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2021年度薬ゼミ全統II(247回) 雑感(理論1)

模試は大学や地域によって受ける日時が違うようなので、Twitterを避けてこっちで書いています。ということでネタバレ注意です。

また、あくまで独断と偏見による雑感であることをご容赦ください。何かあればコメントかTwitterのほうでよろしくお願いします。

今回の物化生は時間内容ともにとてもシビアであり、得意にしていた人も苦戦したのではと思います…。もうちょっと時間ほしいなと思いました。平均点は今のところ合計(30問)で9点前後しかないので、出来なくても落ち込む必要はないと思います。ただ国試までに答えられるようにしておきたい問題はいくつかあるように思いました。

物理

特に時間的にもシビアだったように思います。分析科学に関しては文章量も多いし…一問一問じっくりと考えればそれほどでもない問題も混じっているのですが、法規まで150分で、と言われるとなかなかという感じです。

91. これは正答率が低くても答えられるようになりたい問題。薬剤や化学にも関わってくるので。

92. 熱容量の意味を理解していれば、あとは3の正誤を答えられるかどうかという問題。Mayerの式を思い出せるといいんですが、定圧だと体積が動く→pV分の余計な仕事をしなければいけなくなる、という感覚を持っていれば定圧の熱容量は定容より大きくなると判断できます。

93. 5を答えるには式と相図の関係性へのしっかりとした理解が必要。ここが答えられるなら難なく解けると思いますが、残りの選択肢もそれほど難しくないはず。

94. 濃淡電池は一応新カリの範囲なんですが、今後電池の問題がこういう形で国試で出ることがあるのかどうかは疑問の残るところです。選択肢の1つに出る、ということはあるとは思いますが…。Nernstの式は出てもこういう形で式が与えられていると思います。問題自体はそれぞれの濃度をNernstの式に入れればほぼ解けるようになっています。

95. 1次反応と2次反応だけでなく0次反応もしっかり頭にあったかがポイント。考えなしに右のグラフを2次反応っぽいなと思い始めたら終わります。そこさえ引っかからなければ…という問題。

96. 溶解度積の意味が分かっていたら、むしろ分かっていなくても桁数的に答えが絞られるのであんまり間違う要素がないように感じました。

97. まともにやると時間のかかる問題。分析をきちんとやっていたら1~3はすぐに選べるとしても、4でどこが臭素化されるのか、対応量がいくつになるのかというのが難問だと思います。なので5で先にモル対応量を書いて誤答だと判別したあと、残った4を選ぶというのが正攻法なのかなと思いました。

98. 4はまともに計算したくないので他を答えたい問題。1は比吸光度がわかっていることから不要だとわかります。残りの2,3,5を順調に答えられればOK。4もmg換算の100倍希釈、層長は基準の1cmということから100000とわかるのですが、この手の選択肢は何が括弧の中に入るのかということを把握するのに時間がかかります…。

99. 5を知らないと4が切れずに悩む問題。残りの選択肢については確かに基本的なのかもしれないですが、結局この2つがあるので問題としては全然簡単じゃない気がします。2についても基本ながら正確な理解が必要になってきます。

100. 1がややこしいので他の選択肢を正答して答えたいところ。内標準物質とのピーク面積比で求めているため、厳密に入れなくても大丈夫です(たとえば95%しか入れれないと内標準物質のピーク面積も95%になります)。幸い2~5は純度試験をしっかり理解していれば解けるようになっています。

化学

1回目よりかなり難しくなっていた気がします。

101. わざわざ構造式を書いてくれているので1~3は答えられます。4もNH3⁺になるとNの非共有電子対が失われることを考えると答えられると思います。5はその場で分からなくても残り4つを答えられていればOKな問題。

102. 反応の競合でもSN1とE1の競合という設定は珍しいのではないでしょうか…その辺で混乱した問題でした。逆に言うとそこが分かっていればほぼ解けたのではと思います。

103. 3が脱離基の安定性から考えにくいのでネックになる問題。ただしそれ以外の選択肢は比較的楽なのではと思います。

104. アルドール縮合…だけじゃなくその後の加水分解がポイント。メバロン酸の構造を知っていたら逆算して答えるという手もあります。ただそもそもHMG-CoAが何の略か知っていれば何も考える必要すらないです。

105. PEGの基礎知識で解けるのは2~4のみ。1は言われてみれば…なんですが結構落とし穴だと思います。5もしっかりとした理解が求められる問題。

106. 正答を選びやすいので理論化学の中では楽な問題。

107. NMRについてぼんやりとした知識だけだとしんどい問題。まずbがメトキシのHと判断し、次にaがベンゼン環に引っ張られてるメチレンのHと判断。あとは7付近がベンゼン環のHっぽいなと思えればcとdはアルケンのどちらかで確定させる必要がないです(しようと思うとかなり難しいです)。最後に反遮蔽効果が分かっていれば4を選べて正解、分かっていなくてもDMSOが何なのか理解していれば消去法で正解できます。

108. 5が問題児でこれを偽アルドステロン症の引っ掛けと気付けるかどうかの問題。2は消去法でないとまず選べないと思います。

109. 新カリに移り106回の傾向もあり、個人的には生合成経路が単問で出ることはもうないと思っていますが、選択肢の一つとしては依然出る可能性はあると思います。問題自体は1がややこしいものの、2~5を正答できればなんとかなったはず。5はフェニル基からのNの距離でトリプトファンとチロシン由来は見分けることができます(トリプトファンならNは隣接)。

