだ』と言われたんです。やりたいことだけやるなんて無理だと考えていたので、とても驚きました。

ですが、この言葉を聞いてから、やりたいことだけをやることを考えてみたんです。会社を辞めて独立する選択肢が浮かんだのですが、30歳で独立するなんて実績もスキルも足りていないし…と不安が強くなりました。

マイコーチにその話をすると『本当に恐れていることって何?』『心配だけではなく、何があなたのセーフティネットになる?』と問いかけられたんです。そこで出てきたのは『自信をなくして田舎に帰って、引きこもってしまう自分への恐れ』、一方で『そんな自分のもとに“大丈夫?”と会いにきてくれる人もいるだろうな』という気づきでした」

コーチングを重ねる中で、どんな仕事をしても死ぬことはない、孤独になったりすることはないと、独立を決意します。「とにかく“大丈夫”な自分になりたい」という焦りが強まるクォーターライフクライシスについて、村上さんは最後にこう話しました。

村上「僕にとっては『こういうスキルがあるから大丈夫』という状態を目指すのではなく『失敗しても大丈夫な自分になる』ということが重要なことでした。実際に、独立した後に実家に帰ったこともありましたが、失敗しても立ち上がる経験をしたことで『自分は立ち上がれる』という自信にもつながりました」

参加者からのアンケートでは、mento登録コーチ3人の体験に共感したという声や、自分だけではなく多くの人が悩んでいることがわかり安心したという声が多く寄せられました。

「クォーターライフクライシスが誰にでも起こること・焦ってとにかく抜け出す前にできることがあると知れたことが非常に良かったです」
「チャットを活用することで同じような悩みを持つ人が沢山いたことに、気づくことができました!また、話の途中でも質問に答えていただき、大変ありがたかったです!内省なかなか出来ないので頂いたアドバイスを元に頑張ってみます!」
「同じ悩みを感じている人が多くいて、とてもほっとしました。ゲストの方々の乗り越え方も参考にしたいです」

30代のキャリアデザインに特化した「mento for 30s career」

mentoでは現在セミナー内で紹介した「クォーターライフクライシス」の時期に当てはまる20代後半〜30代前半を対象にした「mento for 30s career 」を提供しています。3ヶ月の短期集中オリジナルコーチングプログラムで、後悔しないキャリアをデザインをするための自己理解と行動変容のサポートを行います。

無料カウンセリングを受け付けていますので、コーチングやプログラムについて興味のある方は下記から詳細をご覧ください。

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