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プロローグ:私とアンカラ、そして私が再びアンカラに行くまでのなんやかんや(続)

2014年10月半ば、トルコから正式に招聘の書類が出た、との連絡が来ました。そうなると、当然のことながら一刻も早く渡航しなさい、と言われることになります。問題はここ。

そんなすぐに行けません。日本での生活を全部整理しなきゃいけない

これは実際、深刻な問題になりました。

一番きつかったのは、当時やっていた仕事を全部キャンセルしなければならないということ。全て短期のアルバイトのようなものであったらまだ用意だったろうと思うのですが、当時の私は学校等でいくつか授業を担当していたのです。

せめてこれらは、学期が終わるまで全うしたいと思ったのですが、現地からは当然の如く、「もう辞令が出ているから、一刻も早くここ(つまり、アンカラ)にいてもらわないとまずい」という催促が来ました。

学校からすれば、途中で教員が交代するのは都合が悪いどころではありません。さすがの自分でもそれくらいはわかることです。ひとまず、各学校に事情を報告。正直に言えばこのやりとりで、相当人間関係、体力共にダメージを受けました。

トルコに行くのも楽じゃねーな、という感想でした。あちらの先生に当時の事情を説明して、思わず愚痴をこぼしてしまったのも今思えば失敗でしたよね…(我ながら、愚痴を言う先を間違っとる)

ともかく、11月は大阪を引き払う手続きで駆け回っていました。各所にも大阪を辞する挨拶回り。この月に開催された学会などでも、ごくごく親しい人にだけ日本を離れます、と報告したりしました。

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箕面の滝にも行きました。当時、最寄りの紅葉スポットでしたが、これでここに来るのもひょっとしたら最後かもなー、とか。

大阪には、短期でアンカラに留学した2004年を除けば、18年ほど住んだという計算になります。自分の人格形成にも相当影響をおよぼしていると思われる地で、当然愛着はそれなりに。

そんな大阪からいったん全てを引き払うというのも、これまたなかなかの精神的な消耗です(わかってもらえるかどうか?)。本と貴重なものだけ実家のある長崎に送って、あとは処分、処分。一括で処分してくれる業者に依頼して、お金を払って全部持っていってもらった日は、とんでもない虚無感に襲われたものです。今でこそ懐かしく語れますが。

12月上旬、住んでいたアパートを引き払っていったん実家へ。

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(なぜこれを撮ったのか覚えていませんが、とにかくぜんぶ処分処分、と言っていました。段ボールに入ったものは実家へ、それ以外のものは全部現地で処分となったはずです。しかも業者さん、ブツをもらうくせしてお金とるんですよね。家財一式、なかなかの額だったと記憶しています)

長崎の実家に帰ったら、祖父母がえらく喜んでいたのは覚えています(もうちょっとしたらトルコに行くのに)。2週間弱の長崎でのわずかな時間を過ごしつつ、出国日は12月16日と決まりました。

同日夜に成田から直行でイスタンブル行き、翌17日の早朝にイスタンブル、(今はなき)アタテュルク 空港に到着。

そこからバスでアンカラに移動のつもりだったのですが、この選択が失敗でした。成田からイスタンブルの便では早朝4時過ぎに空港に到着するものですから、イスタンブルのバスターミナルまでの地下鉄がまだ走っていないということを事前に想像できなかったのです。とにかくシャトルバスを使って、タクシム(イスタンブル新市街のメインスポットの一つ)まで移動して、そのあたりにあるバス会社のオフィスに行けばなんとかなるだろうと思っていたのですが、言われてみれば早朝5時。バス会社のオフィス、開いてねーし

ともかくオフィスが開くのを待って、そこからセルヴィスという送迎ミニバスでバスターミナルに連れていってもらい、朝6時半くらいのアンカラ行きの便に乗ったと記憶しています。12月のトルコ、当然の如く寒かったという思い出です。しょっぱなから思った通りにいかんもんで(それ自体は慣れていたので別によかったんですけど。トルコは往々にして、最初思った通りの展開になりにくい)。厳しい船出だよ。

それまでトルコに来た時に何度も乗っていた、都市間の長距離バスから外の景色を眺めつつ、「うわー本当に来てしまったな」と感慨に浸りつつ、大学にスーツケースを抱えたままバスターミナルからタクシーで直行です。到着したらすぐに事務のほうに呼ばれて契約書にサイン。その日のうちに着任となりました。

とまあ、前置きが長くなりましたが。

本題のアンカラ生活が、この日(2014年12月17日)からようやく始まりました。初日、同僚となる先生たちに夕食に誘っていただいて、宿についての感想はただ一言。

ちなみにTwitterでは、まだこの時期は着任したことは明言していなかったと思います。

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