見出し画像

論文マラソン29 北川久「橘小夢と増原宗一の登場」

ちょっと間が空いてしまいました。今日の論文は、北川久さんの「橘小夢と増原宗一の登場」(『橘小夢 幻の画家 謎の生涯を解く』河出書房新社、2015年)です。

目次構成
1.大正前期の東京での女性画革新の一動向
2.大正中期・後期の小夢と宗一

増原宗一について知りたくて読んだのですが、橘小夢も興味深い。
二人が出品していた大正初期の巽画会は、たしか小早川秋聲とかも出品していた時期があったような気がします(明治末期だったかもしれません)。巽画会に出品していた画家たち、面白そうです。

論の最後に、岡本神草や甲斐荘楠音が全国的に認知されたのに対し、増原宗一と橘小夢の新傾向女性画は同時代に正当な評価を得なかったとあるのが、興味深いです。

20分

おまけ 菊屋吉生「増原宗一について」

もう一つ増原宗一について重要な文献が、菊屋吉生さんの「増原宗一について」(『夭折した幻の大正美人画家 没後78年 増原宗一遺作展 忘れられた画家シリーズ㉚』星野画廊、2006年)ですね。

こちらを読むと、増原宗一が「一月会」という普門暁、林倭衛ら若手洋画家によって結成されたグループに出品していたことが、面白いなと思います。

わからないことの多い画家ですので、今後の研究の進展がまたれます。

6分


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?