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BLUE SANCTUM 無償配布化について

ソロアルバム、無償配布化します

https://ufsrecords.bandcamp.com/album/ufsr-000-blue-sanctum-freedl

https://www.youtube.com/watch?v=n_v7FP6LktU

https://soundcloud.com/user-689112835/blue-xfade

[UFSR​-​000] DJ FALCHiON a.k.a. U-F SEQUENCER - BLUE SANCTUM

リリースから10年経った節目でと考えていたのですが、コロナで窮屈/いつ何が有るか分からない世情ですし、私自身もいい年齢になってしまったので、前倒しで決めました。

8年前の2013年春M3似てリリース、最初で今のところ恐らく最後のソロアルバム『BLUE SANCTUM』を、この度無償配布化します。
改めて聴き直してみれば技術的に粗削りで未熟、しかし鬼気迫る勢いで曲を作るんだという執念が一番凝縮されていたあの頃。
頼もしいボーカルやMCの協力のもと生み出した「世界の終末」、かつてフリー楽曲コミュニティの筆頭格として存在し多くのアーティストを輩出した『muzie』で発表した曲達の進化版、実力派アーティスト2名による素晴らしいリミックス、Mainstream Hardcoreへの信奉により出来上がった完全新曲、そしてアルバム名を冠した「BLUE SANCTUM」。
どの曲も「こんな世界観を創り上げたい」と、当時持ち合わせていた全ての技術・熱意、そして国産のハードコアテクノ・ベースミュージックの勢いを向上させようと奮闘する多くのアーティスト達へのライバル心とリスペクトをつぎ込んで無我夢中で作り上げた、間違いなく渾身の出来です。

もし当アルバムの存在を知りつつもこれまで購入を悩んでいた方が居ましたら、是非フリーでダウンロードしてお楽しみください(購入→値段の欄に「0」を入力で続行)。勿論、引き続き投げ銭も受け付けておりますので、良いなと思って恵んでくださる方は是非よろしくお願いします。そして過去に購入してくださった方、本当にありがとうございます&無償化としてしまい申し訳ありません。これだけ大掛かりなリリースは望み薄ですが、今後もいち音楽人として曲を作り続けるつもりでいますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。



















以下余談:懺悔 自己流に執着するあまり失った「信用」

御存じの方もいると思いますが、現在Bandcampで公開している当アルバムは、アートワークの変更や一部楽曲のブラッシュアップを施し、ボーナストラックを追加した「改訂版」です。2013年リリースからBandcamp開設までは、私のリリースの中でも唯一のプレスCD形式で販売していた「旧版」が存在していました。CDを購入して下さった方々、本当にありがとうございます。

この時期の前後数年は、(今もかなり貧弱の部類に入るとは言え)旧世代・力不足のDAWやVST・PCを無理やり稼働させ、加えて知識や技術もかなり乏しく、ただ「作る事への執着心」だけでずっと突き進んでいた、そんな時代でした。
知識が乏しいという事は技術的な部分云々だけでは無く当然、制作やリリースにおける関係協力者との連携や認識のずれ、時に取り返しのつかないような意見の応酬や決別といった、本来ならばあらかじめ押さえて置かなければいけないはずだったアマチュアでの創作における常識や暗黙のルール・マナーについても乏しかったという事を認めなければいけません(これは本来言い訳にしてはいけないのですが、当時の仕事の多忙さ、DJとしても活動をしていた当時ならではの葛藤や、悪化の止まらない精神面の疾患を無理やり抑えつけて現実逃避していた「身の丈にそぐわない振る舞い」も、より一層冷静さを欠き続ける要因になったのも事実です)。

実はこのソロアルバムの発案者は私ではなく、当時私の楽曲の世界観を認め、ファンアートを作ってくれる程気に入ってくれたCGクリエイターの方でした、私はそれに激励されてようやく動き始めた身。旧版のアートワークや告知用のMVは彼が、楽曲は私が担当し、出来上がったのがこのアルバムです。旧版を所持されている方はご存じと思いますが、元々はレーベル名も別のもので、それも彼が考案してくれたものです。
キャッチフレーズも同様に新旧で異なり、旧版は
『蒼穹に限界はない。勿論、奈落にも。』
でした。これも彼が考案してくれたものです。「青/蒼がよく似合う」という、本当に私の楽曲をよく聴き込んで考えてくれた、本当に素敵なキャッチフレーズだと今でも思っています。

