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論文マラソン12 貝塚健「日本人美術家のフランス体験―1900年代から1910年代にかけて」

こんばんは。今日はアップが遅くなりました。今日の論文は、貝塚健さんの「日本人美術家のフランス体験―1900年代から1910年代にかけて」(和田博文監修『ライブラリー・日本人のフランス体験 第11巻 美術家のフランス体験Ⅰー第一次世界大戦集結まで』柏書房、2010年12月)です。

この本には、橋本邦助『巴里絵日記』、小杉未醒の『画筆の跡』、正宗得三郎の『画家と巴里』が収録されており、そのエッセイとして貝塚さんが書いてらっしゃいます。

章立てはありませんが、順に黒田清輝、浅井忠、鹿子木孟郎、安井曾太郎とフランス留学の詳細を説明していき、1910年代の日本人画家がセザンヌの影響を示していること、日本での交流の輪(『方寸』やパンの会など)をそのままフランスに移している様相などを紹介します。

黒田清輝系列(白馬会系)の画家がアカデミー・コラロッシに通ってコランについたのに対し、鹿子木孟郎系列(太平洋画会系)の画家はアカデミー・ジュリアンで学んでジャン=ポール・ローランスにつくという構図があったようです。
1910年代になると、画塾でしっかり学ぶよりは自学自習が多くなり、特にペルラン・コレクションのセザンヌを見た人が多いそうです。千甕さんも見てるか、もう一度「滞欧日記」を確認したいと思います。

29分

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