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第107回薬剤師国家試験の所感とか成績推移とか勉強方法とか

国試おつかれさまでした!どんな結果であっても、過程に費やした活動の中身こそが大事なのだと個人的には思います。
この記事では国試ってこんな感じっていう所感と、成績の推移とか勉強についてとか諸々のことを分けて書いていこうと思います。

所感

来年以降受験される方にちょっとでも役立つかな?とおもってちょっと書いてみることにしました。あくまで自分の場合の話ですが、参考になれば…!

自分は自宅から40分くらいの会場での受験でした、なのでホテルには泊まっていません。ホテルの取り方などについてはたぶん他の人も書かれていると思うのでそちらで…!
前日はもうほぼオフにしたかったんですが、あまりにギリギリすぎて夏以来の106回の見直しをしてました。それでも23時くらいには布団に。でも眠れたのはたぶん日付回ってからです。

キャンパスへの向かい方は薬ゼミが親切にアップロードしてくれていたうえ、途中から案内員の方が沢山いたりしてすんなり行くことが出来ました。なので迷いそう!っていう人もそんなに心配いらないと思います…!

ご時世柄検温があったのですが、集合30分前でもそんなに並ぶことなくあっさり通過。ただ、9:30開始といっても8:50から監督者が作業を始め、もう座ってないといけない雰囲気になります(実際にノートなどに触れなくなるのは9:00からです)。なので朝見直ししたい!っていう人は早めに来るのがいいのかもしれません。

1日目(必須・理論1・理論2)も2日目(実践1・実践2・実践3)も時間割は3つに分かれてますが、両日とも開始の30分前、25分前、20分前にそれぞれ集合して説明を受ける、という感じです。待機時間で"無"の時間が長かったらどうしよう…って国試前から思ってたんですが、実際は説明が丁寧かつ長いので素直に聞いてたら5分弱くらいしか空き時間はなかったです。
一方これがあるせいで休憩時間は初日が65分と30分、2日目が60分と30分しかないので、直前に詰めたい人はこの時間で出来ることを考えていった方がいいと思います。
あと説明の前に顔の確認をされます。受験申請する時の顔写真はこの時に使われるので、別にスーツじゃなくてもいいです。というか私服の方がいいと思います。

それから机には謎の封筒が置いてあるんですが、これは説明中に受験番号だけ書いてスマホを封印するように言われます。じゃあiPadとかはどうするの、って感じだと思うんですが、大きいのは普通に鞄にしまえばいいらしいです…。
机の上はこれと受験票、鉛筆(and/or)シャーペン(これは会場によるらしいです)、消しゴムだけ置いて受験する感じになります。腕時計は置けないので、気になる人は事前に一回着けながらの演習をおすすめします。

解き終わった後の途中退室ですが、開始1時間後~終了15分前であればいつでも可能です。ただ問題用紙をこの間に持ち出すことはできないので、ちょっとだけ手順がありました。
やり方としては問題用紙の表紙に受験番号と名前を書く→挙手して監督者に解き終わって退出する旨を言う→問題用紙と解答用紙を渡す→荷物持って外へ→終了時間に戻ってきて入口で待つ→監督者が出てくるときに受験票を見せて問題用紙を受け取る、という感じでした。
なので案外楽に出ることができます。休憩時間がそんな長くないので、リラックスするためにも解答個数チェック→マークミスチェックを終えたら退室して一息つくのもおすすめです。
というのも、国試では「いかにミスを減らすか、いかにいいパフォーマンスで受けられるか」が最終的には得点において一番大事になってくるな…と最後の1週間くらいでつくづく思いました。なので途中退室できるかは別としても、どこかで一息つく時間をしっかり作っておくことをお勧めします。

あとは1日目も2日目もやることは同じです。ただ1日目が解く問題数的にも、その内容が実践のように1題2問じゃないことからも非常に疲れるので、2日目の体力を確保することがとても大事になってきます。正直模試とは比べ物にならないほど疲れるので、1日目終わってから2日目開始までの時間については自分自身の体力を考えておいたほうがいいと思いました。
自分は薬ゼミの1日目振り返り動画を2倍速で見てすぐ寝たんですが、それでも2日目は目覚ましより先には起きれませんでした。結果も2日目はケアレスミスがかなり増えてしまったので、体力面から考えておくことは非常に大事だと思います。

