INTJが漢字廃止論者を罵る話

みなさんは、学生時代何の教科が得意だっただろうか。私が一番点数を取れていたのは、歴史だ。歴史が好きだからだ。何かと不要論を説かれる古文と漢詩も好きだった。だから成績は良かった。
好きでも嫌いでもない教科でよかったのは、現文だ。とりあえず、社会と国語だ。

国語の中でも、とりわけ好きなのが漢字だ。
漢字の成り立ちや部首を調べるのが大好きだ。子どもの頃から今でも好きだ。「昭」の字は、太陽に向かって人が刀を振り上げている姿だ。かっこいい。
漢字の書き取りテストの成績が良かったかどうかは別として、漢字には昔から魅了されっぱなしなのだ。ロマンの塊なのだ。

そんな私につい先日、「漢字っていらないよね」と言った人がいた。特大の地雷だ。もし私が短気な人間なら警察が出動していただろう。もちろん言い過ぎだ。
私は大人なので、さらりと水原一平氏の話題に変えた。まともにその話をしていたら、間違いなく怒鳴り散らしていただろう。そのくらい、怒っていたのだ。

日本で数年生きて漢字の必要性に気づかないって、どういうことだ?言ってみなさいよ!
まず、一番声を大にして言いたいのは、漢字がなくなって一番不利益を被るのは、かろうじて平均ラインに載っている凡人だ。そう、私だ。
漢字を廃止したら知的格差は広がり、それが経済格差へ繋がり、子へ引き継がれて格差は固定される。

頭巾、頭痛、頭突き、頭脳は頭をズと読む。漢字があれば、「あたま」と「ズ」を結びつける「頭」がある。これらはダイレクトにあたまの意味を表しているから、まだわかりやすい。あたまに関連する言葉にはズが入りやすい。
出頭、初頭、冒頭、店頭、路頭はどうだろう。トウと読む。「あたま」の意味と「トウ」の読みを知っているから、言葉の意味がわかる。読み方を知らなくても、漢字の意味さえ知っていれば、文は理解できるのだ。逆に、漢字がなければ聞いただけでは意味が掴みにくい。

意味がわからなくても、文脈でわかる?それは本当か?今まで勘違いして覚えていた単語はないか?聞いたことはあるけど意味を説明できない単語はないか?
漢字がなくなれば、言葉のニュアンスやざっくりした意味を掴むことすら困難になる。つまり、わからない単語に出会った時、辞書で調べることが必須になる。漢字廃止論者に聞きたい。
あなたが最後に辞書を引いたのはいつだ。

漢字がなくて困るのは、辞書を引く習慣のない人間だ。なんとなく意味がわかるから、完全にはわからないけど7割くらいはわかったから、そういう人こそ漢字の恩恵を受けているのだ。
もちろん、抽象的な思考に弱くなる、ひらがなだけだと読みづらいというデメリットもある。だが、ひらがなだけなら、分かち書きをすればいい。抽象的な思考ができなくなることは、「漢字がなくなってもデメリットはない」と言う人にはデメリットにはならない。抽象的思考など初めからしていないからだ。

漢字の意味を掴むことができないと一番困るのは、我々バカたちなのだ。
この話をすると「英語は漢字使わないけど問題ないし…」と言う人がいる。アルファベットで表記することを前提に発達した英語と、漢字ありきで発達した日本語を比べることがバカバカしすぎる。
ならば、英語も漢字で全て表記できるのか。中国語はひらがなもカタカナも使わない。英語では可能か?

漢字は確かに覚えるまでは難しい。だが、一度覚えてしまえば、知らない単語だらけでもザックリとした意味はわかるのだ。「筋萎縮性側索硬化症」を詳しく知らなくても、筋が萎縮して側索が硬化するのだろうとはわかる。
元々日本語は伝える側より受け手側に優しい作りになっている言語なのだ。その恩恵を最大限に享受しようではないか。

今、韓国や米国では「機能的文盲」が増えているそうだ。文を見てその通り読むことはできるが、文の内容を正しく理解できていない状態だ。
日本での機能的文盲の数は、私が調べたところでは調査をしていないようだった。だが、増えているだろう。Twitterのクソリプを見れば。
漢字を混ぜても140字で言えることなど高が知れている。ひらがなだけなったら目も当てられないだろう。

まだまだ言い尽くせない漢字の必要性だが、noteを見て書いている人に言っても意味がないだろう。文を読む、書く人こそ、漢字の必要性を熟知しているのだから。

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