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長崎{ば/?を}さるいてきました

連日のアドヴェントカレンダーのための記事投稿でほとほとくたびれた私でございまして、今朝も例によって不調も不調、まったくネタが浮かびませんでした。というか、語学のこととかテュルクの持ちネタとか、とっくに使い果たしてるんですよね。2年近くもこうやって雑文を書き続けてますと。

ということで、もうどうでもええわーと、半ば自暴自棄気味に長崎のほうに繰り出してきました。ふらふらと散歩がてら歩き回ることを長崎ことばでは「さるく」(私の実家がある地域だと、上の世代では「さらく」もよく聴きます)というのですが、まさにその「さるく」をやってきました、という話で今日は小休止の日とさせていただきたく存じます。

ちなみにトップ写真、「渡らんで」は「渡らないで」の意。「危なかよ」も「危ないよ」の地元的言い方というところです。

今日は実家よりおつかいを頼まれまして(それを口実に「さるき」に来たわけですね)、年末のお歳暮を近所や親戚筋に配るからというので、カステラの本家の本店のほうまでお邪魔して発注してきました。

語学ガチ勢(ワナビー)としては、本店のこの看板は気になるところですよね。なぜといって、右から左に書いてありますでしょう。屋名池誠先生の『横書き登場』(岩波新書、2003年)が頭に浮かびますね。

福砂屋本店が丸山、山の口という今の場所に移転した時期とこの右から左への横書きの時代関係がどうなっているのか。屋名池先生の新書、もう一度見直しておくことにしますね…。

交番を写真撮影していいのかどうかはわかりませんが、なんか雰囲気あるなあと思って撮影しておきました。経緯についてはあとで調べておきます(調べないパターン)。
なお今日はいちおう服を着て外に出ましたので、交番を横切っても特に何も言われませんでした。よかった。

ということで無事におつかいを済ませましたので、某有名カフェでお昼をいただいた後、腹ごなしに東山手地区のあたりを少し歩いて帰ってきました。

これが有名な長崎の「ガ/ノ」交替現象の実例ですね。「長崎はうまかもん『が』」ではなく、ここに『の』が来るのが自然だという。文末の「ばい」は共通語だと「よ」にほぼ近い(たぶん。誰かちゃんと記述している人はいると思います)。次の文の「うまか」は「うまい(おいしい)」の意味なのですが、いわゆるイ形容詞もナ形容詞も、「~か」になるのが従来の長崎方言。

ということで、長崎ことばではカ形容詞で一本化できる…と思いきや、若い世代のことばを最近観察しておりますと、結構イ形容詞が勢力を大きくしつつあるような気がします。九州のほかの地域でもすでにそういった現象が報告されているのだそうですが、さて今後はどうなっていくでしょうか。

その他、「やっぱり」が「やっぱ」になるのも長崎ことばの特徴一つ、それとタイトルでも示唆しましたが、「ビッグパフェ」ヲ格が「バ」で具現化されるのもまさにそれ、というところです。

あと気づきにくいポイントですが、「食わんばやろ~」のところ、「食わんば」は「食べなければ」という動詞の仮定形ですね。この仮定形に「やろ(~)」という付属語(たぶん付属語)が接続するというのも面白い…

という話を以前黒木さんがしていたようなしていなかったような(私もその時酔っぱらっていたかもしれないので、記憶はあいまいです)。

とりあえず今日はその「パフェ」は食べませんでした(あげんダイエットに悪かごたんもんは、もう食べきらんごたんですけんね!)が、別のものを注文いたしまして、あとは腹ごなしにふらふらと東山手通りあたりに向かってみました。

くんちの龍踊(じゃおどり)も奉納踊りもどげんなっでしょうね~?もう諏訪神社ではせんでもよかごとなりよんごたんですけんね~。

こちらは…「なんばんえびす」だそうです。1977年に立てられたそうで、ということはワイと同い年だな…?

東山手通り界隈というのは、大浦地区といってかつて長崎港が栄華をきわめていたころ、外国人が多く居留していたエリアということで名残がたくさん残っています。

ロシア関係の跡地もたくさん残っています。写真は東山手地区だけにとどまらず、長崎港まわり一帯にロシア旧蹟が点在していますよ、と説明しているガイドの看板を写したものです。

往年の長崎港近辺、きっと楽しかったでしょうね…。
外国語の勉強もきっとはかどったに違いない…それこそその時代にもし外大があったなら、学生がこぞって長崎に「国内留学」みたいにしてきていたかもしれないと想像すると、なかなか面白いものがあります(あるのか?)

ただ、テュルクの名残はやはりないからなあ…その時代に自分が長崎にいたなら、どうしていたでしょうね。テュルクを求めて長崎から密航かなんかしてユーラシア大陸を目指していたか、あるいは全然関係ない語学に走ったか…

いや、そんなよい身分じゃなかった可能性が高いか…ハァー…はよ帰ってあるじの遊び相手とアゼルバイジャン語の仕事しよ…

などと言いながら、とぼとぼと帰ってきたのでありました。

とりあえず、よか気分転換になったごたる。
明日からまたまじめに書きますけん。よかったら読みに来んですか。

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