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【シナリオ作法】  最後まで書けないのはなぜ?

映画やドラマのシナリオを書きたい、
という人はどれくらいいるのでしょうか。

ネット配信やサブスクの隆盛で
コンテンツ産業の裾野が広がりまくってますので
潜在的な希望者を含めたらかなりの数がいると思われます。

では
その中で、どれくらいの人たちが実際に書き始め
さらにその中で、どれくらいの人が書き上げることができるのでしょう。

実は書き上げることというのは意外と大変なもので
「面白いオープニングシーン」を思いついて、
ここからめっちゃ面白いストーリー始まりそう!
って思っても、なかなかゴールまで辿り着かなかったりします。

結構なキャリアがあるドラマディレクターでさえ
オープニングは幾らでも思いつくけど
その後が中々出てこないし、どう終わればいいのかまるで思いつかない…
ということがあるようです。
大ヒットドラマを何本も手がけたディレクターでさえそうなのですから
シナリオを書こう!と思い立ったばかりの人なら尚更でしょう。

では、なぜ最後まで書けないのでしょうか

それには幾つか要因があるように思います。

オープニングシーンだけ思いつく人は
ストーリーのリードまでは考えられるけれど
・ ストーリーを引っ張っていくだけのCQが立てられていない。
・ キャラを深掘りしていないのでストーリーに深みと広がりが出てこない。
・ 構成を組み立ててないので、執筆していても
  自分が今ストーリのどの辺にいるのかわからずに途方に暮れる。
という3つの要因で書き上げられない場合が多いのではないでしょうか。

特に最後の「構成を組み立ててない」というのが大きくて
8ブロックのエンドを考えてないと、物語の着地位置がわからずに
いつまでもダラダラと書き続けてしまいますし
どのように主人公を動かしていいかもわからなくなります。
そうこうしているうちに、
なまじ冴えてるオープニングがあるがゆえに
それに見合うエンドにしたいという思いがあるので
結局は書き上げる前にキーボードを打つ指を止めてしまい
「いつかまた書くフォルダ」にしまうことになるのです。

ならば、どうすれば最後まで書けるようになるのでしょうか。
…と、その前に、見慣れない言葉があったかもしれませんので説明します。

・リード……物語の大意を記した数行のまとまり
・CQ ……セントラルクエスチョンの略。主人公が解決すべき問題
・8ブロック……物語を8つに区切って構成化したもの

この中で、最後まで書けないという人がおろそかにしがちなのが
CQと、8ブロックです。

CQ=セントラルクエスチョンはまぁ何となく気をつけてれば
設定し忘れを回避できますよね。
問題は8ブロック=構成の方です。
8ブロックは物語の設計図ですので
設計図なしで行き当たりばったりに作り始めても
なかなか完成に辿り着けないと思います。
そして、8ブロックで肝要なのは「エンドをまず作る」こと。
つまり
シナリオを最後まで書けないのは
物語の最後を考えず行き当たりばったりに書くからだ
ということになります。

なんせ完成形を決めずに走り出しちゃってますから
どこまで書けばシナリオが終わりになるのか、わからないんです。
そんな状態でウンウン唸ってるうちにイヤになり
良き答えが出るまで寝かせておこう、と思って
未完成のシナリオばかりがたまっていく……という事態になりかねません。

逆に言えば、8ブロックをどうにか攻略すれば
何とかシナリオとして形になったものを書き上げられると思ってます。

ということで次回は
8ブロックについての詳しい説明と組み立て方を書こうと思います。
なるべく今月中に掲載するよう頑張りますので
どうぞお待ちください。

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これは
映画やドラマのシナリオを書いてみたい、
けれど、シナリオスクールに通うお金はない、
独学しているけれど行き詰まりを感じる、
…という人たちに向けてのnote記事です。
私の今までの経験や勉強したことを元にしておりますので
スクールと違うことを書いてる!などのご指摘はご勘弁ください
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