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スタートアップ企業のバックオフィスには何人必要? バックオフィスを構成する重要な要素を紹介

ufu代表の大橋です。
経理や財務、労務などに代表されるバックオフィスは、企業の運営を円滑に行う上で欠かすことができない、重要な役割を果たしています。また、業務の効率化を図るにあたっては最も改善効果がでやすい領域として、注目されています。バックオフィスは、顧客に直接関わりを持ったり売上自体に直結するということはありませんが、全ての従業員が円滑に業務を遂行できるように支えています。

しかし、スタートアップ企業や中小企業など、小規模な企業においては、バックオフィス業務を実施できる人材が不足してしまっていることが現状といえます。今回は、企業で重要な役割を担うバックオフィスの人材がなぜ集まりにくいのかを解説し、スタートアップ企業にとってどのように最適な人数を決定し、人材を選定すべきかを紹介します。

スタートアップ企業でバックオフィスの人材が集まらない理由

一般的な企業に配置されているバックオフィスにおいても、人材が不足しがちである傾向にある中、スタートアップ企業では特にバックオフィス業務に人材が集まりにくいとされています。その理由はどのようなものがあるのでしょうか。

バックオフィスの人材流入が少ない

バックオフィスの人材が集まらない原因の一つ目としては、バックオフィスに適した人材の流入が少ないことが挙げられます。一般的に、企業内で全社員数に占めるバックオフィスの適切な割合は、5~25%程度と言われています。また、その3~20倍の人員が事業部等へ配分されるとされています。

そもそも、バックオフィスの求人は一般企業であっても少なく、転職サイト等での営業職の求人に比べても、経理などのバックオフィスに関する業務の応募は圧倒的に少ないです。バックオフィス業務の中で、エンジニア系の求人を除くと、この割合はさらに少なくなります。結果的に、バックオフィスの採用活動を試みても人材の流入は少なくなってしまうということに繋がります。

スタートアップ企業に適したバックオフィス経験者がいない

スタートアップ企業に適したバックオフィス経験者が極端に少ないことも、人材が集まらない原因の一つです。現状では、バックオフィスに対して、特に若い世代を積極的に人材育成をしている企業は多くはありません。

そのため、20代や30代といった若い世代においてバックオフィスの経験が豊富な人材は少ないです。そのためスタートアップ企業に留まらず、多くの企業でバックオフィスの人材不足の解消は見込めていません。バックオフィスに代表される経理・財務・法務・労務・経営戦略の分野では、人材不足の傾向が強まっています。

スタートアップ企業に転職を検討する人の多くは、新卒でスタートアップ企業に就職し、30代になるまでの若い世代の層であると言われています。20代においては、スタートアップ企業に就職して、同じスタートアップ企業に転職を検討する割合が最も高いです。しかし元々人材が不足しがちな職種のため、全体としてみればこのような人材が都合良く採用できるわけではありません。

以上のことから、バックオフィスの経験者をスタートアップ企業へ流入を促すことは、難しいと言えます。

スタートアップ企業のバックオフィスに適した人数

企業のバックオフィスに配置する適切な人数の考え方として、全社員数との比率から、バックオフィスに適した能力を加味した少数精鋭の方針をとることが多いです。一般に、バックオフィスの人員は経理や労務などを得意とするプロフェッショナルのため、少数精鋭になる傾向があります。

全社員数に対するバックオフィスの人員配置は概ね10%程度にするのが適切と言われています。例えば、社員が100人のスタートアップ企業であれば、10人がバックオフィスということになります。これ以上の人数で、全体の30%程度になると人件費がかさむため、営業赤字になりかねません。

企業の売上や業務の効率化を推進するために、可能な限り適切な人員配置を行いたいところです。

バックオフィス人材を外注する場合の選択肢

ここまで、バックオフィスに適した人材を確保する際、特にスタートアップ企業では様々な理由から採用が困難であることを解説しました。

しかし、たとえスタートアップ企業であってもバックオフィスに必要な人材は適正人数確保したい物です。このような場合、即戦力として自社で採用できる人数には限界があるため、バックオフィスの業務自体を外部の業者に委託することが最も有力な手段と言えます。

バックオフィスの業務を外部業者に外注する場合の選択肢にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、複数の選択肢を挙げ各々がどのような役割を担うのかを具体的にみていきましょう。

コンサルタント

バックオフィスにおける業務の改善活動や効率化に取り組みたいものの、どこから始めれば良いかはなかなかわかりにくいものです。このように、適切な人材配置をどのように行えば良いかわからない場合には、外部のコンサルタントに依頼すると効果的です。

コンサルタントは既存業務の見直しやデジタル化ができないかなどを細かく分析します。また、バックオフィスを起点にしたスタートアップ企業としての差別化に至るまで、業務をより最適化するために良い選択肢となるでしょう。

しかしコンサルタントは、業務フローに関しての改善提案や構築は得意としますが、単価は高い傾向にあります。そのため、改善活動の遂行自体は自社で対応する必要がある点に注意が必要です。

BPO

社内制度の把握や業務運用などに滞りを生じ、非効率になってしまっていたり、後任の育成が大変になってしまっているなど、業務がうまく回らなくなってしまう場合があります。

そのようなケースでは、業務プロセスを丸ごと外部の業者に委託するBPOがおすすめです。業務の全てを社内で行うのではなく、外部に任せることによって、自社で集中すべき人員配置をコア業務にシフトして生産性を図ることができます。また、専門家のスキルを活用できることや、プロセスをまるごと専門家が請け負い、業務をより効率化することによってコスト削減効果も見込むことができます。

BPOの作業代行により、委託した分の作業は一時的に楽にはなります。しかし、社内の体質が根本から改善されるわけではないため、社内の業務に問題点は残ってしまう可能性があったり、ディレクション工数がとられたりすることがある点に注意が必要です。

士業

労務や税務などは、法改正などへの対応に重要な役割を担うため、社労士や税理士など士業に業務を委託するのは有効な手段です。社労士や税理士をはじめとする士業に業務を委託することで、給与に関する法改正への対応がスムーズです。

また、労働保険や社会保険等について、士業のプロの適切なアドバイスを受けられることがメリットとなります。スタートアップ企業では初期段階で社内に有資格者を確保するのが難しいため、士業への業務委託はとても効果的であると言えます。

しかし、士業は経理や財務などそれぞれの専門性を活かした業務には効率的成果を発揮するものの、業務フロー全体へのアクションには、経験も乏しく、委託範囲外であることが多いので注意が必要です。

まとめ

この記事ではスタートアップ企業のバックオフィス業務への適切な人数や、人材確保について紹介してきました。

スタートアップ企業では、全ての業務にたいして自社として人材を確保することは困難なため、さまざまな課題解決を図るにあたっては、特にバックオフィスでは業務を外注してしまうことが最も有効な手段といえます。

ポイントを押さえて業者を選定することによって、よい業務運営を実現することができるでしょう。