これだけ尽力して貰い、双方で多くのやり取りが有ったにも関わらず、残念ながら彼とは決別してしまいました。当然詳細は伏せるとして、どちらがどのくらいの比率で悪かったのかは別にしても、原因の一つに「私の無理強い」が有ったことは間違いありません。本来本気で、しかし苦しみながらではなく楽しみながら行う創作において、あまりに些細な要望、意見の行き違いによる不満を蓄積させてしまった結果です。以来彼とは一切の連絡を取っていません。大きな後悔はいくつも有れど、自分が創作を行ってきた中で恐らく一番大きな後悔となってしまったと思います。
彼については、作り込みの熱心さも元々持ち合わせているセンスも本当に優れている逸材なので、きっとその分野で今も活躍されていると思うので、そうだとすれば私はそれで充分救いです(もしそうでなければ、彼の制作意欲をあの時の私が少なからず奪ってしまった事になるので…)。

それだけではなく、このアルバムの制作に協力してくれたリミキサーやボーカル・MCについても、現在やり取りを行っている方は一人も居ません。連絡がつかなくなった/もはや連絡をためらう程に高いステージへ行ってしまった/私の素行ゆえに遠ざけてしまった…。
今でこそ随分改善に努めた、あるいは諦めた途端部分的に丸くなったとはいえ、神経質だったり気分の上下だったりと、厄介な気質(精神疾患とはまた別問題、病気のせいにせず自分が向き合うべき人格)は当時からずっと変わっていないので、随分呆れ、疲れさせてしまったのだと思います。
そしてこれは当アルバムの関係者に限りません。先述に「この時期の前後数年」と記した通り、この時期に関わった創作関係者の半数、潜在的に見れば下手すると7割程は私がかかわる事で随分難儀させてしまったという自覚が有ります(恐らく、当時から活動・活躍している国内の一部のレーベル・アーティストの間では、私の評判はかなり悪いはず)。例を挙げればキリが無いしそもそも挙げるような事はマナー違反もいいところなのでしないとして、相手と私のどっちがどれくらい悪い悪くないのレベルの話では無く、如何に私が「自己流に拘り過ぎた」か、相手の状況や心情を考慮せずにわがままを押し通してしまったか。
楽しむはずの創作を勝手に苦痛に変えていたのは私自身だった、それがあまりにも顕著だったのがBLUE SANCTUMリリース前後の時期だった、それ故にせっかくの繋がりやチャンスもたくさん失ってしまった。

無償配布のもう一つの目的は、身勝手さの極致に居た当時の私を晒す「懺悔」…だと思ってます。ここ最近、これまでとはまた違ったアプローチの創作もちまちまやっているため、新たに曲を聴いてくれたり感想を述べてくれたりしてくれる方が若干ながら増えており、大変ありがたい限りです。だからこそ、自己満足でも、「ほら、俺はこんだけ色んな人に迷惑掛けたから、やっと作れたアルバムがこの程度のクオリティだし今も大した成果も出せてませんよ」ってのを残しておきたいのです。

奈落に残る側を選びます

先程、アルバムリリース当時、相方のクリエイターさんが素敵なキャッチフレーズを考案してくれた事は記しました。
『蒼穹に限界はない。勿論、奈落にも。』
年齢や健康面、経済面、創作センスの面でも、いよいよ限界が見え始めてきてしまいました。勿論、世の中どんな巡り合わせが有るか分からないので全てを諦める事はまだ出来ないのですが、自分や人に苦痛を強いてまで、創作で上を目指す事は無いと思いますし、足掻けば足掻くほど理想と現実の剥離に絶望して戻れなくなってしまうと思うので。結果はどうあれ、20代から30代前半まで、こうしてなんやかんやとやれる事はそれなりにやって、後悔もたくさんした一方、頂いた機会や繋がりに感謝したり満足したりも一応は出来たので、個人でやりたい事はやりつつ、他の方の活躍を楽しむ側に回りたいと思います。これは本当にみっともないのですが、ここ数年、国内のアーティストさん達(それこそ、2010年代前半で見知った方は特に)を意図的に避けてしまっていました、嫉妬心というよりは、置いて行かれた自分という事実に目を背けたかったんだと思います。それが年々薄らいでようやく楽になった気がしています。
大きな成果を残せなかった私は奈落に残って、これからどんどん蒼穹に上っていく皆さんを、どこかで羨みつつも、応援したいと思っています。
それに、成果がどうこうではない、創作とは本来「楽しむもの」であったはず。muzieを離れた辺りから、もしかしたらずっと忘れていた事だったんだと後悔しています。ここまで随分遠回りし過ぎてしまいましたが、本当に大事なものってなんだったのか、改めて向き合いながら残りの創作を楽しみたいと思っています。奈落とは言うけれど、暗闇に居る方が眩しい場所よりも安らぐ場合もある。

最後に、このアルバム制作に関わってくれた皆さんが、今もどこかで活躍されている事を願っています。そして細やかながら、当時の未熟な曲達を聴いて少しでも心動かされる方が居れば幸いです。