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[音楽紹介]Anarchus - Vals of Hate(2003年)

メキシコのカルト・グラインドコアバンドによる2003年リリースの初期音源集。CDの裏ジャケットを見るに、メキシコのGOATSUCKER RECORDSとCRIPTAS RECORDSの共同リリース、バンドの15周年を記念しての企画盤のようです。ブックレットはすべて母国語なので内容はさっぱりわかりません。

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音楽性はスラッシュメタルと初期グラインドコアの橋渡しのようなオールドスクールグラインド。ギターリフは若干デスメタル風味。
こうして要素だけ抽出すると伝説的グラインドコアバンドRepulsionのデモ音源を思い出す感じですが、聴いてみると印象は結構違います。(Repulsionのデモ音源はHorrifiedの2枚組再発盤で聞けます)
Anarchusは縊死寸前の鶏みたいなヘンテコボーカルや、めちゃくちゃラフで勢い任せな演奏がとにかく耳に残るのです。

tr.1-4は1stデモ「Total Hate」のリ・レコーディング。元バージョンは音質も演奏もヤバすぎる(悪口です)ことで一部ウェブサイトでは昔からいじられネタにされていました。


とにかく下の動画から1stデモ聴いてみて下さい。ただでさえ全体的にひどいのに、トドメに披露されるバグったフラメンコみたいなギターソロが最高すぎて爆笑間違いなしです。


しかし、今回の再録で音質も演奏力も大幅に向上(元がひどすぎるだけですが)。ちょっとリズムが危なっかしいところはありますが、暴走気味に突っ走りヘンテコなボーカルが喚き散らすグラインドコアはインパクト抜群。Total Hateから4曲選ばれていますが、どれも抜群の爽快感です。


他の音源は過去のデモ盤、スプリット盤(自サイドのみ)、ライブ盤からの再録。それぞれ音質や演奏技術の差こそあれど、流石に1stデモ寄りはかなりマシなので聞き苦しさは特に無く、どれも最高の猪突猛進グラインドコア。
なんならtr.12-14はデモ音源ですが、ラフな音質のおかげでむしろ攻撃性は増しています。どの曲にも言える傾向ですね。
かっちりとしたグラインドコアが好きな人にとっては紛れもなくゴミでしょうが、ガシャガシャしたハードコア/グラインドコアが好きな人ならきっと気にいるはず。

お気に入りの曲は1stDEMOの汚名返上叶ったtr.1、ドゥーミーなフレーズもはさみながらクラストコアっぽいリフで爆走するtr.9の前半、単純にリフが個性的でめっちゃかっこいいtr.11、不安定なリズムと極端な緩急でリスナーを振り回しまくるtr.13、バカバカしいまでに勢いだけのギターソロが最高すぎるtr.19あたりでしょうか。

動画はtr.1。上の動画の12:20あたりからの曲と同じです。信じられます?



【Track list】
1. Vomit in the Church (part II) 02:07
2. Leaver Collapsed (Cirrosis II) 00:57
3. Only Death Is Real (Part II) 01:30
4. Dead Messiah (Part III) 02:54
5. Labyrinth 03:06
6. First Casualties 02:32
7. Conditioned 00:43
8. Global Slavery 02:13
9. The Truth / Factory of Lies 04:06
10. Face of a Lier 00:25
11. Going to Angka Loeu 02:53
12. Canonized 01:27
13. The Entity in the Room 01:54
14. Supreme Creation 01:14
15. Pedigree (live) 02:17
16. Beyond Good and Evil / 500 Years of Infamy (live) 05:28
17. Flowers to the Pigs (live) 02:12
18. Jesus Christ (live) 02:06
19. Final Fall of the Gods (live) 02:35
20. Ishavet Kaller (live) 02:32
21. Antichrist (Sepultura cover) (live) 02:21
22. Sodomy and Lust (Sodom cover) (live) 03:35
23. Conqueror (Sodom cover) 02:39
24. Horrified (Repulsion cover) 02:12

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