成績とか

自己採点は以下の通りでした。
必須: 86/90 (薬剤13/15 病態13/15)
理論1: 44/60 (物理5/10 化学7/10 生物7/10 衛生15/20 法規10/10)
理論2: 36/45 (薬理13/15 薬剤10/15 病態13/15)
1日目計: 166/195
実践1: 42/50 (実務&物8/10 実務&化9/10 実務&生9/10 実務&衛生16/20)
実践2: 29/40 (実務&薬理17/20 実務&薬剤12/20)
実践3: 45/60 (実務&病態18/20 実務&法規16/20 実務単問11/20)
2日目計: 116/150
合計点: 282/345(81.7%)

1日目の出来が良かったので2日目もこの調子で行けるかなと思ったら、いつのまにか体力切れを起こしていたようで、後半はケアレスミスが目立ちました…。それでも最初に目標にしていた8割を突破できたことはよかったです。

成績推移

104回(3年の2月)226
→105回(4年の2月)230
→106回(5年の2月)258
→統一I250→統一II242→統一III266
→107回282
多分他の人より最初が良くて終わりがいまいち、というパターンです。そうなった理由などを順を追って書いていくことにします。

勉強について

自分は短期間で詰め込める型ではないこと、また丸覚えが全くといっていいほどできない(ゴロ合わせの文章を丸々覚えてられない)ことを自覚していたため、3年終了時点でボーダーあたりに乗ったところで逃げ切りを狙いました。

それまでやっていたことは基本的にはテスト時の対策のみです。ただ、大学に入って手書きノートを少しつけた時に、これをそのまま国試に生かす方法がないか、と思い、ノートはすべて電子媒体のEvernoteでまとめていくことにしました。
国試用のノートはこの授業ノートをコピペで整理するだけで初版ができたため(CBTの際に整理しました)、その後も基本的にノートの見直しと改良だけで済みました。
またCBT前後は「薬ゼミアプリ」で必須問題形式のテスト、実習前後からはe-Recの「今日の10問」を隙間時間になるべく解くようにしていました。この2つは毎日の積み重ねで大きな差となるのでお勧めです。

こうしたノートをつけつつ勉強するにあたっては、2つだけ気を付けていたことがありました。
1つ目はとにかく「分からないままで放っておかない」ことでした。分からないことがあるとそこから発展していくことにことごとく躓いてしまうので、それを極力作らないことはとても意識していました。
低学年次の読者さんに一番お勧めすることがあるとすれば、「今日わからなかったことを明日に残さない」ことです。勉強のペースは人それぞれですし、自分もテスト直前期まではあまり勉強していませんでしたが、分からないことはすぐに調べるようにしていました。この部分は後々とても大事になってくるように思います。

2つ目は「一つの物事になるべく多くの情報をくっつけて覚えていくこと」でした。これは覚えることが多くなってしまうように思うのですが、記憶がとても強固になります。例えば薬理だとペグビソマントという薬は-antで終わるからアンタゴニスト、-som-は成長ホルモン系のもの、peg-なのでPEG化されている、という感じです。この場合、一度こういう風に覚えてしまうと、刺激か遮断かで間違うことは絶対になくなります。またPEG化されているということは低分子ではなくタンパク質なんだなということ、そうすると経口投与ではないなということがわかります。ここら辺の話はテストには出ないですし今の段階で大事だとは思いませんが、昨今の薬剤師に求められているらしい「考える能力」というのはこういう類のものではないかと思い、大切にしていました。

特に構造式に関しては生体内代謝に関わるもの(例えばピルビン酸など)、酸性or塩基性、親水性or親油性という物性、○○系と名のつくものは最低限判断できるようにしていましたが、これが化学・薬剤・実務を解くにあたって非常に活きました。例えば典型的なのが今年の問216で、ビオチン→炭酸固定反応→アセチルCoAに炭酸つけたらマロニルCoAになるな、と構造から覚えていたのですぐに解けました(他にも光線過敏症→ヒドロクロロチアジドの共役構造、プラバスタチンの問題…etc.)。

