二十九、三十、三十一、三十二

 31歳になった。今年、32歳になる。世間から見て、おじさんと呼ばれる「いい年」になった。

 どんな大人になっただろうか。二十で成人式を迎えた時、上京して、髪を赤く染めていた。大人になったなんてちゃんと全然考えることもないままに、酒が飲めて煙草が吸えることに喜んでいた。知らんぞって思いながら、勝手に時間だけが過ぎていた。

 働き出したのは二十四。自分が思うことを優先して、人の事をあまり考えることなく生きていた。表面的に取り繕うのとか誰かに合わせて喋ったりするのは、得意だったので不自由は感じなかったけど、色んな人を傷付けてきた。それに対して悪いと思うこともなく、誰にも迷惑かけてないからいいじゃんって考えていたみたいだ。人は人で、僕は僕。君が猫で、僕が犬。でもずっと傍にいれるかな。

 それから二十九までの期間、僕は何をしていたんだろうか。仕事を学び、自分だけではないことに少しずつ気付いたけど、誰かに甘えてはまた同じことを繰り返してきた。でも、それはその人たちに出会えたから出来たことであって、もし出会えてなかったら。わからないけど。多分今みたいな気持ちになれていないんじゃないかな。

 三十になったとき、世界が少し違って見えてきた。二十九、三十を聴いた。「いつか」何とかなるだろうって思ってたけど、それは「いつか」でしかない。二十代はそうやって過ぎていった。自分がとか言いながら、「誰か」を気にしてた日々。カッコつけてただけ。でも、そこから何かを変えるのは簡単じゃなくて。このままでいいのかなって思いながら、ぐずぐずとあっという間に1年過ぎた。

 やっと気づいた。今なら言えるのかな。恥ずかしくなってしまうようなことを言いたくても言えなかった。現実を見てしまう。

 世界は急に変わった。三十から三十一になった。やっと出来る気がしてきた。何も言えずに空気を読んでいるのは嫌になった。変わろう。

 駄目でも前に進め。不規則な生活リズムでもいいじゃん。

 

 クリープハイプ

 https://youtu.be/-GzStwBn1RE

 歌い手さん

 https://youtu.be/hmiFqE2Ix7g

 銀杏BOYZ

    https://youtu.be/MsuISG8s9t4

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