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いろいろな対話、対話の可能性

対話は「流れ」を連想させる。自分の中のものを出すことで、滞っていた流れが動き出すこと、大きな流れにつながることで、自分が流れそのものになることは川の流れ、水の循環を想起させる。小さな流れが集まって、やがて大きな流れになることも対話に似ている。

写真 東京都 芝浦

 対話にはいろいろ側面があります。なので、人によって対話をして感じること、自分の中での対話に期待することが違います。

 私は、対話には、「自分の不安を知るための対話」、「自分とのつながりを思い出すための対話」、「自分が大きな流れに含まれる対話」の三つの対話があると考えています。

 自分の不安を知るための対話は、自分を静かで静寂な状態にするための対話です。対話を始めて、自分の中に生まれた言葉を外に出していくことで、自分におこっていること、自分の中に積もっていたことに気づくことができます。そのことは、自分の不安を知ることができます。それは自分の中に混乱を起こします。その混乱を受け入れることで、最後には混乱を落ち着かせることができます。混乱が収まることで、静かなで澄んだ空気の場所にいるような感覚になります。   

自分とのつながりを思い出すための対話は、自分を暖めて、リラックスした状態にするための対話です。自分の中の混乱がおさまると、自分の体がだんだんとリラックスして、緩んでいくことがわかります。リラックスして、ゆるむことで、場で生まれること、場で起きることが俯瞰的に見えてきます。その結果、対話の中で立ち上がる意味、その意味から自分のつながりが見えてきます。つながりが見えてくることで、暖かいものに包まれた感覚になります。それはある人にとっては温泉につかっているような、ある人にとっては焚き火を囲んでいるような感覚になります。

 自分が大きな流れに含まれる対話は、生命の躍動を感じるための対話です。自分のつながりを思い出すことで、大きな流れにつながります。そして、その状態からさらに対話を進めると、その大きな流れから自分に向かって流れがくることを感じることができます。その流れを感じることで、自分のためというよりは大きな流れに促されて行動したいと思う衝動が生まれます。それは、あたかも自分が大きな流れの一部として行動しているように感じるかもしれません。そのような状態の時は、自分の中に生命の躍動を感じます。その時には利己的な感情はありません。大きな流れに含まれている安心感と、自分に求められている使命のために活動できている喜びを同時に感じることができます。このような状態に対話を通じて至れることに大きな可能性を感じます。

 対話はひとによって、その人の状態によって感じ方が変わります。ひとりひとりが自分の状態に向き合い、ゆっくりと丁寧に対話に向き合うことで、対話が意味のあるものになります

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