ただし、枝葉末節だと思うことを覚えるのはなるべく避けるようにしました。というのも国試の5択では「4つしっかり答えられれば1つは全く分からなくても正解できる」からです。
国試の出題基準として「各種基準等の数値は、記憶することが必須又は極めて有用な数値であ る場合を除いて、数値そのものを問う出題はしないこととする。」「末梢的な事項や、一部の例外的な事項を取り上げるような問題の出題 はできるだけ避ける。」という文面があります。
実際に国試では選択肢のうち1つくらいは難易度が高いものが混じっていることが多いのですが、たいていの問題は少なくとも5つ中3つの選択肢はその正誤が割とすぐ判断できるようになっています。よって、国試対策では特に4つめの難しさになる選択肢の正答率を上げることに力を入れ、細かすぎる数値や何にも繋がりがなさそうなことは隅にメモする程度にしました。

この考え方はおそらく薬ゼミのやり方とは反対を行っていると思います。というのも薬ゼミの講義や模試を受ける限り、特に薬理病態では難しい5つ目の選択肢まできちんと理解することを求められていたので…。
よってこの2科目は薬ゼミの水準ほど詰めなかったのですが、国試の結果としては易化した薬理は38/40だったほか、難化した病態でも35/40で薬ゼミ採点システムの全国50位以内を取ることができました。
このやり方を行うときの問題として「どうやって難しい選択肢や枝葉末節な知識と判断するのか」ということがありますが、これは吟味を繰り返すうちに慣れてくる、という答えに尽きると思っています。

5年次以降ですが、実習時は実習に集中して特に国試対策はしませんでした(元々体力がないので…)。ただし今まで覚えたことの様々な周辺知識を(それこそ商品名でも由来から薬理が知れたり)得ていくことで、記憶を強くしていくことには努めました。

実習終わりから6年12月までは8月の卒試期間以外すべて研究に費やしました。卒試の時に102~106回を1回解いて、間違ったところや分からない選択肢があったところをもう1回解いて、問題番号をメモしておき、これを直前期にもう一度やるという戦略で行きました。

ただ青本9冊をしっかり読み切るのは思ったより時間がかかり、実際にアウトプットに使えたのは国試の週のみでした。その割に授業で付けたものを改良したノートに比べると青本の内容はどうしても薄く、法規以外は正直あまり得たものがありませんでした…。青本はまとめとしては優秀ですが授業で習うことよりはどうしても内容が薄いことをご留意ください。今思うと97~101回のアウトプットの方に先に時間を使えば良かったかなと思います。

相変わらず文章にとりとめがないですが、上記のような感じだったので模試の点数はほぼ伸びませんでした。国試で目標の8割を取ればよい、と割り切っていたつもりでしたが、統一2が悪かったこともあり統一3だけは模試用に1週間だけ対策しました。ただ、国試対策に割けた日数の割には頑張れたかなと思いますし、それが出来たのは低学年次の学び方が活きたのかなと思っています。

もうひとつ国試対策として、国試自体をしっかり分析するということはとても大事だと思っていました。
当たり前ですが国試対策は国試に受かるかどうかが全てです。そのためには国試の構造、作問者の立場を理解しようとすることは薬学の知識を得るのと同じくらい大切だと思っています。これに対して自分なりにある程度やっていたのですが、これは余裕のある時に書ければ別記事で書くことにします。

長々とした文章なのに読んでいただきありがとうございます(短くまとめるのが本当に苦手な人間です…)。
最後に、自分はかなり特殊な状況を過ごして薬学部に来ています(詳細は身バレになるので申し訳ないですが伏せます)。正直6年前にはここまで辿り着けるとは全く思っていませんでした。なのでいわゆる普通のレールから外れてしまったと感じてしまった方、レールの上で走っているのがしんどいと感じている方、一度躓いてしまった方の力になることができれば特に幸いです。勉強のこと以外にももし何かありましたら、お気軽に質問箱やリプライ・DMなどでメッセージを下さればと思います。

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