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『ジョジョ・ラビット』戦争版『ムーンライズ・キングダム』かと思わせて、“愛は最強”のヒーロー映画 1/17(金)~公開

ジョジョラビット

原題:Jojo Rabbit  ★★★★★+

まだ1月上旬ですが、『1917 命をかけた伝令』と合わせ2020年ベスト級の映画と出会ってしまいました。

あたり前ではありますが、主人公の少年ジョジョ役のローマン・グリフィン・ディビスは可愛いだけではありません、初映画にして立派に主演を務め上げています。

その母ロージーを演じるスカーレット・ヨハンソンによる、戦禍の中のあの快活さ、ポジティブさは本作の重要な柱、必要不可欠なもの。

アンネ・フランクのごとく壁の中に隠れた、シニカルな物言いの少女エルサ役トーマシン・マッケンジーもどこか神秘的で、キュート。

原作小説のクリスティン・ルーネンズ「Caging Skies(原題)」、邦訳が出ていないようですが、今すぐにでも出してほしい。


一見すると『ムーンライズ・キングダム』のようなポップな世界観ではありますが、それに騙されてはなりません。

子どもの目を通して、ナチスやあの戦争はもちろん、排斥や分断、優生思想といったものが、いかに醜いか、非道かを伝える…だけでもありません。

「アメリカ軍が来るぞ」と、いま現在の現実とシンクロする部分もあります。

そんな中で母の教えを守るジョジョは、もうナチスシンパではありません。

彼は明るく陽気な、あの母のもとで大変幸せだったろうと思いますし、そして幸運でもありました。


戦争について映画で語るとき、その語り口として時には本作のような優しさに満ちたユーモアこそが必要です。人々の心に届かせるには、笑いが一番。

それなのに、ラストシーンは涙が止まらないのです。


サム・ロックウェルも最高、アルフィー・アレン演じる部下との関係性にもぜひ注目してみてほしいところ。

プロダクションデザインや衣装デザインはもちろん、マイケル・ジアッチーノの音楽もよい上に、極めつけは……。これはもうズルいレベル。

タイカ・ワイティティ監督のアカデミー賞監督賞ノミネートに期待しています!


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