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【NZ】Vipassana(ビパッサナー)瞑想*ボランティア体験記

オークランドの中心街からバスに揺られること約2時間、大自然に囲まれた中で行われるメディテーション合宿・Vipassana(ビパッサナー)の10日間コースに参加してきました。

昨年に千葉で初めて生徒として参加したのですが、今回はニュージーランドのセンターで奉仕者(生徒さんが瞑想により集中できるようアシストするボランティア)として参加してきました。

Vipassana(ビパッサナー)瞑想とは

ヴィパッサナーとは「ものごとをありのままに見る」という意味で、ゴーダマ・ブッタによって再発見されたインド最古の瞑想法の一つ。呼吸、また自分の体の感覚を観察する自己観察の瞑想法です。

年齢・性別・国籍・宗教などの関わりを断ち、万人が共通して行えるように開かれており、世界中にあるVipassanaセンターでは毎月定期的にコースが開催されています。

うれしいや悲しいという感情に反応することが、悲惨さを生み出す。ビパッサナーでは感情身体感覚に注意を定めることで心と体の相互作用を理解していきます。体の感覚(感情)に反応せずに、ただただ観察していく。生まれては消え去っていくということを観察を通じて身につけていきます。

※詳細はビパッサナーHPをご参照ください。

10日間のメディテーション合宿

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ビパッサナーのベーシックなメゾットを習得するための10日間のコース。センターに11日間滞在して寝食取りながら、その期間内は丸1日をかけメディテーションを練習していきます。

期間中は外部との接触(電話や通信含め)を一切経つほか、ほか参加者との身体的接触や会話なども避けて沈黙を守ります。またシーラと呼ばれる5つの道徳律(不殺生・不盗・禁欲・嘘をつかない・酒や麻薬類を取らない)の厳守を約束します。

奉仕内容と1日のスケジュール

奉仕内容

過去に一度でもビパッサナーに参加したことがあれば、奉仕者として参加することができます。奉仕者のポジションは主に、アシスタント講師と生徒のつなぎ役になる「マネージャー」、もしくは食事の用意と片付けをメインに行う「Server(サーバー)」の2つです。

奉仕者のスケジュール

今回は私が行ったサーバーのスケジュールについて。わたしの場合、チームの方とコミュニケーションを深めたくて1日前のりで現地入りました。

タイムテーブルは、早くて朝4時20分開始で、終わりが9時半くらい。朝食・昼食・夕食(ティータイム)の準備と片付け、その間に2回の休憩が設けられます。

朝・昼・夕と1日の3回行われる1時間のグループ瞑想に奉仕者も座る決まりになっているので、最低でも1日に3時間は瞑想を行う時間が確保されています。

わたしは女性のバスルームの担当をしていたので、シフトの時間内にトイレやシャワーの清掃が入っていました。1日の終わりに奉仕者の間でメッタ(慈悲の瞑想)を行い、就寝という感じでした。

奉仕者として参加した理由

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なぜ今回奉仕者として参加してみたいと思ったか。理由は大きく2つありました。
一つは、”見返りを求めない行為”を心から望んで行えるようになりたいと思ったからです。二つ目は、海外のダイバーシティーな環境で、同じ目的を持ったチームと時を過ごしてみたかったから。

まず、”見返りを求めない行為”についてはどうだったか。
ヴィパッサーナーは生徒に無償(ドネーション)で提供されるほか、講師や奉仕者は一切の報酬を受け取りません。居住部屋や食事などは与えられますが、報酬などはありません。

期間中、1日に約8時間前後働いていたと思います。90〜100人前後の食事の用意では野菜をひたすら切ったり洗い物をし続けたりと体力的にちょっときつく感じたり、忙しさがピークになった時には少しピリピリする場面もあったり、心身ともにストレスを感じる場面はありました。

でも、仕事自体に不満を持つこともなかったし、見返りが欲しいというような気持ちにもなりませんでした。以前わたし自身ビパッサナーでスペシャルな経験をさせてもらって、それがこれまでの体験者によるバトンによるものだと知っていたことも助けてくれていたと思います。

