『家族を想うとき』2010年代を締めくくるケン・ローチの本気。 公開中
原題:Sorry We Missed You ★★★★★+
『わたしは、ダニエル・ブレイク』よりも、さらにさらに
重いものを私たちのハートにぶち込んできて、置き去りにしていきます。
今年『ジョーカー』『パラサイト』も確かに凄いものでしたが、本作もまた
ケン・ローチが冴えわたっております。
フランチャイズや自営というある意味、言葉のまやかしのおそろしさ。
帰路でUberEatsの方を何人も見かけたけれど、重なってしまってさらに胸がザワつきました。
この家族、全面的に感情移入してしまいましたが、
特に息子と年が近い、ある種の諦観を抱えたお兄ちゃんにとても感情を入れてしまって、ボロボロと泣きました。確かに反抗期ですが、ちゃんとお母さんとは繋がっているし、とても優しい。
妹の思いも痛いほどわかる。彼女はきっと、いつもひとりぼっちだったのです。
この怒りというのか、悲壮感ともいうのかは、本当、どこへ向かえばいいのでしょうか。
オリンピックだとか何だとか、とても浮かれる気持ちにはなれないまま
2020年を迎えることになりそうです。
そして正直に言いますが、
この邦題は好きではありません。Wミーニングなのに。
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