見出し画像

論文マラソン24 藤木晶子「竹内栖鳳晩年の水墨風景画ー水墨山水の刷新と潑墨による心象表現ー」

コロナに罹患し、論文マラソン途絶えていました。さあ、また走り出します。
久しぶりの論文は、藤木晶子さんの「竹内栖鳳晩年の水墨風景画ー水墨山水の刷新と潑墨による心象表現ー」(『美術史』185、平成30年10月)です。

目次構成:
はじめに
1.栖鳳晩年の水墨風景画の描法分析
2.淡交会における発表状況と出品動向
3.茨城県潮来と中国揚州にみる風景表現の源泉
 (1)中国風景画と潮来風景画の比較
 (2)潮来の水墨風景画に至る創作の推移
4.紙本と水墨表現を巡る栖鳳の作画意図
 (1)栖鳳紙の開発と水墨表現の追求
 (2)近代水墨画の展開と栖鳳の位置付け
結び

栖鳳晩年の水墨画、作品をよく見て分析していて、素材の紙、絹による表現の違いにも言及していて、良い作品研究だなと思いました。
栖鳳晩年の水墨風景画の源泉は、中国旅行と中国を描く風景画の画面構成にあり、中国の水郷風景を彷彿とさせる茨城県潮来をテーマに、栖鳳はまず絹本着色で制作を試み、のち紙本墨画淡彩で水墨表現を試みるようになる。そして、最終的に、紙本墨画による潑墨技法を導入した作風へと展開するとのこと。

41分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?