副業PdM 〜反省編〜

前回の記事でこんな感じなら副業PdMも活躍できるんじゃね、と偉そうに書きましたが2021年5月から半年近く副業PdMしている中で多くの反省があったのでそれを共有したいと思います。


入社時の期待値ズレまくり

前回双方の期待値がズレがちといった問題を取り上げてましたが、正直ズレているの上等で入ってしまいました。

入社のきっかけはYahoo!副業のリリースのニュースを見て、会員登録して案件を見たところカウシェの副業PdMの募集があって、確かソーシャルゲーム経験者がいい、みたいな内容だったと思います。自分が該当すること、そして代表の門奈さんとは中国事業をやっているときからの既知の仲だったため連絡しました。

そして実際に話してみると、副業PdMはワークするかよくわからないからマーケティング・グロースハックの部分をやってほしい、とのことでした。

中国事業ではゼロイチ・グロースハックをゴリゴリやっていたので門奈さんの自分の対するイメージはPdMというよりグロースハッカーだったと思いますし、マーケ側で結果出して認めてもらってPdM側に侵食していけばいいやと思っていました。なのでマーケチームとしてジョインすることに。

副業PdMは副業活用がかなり進んでいるカウシェでもいきなりは難しかったので副業PdMはほぼほぼ受け入れられていない、がほどんどスタートアップでの実情だと思います。

入社直後編

マーケチームとしてジョインしたはずなのに入社直後から勝手にコアバリューを提言し、黒船が来たと揶揄されもしました。

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コアバリューや方針がよくわからないから、マーケも開発側も自分の中で何を優先すべきかわからない、よって頼まれていたマーケのことはあまりやらない、というのは自分なりの勝手な論理でしたが信頼残高もないままマーケチームからどう思われていただろうかというのは恐ろしい話です。

コアバリュー議論自体は受け入れられ、実際に一ヶ月程度かけて言語化ができて、チームとして何を目指すか、どういう体験を提供していくかはクリアになりました。

信頼貯金ない問題

これはけっこう難しい問題で副業側と企業側両方の理解が必要です。

普通副業エンジニアなどはPMや社内エンジニアとの信頼関係は必要ですが、周りを巻き込んでいく必要性はあまり高くないと思います。

しかしPdMなど、一定シニアで多くの人を巻き込んでいく必要性があるときに早い段階でいかに信頼残高を貯めていけるかが重要です。

自分が本業PdMとして働きはじめたとき前職・前前職ではそれぞれ50人・30人近い全従業員(アルバイト含む)と1on1をして信頼残高を高めつつ、相手の仕事や自分の仕事の相互理解を高め、かつ組織課題やプロダクト課題などを見つけ出す動きをしていました。

副業の人が信頼残高を貯めるための時間の使い方をできるか、するべきかは副業側も企業側も認識は薄いと思います。

月20時間の稼働などの契約でスタートした副業人材が初月に社内メンバーと話すことだけに時間を使うべきですか?企業側は受け入れられますか?

自分はその信頼残高を貯める動きをしてませんでした。でも月数時間でもその動きがあってよかったかもしれません。

自分は良くも悪くも立場も空気も読まず、代表に対しても別のチームに対しても思うことがあれば発言するタイプの人間です。ただ、それが正論であっても受け入れられる土壌づくりは一定必要だったと思います。

マーケチームとプロダクトチームにまたがる問題

最初マーケチームに入りつつ、一定成果も出しながらバックログに誰よりもアイデアを追加したり、代表と話しながらバックログリファインメント(開発案件検討会議)にも参加していくようになりました。

マーケチームの上司としてCOOの方、プロダクトチームの上司としてCTOの方がいて、代表ともよく直接話していて、組織図では名前はマーケチームにあり、プロダクトの他のミーティングには参加しているわけではない。誰からも実質管理されていないし指示も飛んでこない。勝手に自分が組織の課題だと思うところに飛び込んでいって仕事を見つけていました。良く言えば自ら考えて動ける副業人材、悪く言えばフワッとしたポジションでした。そしてどこにも所属していない感じ、指示が来ない=必要とされていないという感情にもけっこう悩みました。

自分が本業PdMとしてやる場合、プロダクト・マーケ・分析は常に自分の配下でやっていたのでプロダクトとマーケにまたがることは当然だし、プロダクト・マーケ・分析揃ってはじめてグロースでしょと思っているものの、カウシェの中ではマネジメントラインが分かれている(他のスタートアップも9割そうだと思う)中で自分も動きにくかったし管理する側もやりづらかったと思います。まして年上のおっさんですし。。

入り口での擦り合わせがあればおおよそ回避できた問題ではあったと思いますが、カバー範囲の広い副業人材をどう使うかは企業側も今後検討を深めていく必要があると思います。

副業PdMでいかにインパクトを最大化するか

副業PdMは当然ながら本業PdMよりパワーはでません。もし本業だったら一ヶ月で会社もプロダクトも色々変えられただろうと思うのですが、やはり副業だと3倍以上の時間はかかる感覚です。副業PdMが会社を変えるなんておこがましいかもしれませんがそれくらいバリューを出したいのです。そのために何を考え、何をして、誰と話し、どう伝えていけばより早く、より大きくインパクトを出せるかは副業PdMを2周3周と試行錯誤が必要かなと思います。

おわりに

入社時に期待値擦り合わせて、与えられた範囲で副業していくのは大事だし簡単です。でも副業PdMの場合、やることが広いし変わることも多いですし、関わる人も変動していく可能性が高いです。その中で動きやすくする、成果を出しやすくするためのフレキシブルな擦り合わせと信頼残高を意図的に貯めていく必要があるなと反省し、今後につなげていきたいと思います。

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