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1917 命をかけた伝令 / 1917

お久しぶりです!

もう年も明け、2020年初の投稿です。『ヘルレイザー3』の鑑賞後、3作品ほど鑑賞していたのですが、別件で忙しくなり文字に書き起こすことが難しくなり、今に至ります。別件も落ち着いたので、以前同様また映画のレポのようなものを書き連ねていきたいと思います!


今回は『1917 命をかけた伝令』です。

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この作品は『ジョーカー』を観に行ったときに予告で流れていて、その時に面白そうだなと思ってfilmarksでクリップしていました。そのときはまだこの作品について良くは知らなかったので映画館で観ようかまでは決めていませんでした。ですが、ツイッターやら観ていた時に興味深いツイートに目が良き、そしてアカデミー賞も何部門か受賞していたので、公開初日に鑑賞しに行きました!

平日でバレンタインということもあり(いやそれは関係ないな)あまり人はいませんでしたが、観なかった人は損ですよ。すぐ観に行って下さい。

そういうのは置いといて、さっそく感想のようなものに移りたいと思います。


感想としては、こんなにずっと緊張のする映画は初めてだ。と思いました。戦争というものを扱っている分、緊張が増すのでしょうが、何といってもあのカメラワークに音。すべてを超越し相まってあのような緊張感が生まれているのだと思いました。


話題になっていたのは"ワンカット"でしょう。最初から最後までカメラを止めずにとは違うとは思いますが、やはり見ごたえのあるものでした。以前に自分は『バードマン』という映画も観ていました。

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こちらもアカデミー撮影賞を受賞していましたが、そちらと似たような印象で、ワンカットで撮影したシーン同士を計算されつくしたカメラワークで繋ぎ合わせているようでした。ブラックアウトや、なめらかに物撮りに移り、そしてその物が画面いっぱい埋め尽くし物が画面から無くなるとうまく次のワンカットへ編集で繋ぎ合わせているような。

やはりさすがに一発本番は難しいところがあるか…と。あくまでもワンカット"風"。これは批判では無いです。

ワンカットだからこそ、より一層画面に映るもの、役者やエキストラの表情は重く、裏方であるスタッフの息遣いさえも聞こえてきそうなほどで、彼らの緊張が画面に表れ、鑑賞者の胸にも同じように緊張が付きまとい、過去に類を見ない緊張感のある映画になっていたと思います。

それだけでなく、先述したように計算されつくしたカメラワークだからこそ、カメラの捕らえていた画面は魅力的で興味深く、おしゃれでした(こんな風に言って良いのか分かりませんが…)。

計算するということはある意味デザインですからね…。ちなみに好きだなあと思ったのは序盤の方の、前線へと向かうなか、金網?の隙間をみつけ、池のようなところを迂回していくところです。(頭には画が凄い浮かんでいるんですけどね、うまく伝わったかな…?)


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本編が始まったからかなり上の画像のような背景(場所)が続き、不安というものはあまりなかったのですが、いざ無人地帯へ行くとなりトムとウィルが垣をのぼり、何もないまっさらな土地が広がったのには恐怖しか感じられなくなり、緊張は増大しました。何もない、身を隠せられないって怖いんだなと思いましたね。

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言い様に言えば、まっさらな、地平線が広がる地面というのは争いあった象徴といえばいいのか、むしろ血をながす争いの痕跡なのか、うまい言葉が見つかりませんが、過去の惨劇というものを人は勝手につなげてしまうなと。

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「メダル(勲章)はブリキ」

戦争に出向くということは、死と近くなるわけで、生きていられるか、死ぬか分からない瀬戸際に常にいる中、だったら楽しんだもん勝ちだろう、とワインとメダルを交換してしまったウィル。でもそうだと思う。いくら誰かから称賛されたって、その誰かの中に居座り続けることはできるとは限らない。流れの止まない時間の残酷さが垣間見れるシーンもいくつかあった。


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「嫌な予感がする」

こういうのって謎に的中してしまうよな…。なんでなんでしょうか…。もうフラグ立てないでくれェッと、ぶち壊れそうな心臓を胸に終始観ていました。敵?を助けたのにその先にあったのは自らの死。世の中甘くないというか、それだけ愛国心があったのか、敵のパイロットがトムの腹部を刺し、のちに二人は亡くなってしまうというあまりにも疾走感のありすぎたこのシーンはもうやばかった…(語彙力)。

トムの顔が青白く、生気の感じられない顔にはびっくりしました。みるみるうちに白くなり、元から白かったんだっけ?一瞬のうちにメークさんがメークした??なんだ!?ともなりました。

一度死にかけたウィル、ウィルの命の恩人となったトム。戦死とも言い難いトムの最期はもう……。


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ここのシーンは妙に不気味で、でも綺麗でした。闇が訪れたのにも関わらず、妙に照らされる街並み。半壊した建物の影は黒くはっきりとしていて、不思議な、不気味な雰囲気が照明なのか、どうなのかは分かりませんが生み出されていました。光って安心するもののはずなのに、ここでは全く逆に感じられてしまうのは、やはり戦時中だからか…。


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泣かないだろうなと、常に緊張を胸に持ちながら観ていました、が、ここで泣きました。

第一波はすでに行ったあと。そして数秒後には第二波が行く。作戦中止の伝令はまだ届けられていない。このままでは1600人が命を落としてしまう。上からの指示で動いていた自分、爆撃の中後ろを顧みず走るウィルの姿は、言葉にできない感情がこみ上げてきました。


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こちらとしては、いいから早く作戦中止にしろや!!!!!!っと張り裂けてしまいそうな心臓を抱え、でもここでベネディクト・カンバーバッチが!!!と複雑に交差しながらも無事伝令を伝え、ひとつの任務を終えることのできたウィル。でもどこか喪失感が見え隠れする表情。


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そしてここでも泣いた。お兄さん、生きててよかったッ…!


「無事に戻って」

ラストシーンで、ウィルの妻?の写真を見ながら木の下にもたれるウィルは何を思っていたのか。不思議と最初と最後が似たようなショットで、何かをにおわせる…。



今まで観た映画の中で、1位2位を争うレベルに良い映画でした。終始感じていた緊張感は途切れることが無く、いい意味でもう一回は観れないなと思いながらエンドロールを眺めていると、日本人の名前を見つけられて少し心暖かくなりました。

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