正直、他人のために何かをする時、お礼の言葉や自分にいいことがあるようになど見返りを求めたエゴで行動しがちでした。その思いが自分を苦しめていたのも頭では理解していました。

今回はチームに恵まれたこともあると思いますが、単純に奉仕することは楽しかったし気持ちが良かったです!良い”バイブレーションを何の見返りや期待を持つことなく次に渡したい、そんな想いで行動できたことが私にとっては大きな収穫だったと思います。

次に、国際色豊かなチームと働くということ。本当に、みんな色々なバックグラウンドを持っていて、ここには書ききれないくらい違った考えや価値観に触れました。

出身地は、ニュージーランド・香港・ベルギー・カナダ・フランス・イギリス・アルゼンチン・チェコという感じ。年齢は大体20代後半から30代前半くらいで、キッチンの中では冗談が飛び交う和気藹々とした雰囲気でした。

仕事に対する向き合い方も様々で、ミスがあっても笑って冗談に変えたり、時間が迫っている状況でも切羽詰らないで鼻歌歌うみたいなゆるさは、調和を重んじて空気を読み真剣に働く習性が染み込んでいる日本人の私には自然とはできない(時に行きすぎてましたが笑)し、遅れてきても謝らないで堂々としてたり(でも仕事はしっかりこなすから◎)。”自分のスタイルを通して気持ちよく働く”という姿勢が、私からすると眩しかったです。

12日間を終えての心の変化

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「苦しみは自分が作り出しているもの」
わたしはいつも自分を責めていました。何をするにしても心の中でもう一人の私が「十分じゃない」「何でうまくできないんだ」「こんなこともできないわたしは欠陥人間だ」etc…そんな言葉で頭がいっぱい、自分自身でストレスを作り出して頭はパニックです。笑

でも今回、働いて、グループ瞑想で座って、教えを聞いて、実践して。そんな生活を送っていく中で、心に大きな変化があったことに気づきました。どんな感覚も消え去っていく。変わっていく。ただただ観察して心の波に巻き込まれない。それが少しづつですができるようになっていました。

仲間との会話についていけない、自己表現が上手くできないことにフラストレーションが溜まっていたわたしは、中でも仲良くしてくれていたフランス人女性に相談しました。

そのとき彼女がくれたひとことが「Be nice to yourself」。言葉の壁はみんな同じだし、全員に受け入れられようとしなくていい。自分のベストを尽くして続けていけばいいから、自分優しくいてと。

アシスタント講師の先生に気持ちの落ち込みがあることを相談した時には、「ネガティブな感情に意識を向けることは、そこに栄養をあげていることと同じ。ネガティブな感情が湧いた時はいつも感覚や息に意識を向けて観察して自分のセンターを取り戻す、それがあなたの新しい武器よ!」とアドバイスを受けたり。

期間中もちろん気持ちの上下はありましたが、以前よりも心は平穏でした。感情は過ぎ去るし、物事は変わる。”ほとんどの苦悩は自分が作り出している”。その事実を理解し、心の状況をただ観察することができていたんだと思います。

”事実をありのままに受け止める”
すっごい難しいです。それは自分の中で作った偉大な自分、大切で素敵な自分を守りたいから。でも。そんな長年のクセから一歩でも抜け出せただけでも大きな成果だったと思います。そんな12日間でした。

別れの時

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センターで出会えた人々、数ヶ月センターで生活をしている長期間の奉仕者、サーバーとして時間を共にしたチームのみんな、最後にお話をした生徒の方々など。緑に囲まれた美しいセンターとベジタリアンの美味しい食事、メディテーションの練習など、全てに感謝でいっぱいです。

とにかく良いバイブスが流れていて、メディテーションを通して人と繋がるというこれまでにない不思議で、スペシャルな経験でした。
最後はサーバーの仲間と「ここに来れてハッピーだし、ここを去れてハッピー!イエーイ!」と言いながらセンターを後にしました。

ニュージーランドを去る前に、もう一度戻りたい場所ができたことに感謝。


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