121. 1は構造の水酸基の多さから推定させる選択肢。あとは構造を見れば比較的わかりやすい選択肢ですが、正答率が高くないのは1や3につられた人が多かったからでしょうか。構造式の問題は解いていてこれくらいかなと思った難易度より正答率が低いことが多いので、多くの人が苦手としているのかなと思いました。個人的には薬剤師は構造式を読めることが他医療職と差別化できる点だと思っているので、薬や生体分子の構造は大事に見るようにしています。国試のためのコスパという点では良いのかわかりませんが…。

生物

マイナーな範囲が多かった分きつかったように思います。

110. こういう括りで出たことはあまりないので難しいなと思いました。正解は割と選びやすくなっているものの…。

111. 5が少し厄介なものの、残りはこの領域の基本的な選択肢だと思います。よくイメージできない語句は画像検索とかしておくと記憶に残りやすいと思います。

112. 1がやや切りづらいので2~5でしっかり正答したい問題。

113 大脳の構造は優先順位としては低いはず。前頭葉・頭頂葉・側頭葉の位置とブローカ野・ウェルニッケ野・辺縁系あたりが分かっていればいい気がします。

114 血小板については他の血球よりイメージがつきにくいこと、また細かいところを問われていることが正答率の低さに繋がってる気がします。

115 マイナーな範囲なものの誤答が切りやすかった問題。

116 選択肢1つずつはそれほど難しくなくても、やや訊かれている範囲が広くて正答率が落ちる問題(5はやや難しい…?)。こういう複数のSBOにまたがる理論問題が最近の国試でも多い気がします。

117 EMITはややこしいのできっちりとした理解が求められます。4はしっかり図を書かないと正答できないのではと思います。

118 範囲をやってるかどうかのテンプレ問題ですが、優先度としてはそんなに高くないかも。

120 3がややこしいものの、2と4は選びやすい気がします。

衛生

わりと素直な出題に感じました。

119 1を迷わず選べた人はそんなに多くない気がするので、現実的には2~5を消去していくことになるのかなと思います。3が知らないと迷うかも。

122 これは割と基本的な問題のはず。高齢化社会・高齢社会・超高齢社会・倍加年数は定義を要確認。

123 疫学をちゃんとやっていれば問題ないはず。

124 これも感染症法に関する基本問題。

125 性感染症は種類が多くグラフ当てはやや不安定になりがち。男女比など特徴をなんとか押さえておきたいところ。

126 ガラクトース血症がタンデムマスで発見できないことを押さえていれば正解できると思います。

127 個人的に栄養関係が手薄だったため、正答率の高さにびっくりした問題。でも正答2つは選びやすいと思いました。

128 呼吸商をしっかり理解しているかどうかの問題。

129 選択肢の難度はそこまででも、添加物に加えて水分活性の理解も必要な問題。

130 有害物質に関しては知っているかどうかですが、大体出るのは決まっているので、衛生の中では得点源にしやすい範囲だと思います。

131 乱用薬物についても130同様出る範囲が決まっているので、得点を安定させやすい範囲だと思います。

132 ADIの計算。国試過去問をやっていれば問題なかったはず。

133 化審法と化管法は必ず混同させてくるので要注意。ポイントを押さえていれば得点しやすいと思います。

134 代謝酵素は知らなくても2E1が小分子対象なことを覚えていればなんとかなったはず。あとは脱アルキル化の原理は知っておいた方が代謝を読みやすくて得だと思います。

135 1が切りやすすぎて問題としては簡単なんですが、2~5の復習は大事だと思います。

136 長波長のほうがエネルギーは低いものの透過性は高いことに注意。あとは4がわからなくても消去法でどうにかなる問題。

137 この辺も問題内容が割と決まってて得点が取りやすい範囲だと思います。

138 衛生だけど法律の観点からまとめた問題。普通だったら4を選んでしまうので、こういうのは難しいと思います。国試なら4の内容も別法律の誤答にしてくれている…はず。

139 DPD法とか横文字は常に何の略か調べておくことが大事だと思います(この場合だと4を迷わずに切れます)。あとはフミン質とか漠然とした言葉の具体的な内容も。

140 覚えるだけ。環境科学は覚えたら比較的しっかり取れる範囲な気がします。逆に栄養とかは出題パターンが多すぎるので…。

法規

法規って出題パターンが幅広くできるので、過去問頼りの勉強だとダメだなーと今回これを書いてて思いました。青本などで体系的に学びたい範囲。

141 正答から選びに行きたい問題。

142 ICの基礎的な話なので大丈夫だと思います。

143 これも法令の区別がついていれば大丈夫なはず。

144 ここまでは基本的な問題が続いてるように感じました。

145 2は疑義照会を考えてほしかったんだろうと思いますが、引っかかった人は多いはず。

146 製造販売と承認申請について。やや細かいものの、法規はそもそも細かいのでそこまでやってくださいという感じの問題。

147 3の「義務はない」を切るのは少し表現的にややこしいような。正答を選んでいきたい問題。

148 4が選びやすいので問題としてはそれほどだと思うんですが、ほかの選択肢も復習としては大事な気がします。

149 覚醒剤原料についての基本問題ですが、あんまり過去問とかにはなかったはず。

150 2と3がちょっと細かいかも。

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