真夏の空想
日差しがジリジリ肌を焼く
伝う汗を風が乾かす
人差し指で壊された
瞬き一つで変えれるなら良かったのにな
無駄な空想だ
草臥れた鎧を脱ぎ捨てた
最終回 追いついたってもう遅いよ
ふわり前髪が浮いて見えた視界
冷たいフェンスに手をかけ息を呑む
指先がやけに眩しくて目を細めた
夏が始まる
蜃気楼揺れる街を背に空を仰ぐ
凶器を手に陳列する悪魔に
差し出す両手 奪われる声
良かったのにな
だってそれは淘汰
ゆらり世界が傾いて落ちた視界
冷たいフェンスを離した
心臓はやけに大人しくて安心した
夏を終わる
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?